《2023.11.23》
何の情報収集もせずに入国したアルメニア。
どんな観光地があるのかもよく分からずに来てしまったのですが、幸いなことに宿の同室には日本人のお姉さんが泊っており、アルメニアのおすすめ情報をあれこれ教えてくれました。
お姉さんによると、エレバンから60㎞くらい離れた場所にセヴァン湖という湖があり、そのほとりにあるセヴァナヴァンクという修道院がとても美しく、観光地としても有名なんだとか。
「ちょうど行こうと思っていたところだから、もし良かったら一緒に行く?」というお誘いに乗っかり、アルメニア入国の翌日は早速セヴァナヴァンク観光に出かけることになりました。
ここで、アルメニアの交通事情について少々触れておきます。
アルメニアおよび近郊国で最もメジャーな公共交通手段は、マルシュルートカと呼ばれる乗り合いミニバス。
どこ行きのマルシュルートカがどこから出ているのかは、地元の人にしか知られておらず、英語も通じないので乗車の難易度は若干高めです。
また、旧ソ連圏のアルメニアでは、Google Mapはほぼあてになりません。
アルメニアで最も一般的に使われている地図アプリは、旧ソ連圏に強いYandex Map。
しかし、これもローカルなマルシュルートカの乗り場や時間まで全て網羅しているわけではないので、あくまでも参考にといった感じです。
そのようなわけで、アルメニアの交通手段は決して簡単ではないわけですが、本日の私には心強い味方が付いています。
旅上級者のお姉さんの後をノコノコとついていき、どこだかよく分からない道端から何だかよく分からないミニバスに乗り込み、言われるがままに乗車賃をお支払い。
乗車賃は片道700ドラム(約280円)でした。安いね。
何も把握しないままボケっと1時間弱マルシュルートカに揺られるうちに、マルシュルートカはセヴァナヴァンクの最寄りの町であるセヴァンに到着。
ひぃ…地面が凍ってる!!!さ…寒い。。
セヴァンはエレバンより標高が高いため、気温も低めなんだとか。
町にはそこはかとなく旧ソ連感が漂っています。
さて、セヴァンの町からセヴァン湖までは6㎞ほどの道のり。しかし、マルシュルートカなどの公共交通機関は出ていません。
行き方の選択肢は3つ。
①タクシー(おそらく往復で1000円くらい)
②徒歩(片道1時間半)
③ヒッチハイク
この中でコストも早さもカバーできるのは、もちろんヒッチハイクです。
でも、人生で一度もヒッチハイク経験などない上に引っ込み思案な私にはヒッチハイクをするなどという考えはありませんでした。
事前に「ヒッチハイク出来たらいいよねー!」なんて言われて適当に相槌をうっていたものの、心の内では、“まぁ私には無理だわな”などと思っていたくらいです。
しかし、お姉さんには一片の迷いもありませんでした。
目的地方面に走る車を見つけるや否や、親指を立てた手を高々と上げて必死にアピール。
一台目で止まってくれるなどという奇跡は起こらず、2台…3台…と見送る中、お姉さんのアピールはどんどん大胆になり、しまいには車道に飛び出す勢いを見せています。
何もしないわけにもいかないので、私も親指を立て、お姉さんの後ろに隠れるようにしながら申し訳程度にアピール。
そんな中、一台の車が止まってくれました。
運転していたいかにも優しそうなおじさんは、私たちがセヴァナヴァンクに行きたがっていることを知ると快く乗るように合図してくれました。
やったー。ヒッチハイク成功!
アルメニアでは地元の人の間でも他人の車に乗せてもらうことが珍しくないらしく、日本や他の諸外国よりヒッチハイクのハードルは低いようです。
時には、ただ歩いているだけで「乗せようか?」と声をかけてくれる人もいるほどなんだそうです。
お姉さんの行動力とおじさんの優しさにあやかり、徒歩1時間半の道のりをあっという間にワープです。
セヴァナヴァンクは、下の地図を見てわかるように、セヴァン湖に突き出した小さな半島のような場所に位置しています。
この半島はかつては島だったそうですが、旧ソ連時代の灌漑事業により湖の水位が20mも下がったことにより陸地がつながって半島になってしまったのだとか。
この巨大な湖の水が20mも下がる工事って…ソ連はこの地で一体何をしたのでしょうか。。
運転手のおじさんは、回り道してまで私たちを半島の途中の修道院付近まで送ってくれました。感謝。
修道院は小高い丘の上に立っており、なかなか急な階段を上っていきます。
ひぃひぃ言いながら長い階段を上り切り、ついに到着!!
ほー!!なかなかの絶景!
歴史ある教会と広い湖のコラボレーションが大変絵になります。
教会は2つあります。
この辺りには4世紀ごろから教会が立っていたそうですが、異民族からの侵略などにより一旦は破壊され、今ある建物は17世紀ごろのものだそう。
建物にはたしかに、色々な歴史を経た貫禄が漂っています。
ネットでは、教会の中に入場も可能という情報もあったのですが、私たちが行った時には教会の扉は鍵がかけられていました。
たまたまこの時入れなかっただけなのか、それとも今は一般公開を行っていないのか、定かではありません。
教会の隣には建物の基礎のようなものが。
これはかつて修道僧が生活していた住居の跡地なんだそうです。
半島の先の方まで行くと、2つの教会と湖を遠目から一望することができます。
それにしても、風が強くて寒い!
