【インド①】コルカタ上陸、空港から市内へ

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≪2023.9.1≫
タイ・スワンナプーム空港を飛び立った飛行機は、早朝4時半頃インド・コルカタのネータージー・スバース・チャンドラ・ボース国際空港に着陸しました。

機内はほぼインド人でしたが一人だけ日本人の方が乗っており、入国審査を待つ間に少しお話をしました。
彼は浅草でカブトムシ屋をやっており、これからインドの東北地方の村に希少なカブトムシを仕入れに行くとのこと。
「女一人でインド来る人なんかいるんですね!めちゃくちゃ珍しくないですか!??」と仕切りに驚いていましたが、インドの村にカブトムシを捕まえに来る人の方が女の一人旅よりよほど珍しいと思います。

若干心配していた入国審査も無事に通り、荷物受け取りもスムーズ。

到着ロビーではコルカタの偉人の方たちのイラストがお出迎え。
やはり、初めて来る空港はテンションが上がります。

しかしここで、テンションが上がってる場合ではない大問題に遭遇しました。

両替屋が無いのです。。

両替ができないとタクシーもバスも乗れず市街地まで移動することが出来ませんので、これは一大事です。

しかし実は私、コルカタの空港の到着ロビーには両替屋が無いらしいということは色んな方のブログなどを見て薄々知っておりました。
そして、2階の出発ロビーにはATMがあり、そこでキャッシングができるということも。
タイにいるうちにいくらかインドルピーに両替しておくことも考えたのですがレートが悪く、“たぶんATMでどうにかなるだろうし、ATMが万が一無理でもどこかで両替出来るだろう。だって国際空港なんだから…”という甘い考えから結局両替はしてこなかったのです。
そのような経緯があったので、満を持して2階の出国ロビーへ。
出国ロビーの入り口にはガードマンがおり搭乗券を持っている人だけが中に入れるようになっているのですが、何とかゴネ倒してATMまで付いてきてもらい、いざ、キャッシング!!!!

・・・・・・・・

“このお取引は実行できません。ソーリー。”

なにーーーーーーー!!!

複数持っているカードを一枚ずつ試すも全部だめ。
ATMは2台あるのですが、うち一つは故障中の貼り紙がありそもそも使えず、もう打つ手無し。
付いてきてもらっていたガードマンに空港内に両替屋は無いのか聞くと、到着ロビーにあるとのこと。
聞いた通りに行ってみるとそこには一応“Money Exchange”のデスク。

・・・どう見てもやってない。
無人だし、時間帯とか関係なくこのデスクが稼働しそうな気配は1ミリも感じられません。

もうこうなったら、色んな人に聞きまくり作戦です。
空港職員らしき人を片っ端から捕まえて情報収集。

私「空港内に両替できる場所はありませんか?」
インド人①「手荷物受取ロビーには両替所あるよ。」
私「そこまでどうにか戻れませんか?」
インド人①「それは無理。でもセキュリティーのマネージャーならどうにかしてくれるかもしれないから、2階に行ってみて。」
私(2階に行ってみる)
インド人②「何の用?」
私「こうこうこういう事情でマネージャーにお会いしたいのですが。」
インド人②「あー、無理無理(笑)」
私「でも下にいた人がそのように教えてくれたのですが…」
インド人②「いや、とにかく無理(笑)」

…らちが明かない。
まぁでも手荷物受取ロビーに戻れないのはある意味当たり前ではあるのでごねるわけにもいかず…

そうだ。配車アプリならクレジット決済出来るのでは…?
(スマホぽちぽち…)
・・・・・・・

インターネット繋がらない。。

空港にはWifiがあるものの、電話番号認証をしないと使えない仕組みになっており使えず…。
私は楽天モバイルユーザーなので本来なら自動でインドのキャリアを使ってネットが使用可能なはずなのに、なぜか電波が悪くて本当に全っ然ネットに接続できず…

