1.トビリシ及び周辺観光
《2023.12.2-4》
首都トビリシでは、ビュースポットとして有名なナリカラ要塞に行ってみたり、歴史ある教会に行ってみたりと数日間まったり街歩きをして過ごしました。
また、トビリシから片道2時間ほどで行けるシグナギという町に日帰り観光に行ったりもしました。
シグナギは、山の上に町があることから“天空の町”などと呼ばれているそうです。
シグナギのあるカヘティ州はワインの産地として有名で、各ご家庭でも自家製ワインを作るほどなんだそう。
ウズベキスタンで出会った年配旅人さんが、
「昔、ジョージアの田舎道を歩いていたらその辺にいる人達が次々と手招きして呼んでくれて、民家で自家製のワインを振舞ってくれたんだよ。あのワインが人生で一番美味しかったなぁ」
と教えてくれたのを思い出したので、それを期待して当てもなく町をうろついたり町民の方たちに無駄に微笑みかけてみたりしましたが、不審がられただけで誰からもワインを振舞われることはありませんでした。
ジョージアも、古き良き時代は終わりを迎えていたようです。
仕方ないので、シグナギでは課金して普通にレストランでワインを飲みました。
メニューに“Home made wine”と書かれたそれは、普通の白ワインより濁っていて、渋みがあり、少々水っぽい感じがしました。
そんな感じで、トビリシ及び周辺の町観光はゆるーく終了です。
2.トビリシからクタイシへ
《2023.12.5》
首都トビリシから、次の目的地であるクタイシという町を目指し、西に進みます。
クタイシの後はそのまま西の街に進み、隣国トルコに陸路で抜けようという作戦です。
トビリシからクタイシへの移動手段はマルシュルートカ(ミニバス)か鉄道があるようですが、鉄道の方が圧倒的に安いので鉄道で行ってみたいと思います。
トビリシ⇔クタイシ間の鉄道のチケットは、ジョージア鉄道のHPから購入が可能です。
本数は1日1本のみで、8時50分発。
チケットの値段は、ネット購入で片道10ラリ(約560円)でした。
トビリシ中央駅は大きな建物ではありますが、プラットホームは2つしかないので意外と分かりやすいです。
電光掲示板には英語表記もあります。
発車予定時刻の15分前くらいにプラットホームに行ってみると、すでに列車が来ていました。
乗車口にいる係の人にスマホの予約画面を見せ、いざ乗車。
チケットが安かったのでどんなおんぼろ列車かと思いましたが、車内は意外と綺麗です。
席は自由席。かなり空いていたのでのびのび使えてとても快適でした。
クタイシまでは6時間近い道のりなので暇を持て余すかと思いましたが、のんびりと景色を見たり昼寝をしたりしながら過ごし、あっという間に時間が過ぎました。
列車はほぼ定刻通りにクタイシの駅に到着しました。
列車を降りて振り返ってみると、出発するときには何両も繋がっていたはずの車両が1車両のみになっていました。
残りの車両はいつの間に切り離されていたのでしょうか…?間違えて違う車両に乗らなくて良かったです。
クタイシの駅は、まるで倒産した会社のような建物でした。
“Kutaisi Station”とかの表記もないので、ここに列車が到着していなければこれが駅だと気づかなかったかもしれません。
クタイシ駅から街の中心地までは、少し距離があるものの十分歩ける距離です。
クタイシで宿泊したのは、駅と町の中心部の中間くらいにあるStar Hostel。
ここが、1泊1000円程でバスルーム付の清潔な個室(しかもベッド2台)に泊まれる当たり宿でした。
久しぶりの個室で、ゆっくり体力も回復できたし洗濯物も沢山乾かすことが出来ました。
3.クタイシ市内観光
《2023.12.6》
クタイシは、かつて首都だったこともある歴史ある街であり、世界で最も古くから人が住み続けている街の一つであるとも言われているそうです。
しかし、その割に(と言っては失礼ですが) 大して目立つ観光地は無く、経由地として通り過ぎてしまう人が多いようです。
私も、クタイシはただ経由地として立ち寄っただけなのですが、せっかくなので少し街歩きをしてみたいと思います。
