《2023.9.4-9.5》
本日はコルカタからガヤへ夜行列車で移動しますが、日中は時間があるので少し街歩きを続けていきたいと思います。
まずはじめに来たのは、マザーテレサの家。
マザーテレサは貧しい人や重い病気の人たちの為に献身的に活動し、ノーベル平和賞も受賞した有名なお方ですが、その活動の拠点はインドのコルカタにあったということを今回初めて知りました。
コルカタには、マザーテレサ(もしくはその後身)が設立した貧しい人たちのための施設がいくつもあり、外国人でもボランティアを行うことが出来るそうです。
私は今回ボランティアには参加しませんでしたが、マザーテレサが亡くなるまで過ごしたという家を訪問しました。
中にはマザーテレサの棺があり、シスターや他の訪問者たちが祈りを捧げていました。
マザーテレサが亡くなるまで過ごしたという部屋もそのまま残されていました。
キッチンの真上にあるその部屋は夏はものすごい暑さだったようですが、彼女は貧しい人への支援を優先して決して贅沢はせず、冷房もファンも一切使わなかったんだそうです。
1階には簡単な展示室もあって、マザーテレサの活動の履歴や残した言葉、使っていた道具や衣類なんかが展示されていました。
『貧しい人たちが求めているのは、哀れみや情けではない。理解と愛と人としての尊厳だ』という言葉が何だか心に沁みました。
コルカタの街には路上生活者の人が山ほどいて、中にはガリガリに痩せた人や障害を持っている人もいて、そういう人を目にする度に私は無意識のうち“可哀そうだな…”という目で見ていたし、出来るだけ近づかないように避けていたのです。
でもカースト制が残るインドでは特に、路上生活をする人が怠慢のせいでそうなったわけではないと思うし、一人ひとりに今の現状に至った理由が必ずあるわけで、そういった背景をしっかりと理解して、同じ目線に立って相手を尊重しながら関わるのが本当の支援だろうなと…。
コルカタは街中に物やお金を乞う人がいるので、その全員に手を差し伸べることなどただの旅行者の私には到底できないのですが、少なくとも目を逸らして避けるようなことはせずせめて目線を合わせて一言声を掛けるとか何か出来たらいいな…とかそんなことを思いました。
それにしても、このような慈愛に満ち溢れたお方は人生のどの段階からそのような精神が備わったのでしょうか。生まれながらの気質などもあるのでしょうか。
洗礼を受けキリストの教えを守ったとしても、身を粉にして赤の他人に無償の愛を注ぐことなどそう簡単には出来ないと思うのです。
“楽してお金手に入れる方法ないかな”とか常に欲にまみれたことばかり考えてる自分が恥ずかしい限りです。
そのあとは、バックパッカーの聖地として有名なサダルストリートを歩いてみました。
特に何があるというわけではないのですが、先人の旅人さんたちのブログにかなりの高確率で登場するこの場所がどんな場所なのか見てみたくて。
これが、あの有名な“伝説の宿”ホテルパラゴン…。
営業…してるのでしょうか?