とりあえず流しのタクシー拾って両替所で降ろしてもらうか?
いや、でも空港付近にいるタクシーは旅行者目的だろうから詐欺まがいの両替所に連れていかれたら困るし…
ATMもさっきみたいに一発で降ろせない可能性もある。
いくつもATMを回ってもらうようなことになればいくら請求されるか想像がつかない…

この時点ですでに到着ロビーに出てから1時間以上。(文章に書く都合上カットしていますが、他にもあちこちたらい回しにされています)

最後にダメ押しで空港職員のインド人に空港内に両替所かATMがないか聞いてみたところ、
インド人③「無いよ。空港の外に行けばあるだろうけど」
私「それって、空港の近くですか?どの辺にあるでしょうか?」
インド人③「そこまでは分からないけど、街のどこかにはあるでしょ。」

そりゃそーだろうが。
私だって街のどこかにあることぐらい分かるわ。

こうして私は決めました。空港の外に出ることを。
“市街地の方角に向かって歩き、一番先に見つけたATMでお金を降ろす→そこからタクシーを拾って宿に行く”という作戦です。

地図で方向を確認し、いざ空港の外へ。
一歩空港の外に出た瞬間、熱気とものすごいクラクションの嵐がお出迎えしてくれました。

あぁ、これがインドか。

空港の周りのタクシーの客引きはしつこく、振り払っても振り払っても次から次へと声掛けされます。
タクシー「ヘイ!マダーム!タクシー?」
私「ノー」
タクシー「ハウマッチ?ハウマッチ?」
私「アイハブノーマネー」
タクシー「ドントウォーリー!!ベリベリチープ!」
私「アイハブノーマネー(2回目)」

あぁ、これがインドか。

少し歩くと、空港周辺の整備されたエリアから周囲の様子は一転、インドの生活感あふれるエリアに入っていきました。
道路に溢れる車、バス、バイク、リクシャー、野良犬、人、人、人…
舞う土埃。
飛び交うクラクションとインド人の大声の喧騒。
道端に溢れるゴミと動物の糞。
アスファルトが所々剥がれたガッタガタの道。

あぁ、これがインドか

若干心が折れそうになりますが、後には引けません。
とにかくATMを探して進むのみ。
…しかしまぁ、ATMの無いこと。
この国の人は皆給料手払いでお金はタンス貯金なのでしょうか?
30分程歩いて見つけた銀行では両替はやっていないと言われ、1時間程歩いて見つけたATMは通帳記帳専用でカードを受け付けておらず…

段々気が遠くなってきた頃、ついに見つけました!!ATM!!!

無事にキャッシングに成功し、ついにインドルピーゲットです。
これでもう無敵!!!

…そう思ったのもほんの束の間でした。
この時点で既に空港から1時間半ほど歩いており、空港と市街地の丁度真ん中あたりの中途半端なエリアにいたためタクシーが全然見当たらないのです。
いるのは乗合オートリクシャー(バイクの人力車)とサイクルリクシャー(自転車の人力車)のみ。
途方に暮れながら道に立っているとサイクルリクシャーが声を掛けてきました。
まだ市街地までは遠く自転車で行ける距離ではないと分かっていたため断るも、“絶対に行ける!”と言い張る運転手。

そんなに言うなら……と若干半信半疑で乗り込み、出発。

3分後。

リクシャー「着いたよ!ここだ。」

んなわけあるかい!!
100mくらいしか進んでないでしょうが。
ここが目的地なら余裕で歩けるわ…!!!