まず初めに足を運んでみたのは、バラグラティ大聖堂。
11世紀初めに完成したこの大聖堂は、ジョージアが最も繁栄した12〜13世紀に、ジョージア最大の哲学・教育の中心地となった場所なんだそうです。
17世紀にはオスマン帝国の砲撃によって破壊され、一時は廃墟に…。
しかしその後再建された建物は、世界遺産にも登録されました。
しかし、今現在この建物は世界遺産ではありません。
なぜなら、
リノベーションをしすぎて、世界遺産登録を剥奪されてしまったため。
・・・そんなことってあるんですね。
中に入ってみて、“あぁ、確かに…。”という気がしました。
オリジナルだと思われる部分はほんの僅かで、床も天井も新築並みにピッカピカ。
明らかに中世の時代には無かったはずの現代式の二階スペースもあるし、挙句の果てには超立派なエレベーターまで付いています。
これでは、“歴史ある建築を台無しにした”と言われても無理はありません。
この屋根の外観も、オリジナルの建築を完全に無視してリノベーションされたものなんだそうです。
いや、誰の趣味を採用したの…?
個人宅の改装じゃあるまいし、「こんな形のグリーンの屋根とか素敵じゃない?」ってなった意味が分かりません。
この教会は、見晴らしの良い丘の上にあります。
ここから見る市街地はなかなかの絶景です。
旧世界遺産という、ある意味他所では中々見られない珍観光スポット、なかなか面白い場所でした。
続いては、町のほぼ中心地にあるクタイシ市場へ。
なかなか広い市場で、場内には食品、場外には日用品や衣類などを売る店が並んでいます。
観光客は一人も見かけず、地元の人が日常の買い物をしに来る“The ローカル市場”といった雰囲気です。
アルメニアからよく見かけるチュルチュヘラがここにもありました。
くるみなどのナッツに糸を通し、小麦粉と一緒に炊いたブドウジュースに漬けては冷やして固めた郷土菓子です。
ペットボトルに入った得体の知れない液体も売られています。
自家製ワインか何かでしょうか。
日本だと酒税法か食品衛生法か何かしらに引っ掛かりそうな代物も、こちらでは全く違和感なく売り場に溶け込んでいます。
市場の一角には古着コーナーもありました。
洋服の他、ストッキングや靴下の古着も売られています。
しかも、どれもかなり着古した感があるものばかりです。
中には、古着の下着まで売られていました。
これを買う人などいるのか?と思ってしまいますが、物色したり品定めをしている人も意外と多く見られます。
ジョージアは、コロナによる不況やロシアのウクライナ侵攻の影響により、ここ数年で信じられないほど物価が急上昇したのだそうです。
それにより生活が困窮してしまった人も多いそうで、こうした古着にも需要があるものと思われます。
コロナ禍前は“月5万円あれば贅沢な暮らしができる国”と言われていたジョージア。
ただの旅行者の私にとっては「なんだ、思いのほか物価高いじゃん」で済む話も、現地の人にとっては死活問題なのです。
市場のすぐそばには、旧ソ連時代に作られたという巨大な壁面彫刻がありました。
デスマスクを連想してしまいそうな不気味なデザインです。
何を表しているのか知りませんが、夜中に一人でこの前を通ったら呪われそうです。
一方で、町の中にはこんなおしゃれな壁画も。
早くもやることが無くなったので。wifiのあるカフェでまったり。
カフェラテ1杯6.5ラリ(約365円)でした。
クタイシには他に見どころが無いとまでは言いませんが、絶対に見ておきたいような場所はもう何も無さそうです。
夜ごはんは宿のキッチンで。
ジョージアは、町のあちこちに量り売りの惣菜屋があり、大変便利です。
毎日晩酌をしながら惣菜を食べるのもジョージアの楽しみの一つでした。
たった2泊の滞在でしたが、これにてクタイシ観光は終了。
次回は、電車に乗って南西部の街バトゥミに移動していきます。
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