この時の私の服装は、ロンT+パーカー+ユニクロのウルトラライトダウンでしたが、あまりの寒さに鼻水が止まらず。
あんまり長居すると体調を崩しそうなくらいの寒さだったため、滞在時間30分弱でセヴァナヴァンクを後にすることとなりました。
帰り道はまたヒッチハイク。
太い道路まで出て乗せてくれる車を探します。
行きで少し自信がついたので、帰り道は私も割と積極的にアピール。
すると、さほど待つこともなく1台の車が止まってくれました。
乗っていたのは若い男性の3人組。
少々ヤンチャな彼らの車は、重低音の効いた音楽が爆音で流れていました。
セヴァンの町まで乗せてほしいということは何とか伝わったものの、それ以外は一切言葉が通じず…。
ちらちらこちらを見ては大声で何かを会話しゲラゲラ爆笑する彼らの車は、はっきりいって大変居心地が悪かったです。
今回は2人だったからヒッチハイクに積極的になれたものの、1人だったらやっぱり無理だぁ…と思いました。
セヴァンの町からエレバン行のマルシュルートカ(ミニバス)は、下の地図の場所から出ています。
下の写真のような立て看板が出ているので、近くに行けばすぐにわかるはず。
料金は、往路と同じ700ドラム。
一応待合所もありました。
どのくらいの頻度で出ているのかは不明でしたが、私たちが行った時は大して席が埋まっていないのにも関わらず割とすぐに発車してくれました。
マルシュルートカは特に問題なく1時間弱でエレバンに到着。
出発したのはすでにお昼頃だったにも関わらず、日暮れ前に帰ってくることができました。
夜はお姉さんと一緒に夕食をいただきました。
チキンにビールはどの国に行っても間違いなし。
行ったのは、エレバンのお手軽ファミレス的なお店としてネットで紹介されていたKaras Restaurant。
某サイトで“300円以下で食事ができる!”と書かれていたのでつい期待してしましましたが、写真に写っているチキンは1950ドラム(約790円)、焼き野菜は1600ドラム(650円)。
うーん、アルメニア、もちろん他の欧米の国々に比べれば安いですが、やっぱり激安ではないです。
でも、味は美味しかったし、久しぶりに誰かと日本語で会話しながらの食事は大変楽しいひと時でした。
次回は、アルメニアの一大観光地“エチミアジン”に行ってみたいと思います。
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コメント
いつもブログ楽しく拝見させていただいております。私も世界一周の最中であり、現在インドに居りますが、SACHIEさんの周遊ルートが私の計画しているルートとほぼ同じでして、勝手にシンパシーを感じております。
ところで私は最近、イスラム教における礼拝の格好をすることが日常となっています。それはブッダガヤやバラナシに触れたことで信心深くなったからではありません。上からしか出てこないインドのシャワーに対して、尻をよく洗う為です。汚い話で申し訳ございませんが、どうやらバラナシで食あたりになったらしく、下痢が止まらないのです。旅を始めてまだ1ヶ月ですが、すでに日本が恋しいです。山下達郎の「僕らの夏の夢」という曲をご存知でしょうか?不思議と郷愁を誘う曲でして、この曲を聞きながら涙と下痢を堪えています。嘘です。泣きながら漏れてます。
そんなこんなで、SACHIEさんの背中を追うようにして旅を続けていますので、勝手ながら大変心強く思っております。
旅を始めたのが昨年の夏ということですので、もしかするともう旅を終えられているのかもしれません。もし、まだ旅の途中で、何かの縁でお会いできたら、是非ご飯を奢らせてください。
私はsnsはやっておりませんが、X(ツイッター)をやられているということでしたので、フォローさせていただきました。カップラーメン食ってるやつです。
それでは引き続き応援しています。お互い良い旅が出来ますように!失礼致します。
いつもお読みいただきありがとうございます。
お腹壊してるんですね..!
無理してカレー等食べず、水分多めに摂って養生されてください。
私は現在中南米の旅に向け準備中です。
まだ旅は続けるつもりですので、どこかでお会いできましたらぜひよろしくお願いいたします^^
ご返信、そしてお気遣い感謝申し上げます!
中南米に行かれる予定なんですね!そうだと思いました、私もそうだからです。すいません、キモかったですね。
中南米に関しては一番恐れている地域ですので、そこに関する情報をあげて下さるのはとてもありがたいですし、今後ますますSACHIEさんのブログを凝視していきたいと思います。
くれぐれも安全第一に良い旅をなさって下さい!!失礼致しました。
私も中南米そこそこびびっています。
リアルタイムとだいぶ離れてしまったのでいつになるか分かりませんが、今後もぜひお読みいただけましたら幸いです。
今後もお互い、安全に気を付けて旅を楽しみましょう^^