ただ、このリクシャー運転手はどうやら本気でそこが目的地だと思っていたのか何なのか、“おや、ここじゃないのかい?”という反応。

あぁ、これがインドか。

結局彼には20ルピー払ってお別れしました。

“より市街地に近づけばタクシーが捕まりやすくなるかもしれない…。”そう思った私はとりあえず歩き続けることにしました。
相変わらずネットは繋がりませんが、オフラインで地図はみることが出来たので方向は分かります。
歩き始めて2時間余りが経過した頃…
突然空が暗くなり、雨が降ってきました。
それはそれはもう、バケツをひっくり返したような大雨です。
たまらず建物の軒下に避難しましたが、完全には雨はよけきれずこの時点で全身及びバックは全てびしょ濡れになりました。
10分ほど待つと少し雨脚が弱くなったためまた歩き始めたのですが、道は水はけが悪く川のよう。
ゴミやら汚物やら動物の糞やらで汚染された水が道に流れ出し行く手を阻んできます。
それでも何とか歩き続けていたところ、勢いよく私のスレスレのところを車が通過。
結果、得体の知れない汚水を全身に浴びました…。

あぁ、これがインドか。

満身創痍の状態で無心に歩いていると、ついにタクシーを発見。
行き先を告げ、いくらか聞くと600ルピーとのこと。
日本円にすれば1000円くらいの金額ですが、この国ではおそらく相場の倍はする法外な値段です。
ドライバーは終始ニヤついており、びしょ濡れで大きな荷物を持った私の足元をすくってやろうという意図が手に取るように分かります。
私「空港からだって500ルピーもしないくらいなのに、600ルピーは高すぎます。300ではどうですか?」
ドライバー「いいや、600だ。これはグッドプライスだよ。雨降りだし他に乗りたい人はたくさんいるんだから、嫌なら断っていいんだぞ?でも歩いて行くのは無理だろう?(ニヤニヤ)」

あぁ、これがインドか。

このやり取りで私の中で何かが吹っ切れました。

もう、歩いて行こう。
どうせもう道のりの半分以上は歩いてるし、既にびしょ濡れ泥だらけなんだからこれ以上汚れるのも怖くない。もうどうなってもいーわ。

こうしてひたすら歩き続けること2時間半、ようやく市街地近くの太い通りまでたどり着くことができました。
大通りではたまたま通りすがったバスに乗って2キロくらいショートカットで宿の近くまで行くことが出来ました。

こうして、3時間以上を掛けて何とか宿まで到着。
事前に予約していた宿は、値段の割に大変綺麗でエアコンもあり、併設されたレストランでは手頃な値段でちゃんとした食事が食べられる良い宿でした。

お部屋はこんな感じ。これで一泊1500円程度です。

このブログでは、私が“ここはおすすめ出来る”と感じたホテルは宿情報を掲載するようにしています。
しかし、この宿は私的におすすめできません。

なぜかって、、
宿のある通りがカオスだから。

一度迷い込んだらタダでは済まなそうな雰囲気が溢れ出た通り。

道端の肉屋の店先にはヤギの生首がごろりん。

あぁ、これがインドか。

宿の部屋で全身に飛び散った汚水を洗い流し、来ていた服を念入りに手洗いし、履いていたスニーカーをザブザブ洗い、カバンを除菌シートで拭きまくって全てが落ち着いたころにはもう日が暮れかけていました。

外に出る元気はもうひとかけらも残っていません。
怒涛のコルカタ初日はこれにて終了です。
窓の外から聞こえてくるクラクションやら怒鳴り声やら爆音の音楽やら子供の泣き声やらを聞きながら眠りにつきました。
ちなみに、インドが随分やばい国かのような書き方をしましたが親切なインド人にもたくさん出会いました。
バスに乗った時は周りの人がどこで降りたいのか聞いてくれて目的地で降ろしてくれたし、予約した宿が見つからず困っていた時にはその辺にいる人が総出で情報収集をして宿まで連れて行ってくれました。
インドは噂通り強烈な国だと感じると共に、インド人には親切な人もたくさんいるのかもしれないということもインド初日の私の印象には強く残りました。