かつてここがバックパッカーの一大拠点として盛り上がっていたとは、何だか信じられない外観です。
ホテルパラゴンだけでなく、通り一帯にも何だか思っていたような活気はなく、ゴミがそこら中に散乱しています。(まぁゴミはどこにでも散乱してるんですが…)
タイのカオサン通りのような場所を勝手に想像していたのですが、ちょっと違ったようです。
ここで旅人さんたちが集い語らったり情報交換をしていた古き良き時代にほんのしばし思いを巡らせ、通りをあとにしました。
ひとしきりブラブラしたあとは、今後の情報収集などの為、ネット環境があって座れる場所が欲しく、スタバに行ってみました。
インドのスタバは飲み物一杯がその辺の食堂のごはんの3倍くらいの値段だったりするので、貧乏旅行者が気軽に行って良いような場所ではないのですが、ネット環境のある場所が他に中々見つからず、清水の舞台から飛び降りるくらいのつもりでいざ入店です。
レジのお姉さんが冷たいのも出来るというのでアイスのカフェモカを注文しましたが、出てきたのはあっつあつのカフェモカでした。
私「あの…冷たいの注文したのですが…」
店員①「あ、そうですか。少々お待ちください。」
(アツアツのカフェモカを片手にもう一人の店員とコソコソ話。※以下、仕草等から会話内容推測)
店員①「冷たいの頼んだとか言ってるんだけど、これ作り直した方がいいかしら?」
店員②「えー、氷ぶっこめばOKじゃない?」
店員①「だよねw」(アツアツのカフェモカをグラスに移して氷ぶっこむ)
・・・・・・・・・
店員①「おまたせしましたー!アイスのカフェモカです。」
いやいやいやいや…グラスの上3分の1は氷が溶けたただの水で、グラスの下の方あっつあつのカフェモカのまま!
日本で同様の対応した日にはSNSで拡散された上にネットニュースとかになりかねない事態ですが、嗚呼、さすがインド。なんだか苦情を言うのも面倒になってしまい、そのカフェモカをいただきました。今までの人生で飲んだカフェモカの中で一番まずかったです。
さて、調べものをしたりブログを書いて時間を潰したあとは、いよいよインド鉄道に乗るべくハウラー駅に向かいました。
インド人は床に寝て列車を待つと聞いていましたが、本当にたくさんの人が寝ています。
インド鉄道は数時間の遅延も珍しくないので、行儀よく座って待つなんて心身ともに難しいのかもしれません。
駅の広さと人の多さに圧倒されていると、1人のインド人男性が声を掛けてきました。
見覚えのある顔です。
“そうだ、さっき乗合タクシーで一緒に駅に来た人だ!”
彼は、どう見ても外国人の私が駅で困ったことにならないかと気にしてくれていたらしく、私の電車が来るホームを確認してくれ、そのホームの場所まで連れて行ってくれました。
なんて良い人!(しかもちょっとイケメン)
まだ電車の時間までは一時間以上あったので、彼にお礼を伝えて別れたあとは駅内の食堂で晩御飯を食べました。
ボリュームもたっぷりで美味!満足です。
1時間程時間を潰し、電車の時間に合わせてさっき教えてもらったプラットホームへ。
するとそこにはなんと、さっきの彼が!
彼「やっと見つけたー!インドの列車って車両たくさんあるし、初めてだって言ってたからちゃんと乗れたか心配で見に来たんだ!」
えーーーーーーーーーー!!
そんなことある!?タクシーでたまたま乗り合わせただけの他人にそこまでしてくれる人が世の中にいるなんて!
私が呑気にカレー食べながら時間潰してる間、このお兄さんもどこかで時間潰しながらわざわざ待っていてくれたんだ…神。
なんでそこまでしてくれるのか聞いてみると、「外国から来る人にインドを好きになって欲しいから」だって。
彼は私の乗る車両を確認して連れて行ってくれ、シートを確認し、「荷物は座席の下に入れられるよ。電源はここ、トイレはあっちだよ。」とあれこれ説明してくれた後、「じゃあ、楽しんでね!」とにっこり笑って去っていきました。チップをせびることも無ければ連絡先を聞いてくるようなこともなく、とても爽やかに。
三大うざい国の一つと言われるインド。
インド人に正直あまり良い印象を持ってない人も多いはずだし、正直私もそういう印象を持っていました。
でも、当たり前のことだけど、みんながみんなそうじゃない。
ここ数日で接したインドの人たちは、確かにうざい人も山ほどいるけど、良い人は本当に感動するくらい良い人たちでした。
やっぱり百聞は一見に如かずで、これは旅に出てみなければ分からなかったことです。
これだから旅は面白い!
「あぁ、お兄さんの連絡先聞いとけばよかった…」と後悔しながら眠りにつく寝台列車の夜です。
列車は一路ガヤを目指します。
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