【ネパール⑦】エベレスト街道トレッキング7日目から9日目 ~ディンボチェ高度順応、ロブチェ~

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《2023.9.25》
トレッキング7日目です。

朝御飯 チキンヌードルスープ 500NPR。
高山病予防には水分が必須らしいので、汁物メニュー。体も温まり一石二鳥です。

本日の目的地はパンボチェからさほど離れていないディンボチェという集落です。
ディンボチェは標高4410m。
ついに4000m台に突入する為、時間のあるトレッカーは高度順応の為ここに2泊するそうなので、私もそのようにしたいと思います。

お勤め中のヤクたち

山では、馬やゾッキョ、ロバ、標高の高い場所ではヤクなどが荷物運搬に駆り出されています。
その為、トレッキング道はどこも彼らの糞だらけです。

そして、その糞は、この地に暮らす人の貴重な燃料となります。
乾燥させるとよく燃えるようです。
若くてきれいな村の娘さんが、道に落ちているねっちょりした糞を素手で鷲掴みにしてカゴに次々と投げ入れているのを見た時は少々衝撃でしたが、これもこの地で生きていくための知恵なのだと思います。

パンボチェ辺りからは段々と森林がなくなっていきます。
空気がピリッと乾燥して、寒さも増してきます。
個人的には、森林の中よりこういう道の方が好きです。謎の植物アレルギーの症状も収まったし、虫もぐっと少なくなるし、とても気分よく歩けます。

さて、まだ3時間も歩いていないのにすでに目的地のディンボチェ(Dingboche)に到着してしまいました。

完全に日々のペース配分を間違えている感がありますが、ディンボチェには2泊すると決めて来たので今日はここでストップです。

ディンボチェはそこそこ大きな集落です。
ロッジの数も相当多いのですが、5~6軒聞いて回ったところ料金はどこも全て同じでした。

宿泊:一部屋500NPR
ホットシャワー:500NPR
スマホフルチャージ(1回分):500NPR
Wi-Fi:24時間700NPR(専用の時間制PWが書かれたカードを要購入)

以上がディンボチェの価格相場です。

ディンボチェ以降の集落は、どこも充電は有料だしWi-Fiはカード方式になります。
ディンボチェまではなんだかんだLINEのやり取りをするくらいは出来ていたのですが、ディンボチェと次のロブチェでは課金しない限り完全に外界との連絡手段が絶たれます。(その更に上のゴクラシェプは、うっすらNcellの電波が拾えました)

Wi-Fiに課金する気が無い場合は、ディンボチェに行く前に家族や知人に“連絡が途絶えると思うけど探さないでください”と伝えておいた方が無難です。(私は突然LINEの既読が付かなくなったことで友人に軽く遭難疑惑を掛けられました。)

ちなみに私は充電もホットシャワーも課金はしませんでした。
充電は手持ちのモバイルバッテリーで賄えたし、シャワーは持参したサラサラパウダーシートで入念に体を拭いて済ませました。

一番日当たりが良くて暖かそうな宿にチェックイン。(名前忘れた)

午後からは雨降りだったのもあり暇なので、近くのカフェに行ってみました。

CAFE 4410

標高4410mの高地あるとは思えないおしゃれカフェです。
ブラウニー500NPR、ジンジャーティー300NPR。
合計900円程の出費になってしまいましたが、ブラウニーはものすごく美味しかったし、カフェの中は温かくて雰囲気も良く、とてもリラックスできました。

広いカフェの一角では、大きなスクリーンで映画上映もしていました。

上映されていたのは、洋画『エベレスト3D』。
エベレスト登頂に挑んだ登山隊が吹雪で遭難し、日本人女性を含む数名が亡くなるという、実話に基づいたストーリーです。終盤に吹雪の中遭難して凍死する場面がリアルで恐ろしかったです。
これからエベレストベースキャンプを目指すトレッカーたちにこの映画を見せるとは、情け容赦ないチョイスです。

夜御飯 ベジフライドヌードル 650NPR。

ロッジの食堂風景。
実は、これまで宿泊したロッジでは客が私1人しかおらず、寂しい上にストーブもつけてもらえないことが多かったのですが、ディンボチェより上のロッジはどこも人が多く活気がありました。
各国からのトレッカーが情報交換したり、カードゲームをしたりしてとても和気藹々とした雰囲気です。コミュ力が皆無の私は、もちろんその輪には入れず、一人もくもくとヌードルを食べ就寝です。