当ブログをお読みいただいてる方の中には旅慣れた方やインドに行かれたことがある方もいらっしゃるかと思います。
そのような方から見れば、両替にしろ、空港からの移動にしろ、宿の選択にしろ、この日の私の行動はあまりにお粗末であきれる点もあったかもしれません。
空港から3時間以上、インドのゴミまみれで歩道も無い道をコロコロを引きずって歩くなどとは今思っても狂気の沙汰でしかありません。
しかし、これが今の私のリアルなレベルです。
なので、旅慣れた方はこれからも『あー、、やらかしてるな』という気持ちで、温かく当ブログをお読みいただけたら幸いです。

そしてもし、旅に出たことはないけど憧れはあるという方がいらっしゃいましたら、当ブログを読んで『こんなレベルで旅に出てる人がいるなら自分も行けるかも』と勇気を思ってもらえれば大変嬉しく思います。

とにかく、今回の教訓は、
コルカタに行く時は荷物受け取りロビーを出る前に絶対に両替しましょう
ということです。

以上、インド初日でした。

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コメント

  1. jun5 より:

    初めまして。
    SACHIEさんがちょうど日本を経った頃にブログ村で発見し、文章の上手さにすっかりこちらのブログのファンになってしまいました。

    インド初日、大変でしたね。
    大変だったのでしょうが…すみません…ブログ、とっても楽しかったです💦
    インド、ファイトです!!(すでにネパールに移動されているようですが)

    更新楽しみにしていますので、お体には気をつけて旅して下さい😊

    • SACHIE より:

      コメントありがとうございます!
      ファンだなんて大変嬉しいお言葉!励みになります!
      温かいお言葉もいただきありがとうございます。
      これからも細々と更新していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

  2. Sonoko より:

    初めての国や土地の勝手がわからないのは誰でも同じですし、旅慣れた人から見てどうとか関係ないです!SACHIEさんのスタイルで堂々とSACHIEさんの旅を楽しんだらいいと思います。

    こんなレベル?え?いやいやコルカタの空港からインド初日に三時間も歩くって、相当度胸も体力もあるぜって思いましたよ(笑)すごー。
    コルカタ空港は私もこの前10年振りに行って両替に苦労しました。同じくたらい回しにされたので、めっちゃわかります〜。

    ほんっとに文章が上手で面白いですよ。これからも楽しみにしていますね!

    • SACHIE より:

      分かっていただけて嬉しいです泣
      それなりに大きな国際空港なのに、到着ロビーに両替所もATMも無いって、、どういうこと?何がねらいなの…?て思います。
      度胸も体力もさほど自信ないんですが、もうそれしか方法思い浮かばずでした💦
      文章上手だなんて恐縮です…!マイペースな更新ですが、今後ともよろしくおねがいします!

  3. しょーん より:

    こんにちは!

    新年早々にコルカタからインド入国予定なので、とても参考になります!

    SACHIEさんのおかげで、心の準備ができた気がします!

    お体に気をつけて旅を続けてください!
    ブログ楽しみに待ってます!

    • SACHIE より:

      参考にしていただけたなんて嬉しい限りです!
      コルカタから入られる場合は、心とインドルピーのご準備をお忘れなく…!
      まだ今もインドにいますが、インド国内あちこち回った今でもコルカタは中々強烈だったな…と思います。

  4. tada より:

    文章が上手で楽しく拝見させて頂きました。
    まとめに、「コルカタに行く時は荷物受け取りロビーを出る前に絶対に両替しましょう。
    」と書いていますが、この場所は「時間帯とか関係なくこのデスクが稼働しそうな気配は1ミリも感じられません」と言っていた場所とは違うのでしょうか?

    • SACHIE より:

      お読みいただきありがとうございます!
      励みになります^^
      ご質問の件、おっしゃる通り違う場所です。
      1ミリも稼働しそうにないデスクは、荷物受け取りロビーの外にあります。
      荷物受け取りロビーには、普通の両替所があるらしいです。

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