《2023.9.26》
今日はディンボチェでの高度順応日です。
ディンボチェから日帰りで行ける、チュクン(4730m)という小さな集落までトレッキングに行きたいと思います。

朝御飯 チベタンブレッド 550NPR
ピーナッツバターとジャムにハチミツまで付けてくれるなんて、何て太っ腹なのでしょう。
ちなみに、コップに入った謎の液体は、持参したインスタント粥です。
山のロッジは原則、朝と晩の食事を宿で食べなくてはならず、それを破った場合には宿泊料金が2000NPRとかに跳ね上がります。
外からの飲食物の持ち込みも禁止しているところが多いのですが、宿の食事も食べた上でこのお粥程度を持ち込む分には、どこも快く了承してくれました。(お粥を作る為のお湯も注文してるしね)
インスタント粥は軽量だし、お腹も膨れるし、水分を摂ることで高山病の予防にもなるので大変重宝しました。

チュクンを目指す道の右側には、迫力満点のアマダブラムが見えます。

色とりどりの小さな花もあちこちに咲いていて、幸せな気持ちになります。

チュクン(4730m)到着。
ロッジも数軒あります。
ここに宿泊して、チュクン・リ(5550m)という山を目指すトレッカーもいるそうです。

ディンボチェからチュクンの往復は6時間ちょっとで、丁度良い感じの運動量でした。

晩御飯 ダルバート 850NPR。
寝る前にすこーし頭痛がする気がしたので、高山病の薬の服用を開始することにしました。
と言っても、はっきり症状が出たわけではないので錠剤を半分に割って服用。
この薬は高山病を予防する効果と、高山病の症状を和らげる効果の両方があるようです。
以後、朝夕で半錠ずつ服用していきました。

《2023.9.27》
幸い頭痛もなく、元気に朝を迎えることができました。
心配していた薬の副作用も“少し手足がしびれるかな?”という程度で特に気になりません。

朝御飯 ベジスープヌードル 600NPR。
2泊滞在したディンボチェを出て、最終集落の一つ手前の集落であるロブチェを目指します。

この辺までくると、どの方角をみても美しい雪山が見えます。
そうそう、こういうのを求めていたんです!最高。

途中にある案内板

案内板よりも、横の“MISSING”のポスターが気になります。

エベレスト街道は、年間にそれなりの数の行方不明者が出るようです。
繁忙期はトレッカーも多いのでそんなに心配はいらないと思いますが、道が分かりずらい時や滑落しそうな場所は、一人で進まず他のトレッカーを待ってから同行するなど注意が必要です。

この案内板があるトゥクラという場所からの上りは地獄でした。
距離的にはそんなに長い上りではないのですが、斜面が急な上に酸素が薄すぎて、すぐ息が切れるのです。
息が切れると高山病になりやすくなるらしいので、ゆっくりゆっくり…よちよち歩きの赤ちゃんの方が早く進めるようなスピードで進みます。
出来るだけ無駄な力を使いたくないので脱力気味に、うつろな目をしながらヨタヨタと進む姿は、ウォーキングデッドのゾンビに近いものがあったと思います。
むしろゾンビの方が生き生きしてるかもしれません。

たっぷり1時間以上掛けて坂を登り切った先には、たくさんの慰霊碑が並んでいました。
本来ならその死や足跡に思いを馳せる場所なのかもしれませんが、大変恐縮なことに私にはその余裕がありません。体力が限界突破しかけているのです。

幸いその後の道は歩きやすく平坦でした。
ディンボチェ出発から5時間後、目的地のロブチェ(Lobuche)に到着。
綺麗な水が流れる水場がある小さな集落です。

一番手前にあったNew EBC GUEST HOUSEにチェックイン。

シングルの部屋で、宿泊500NPR。
ホットシャワーは800NPR。Wi-Fiと充電ももちろん有料(高額)です。

「この子、ジングリっていうのよ。」とおばちゃん。

この宿はワンコ天国でした。
写真に写っている以外にも全部で10匹近くいて、宿周辺で放し飼いにされているようです。

眠るジングリ

食堂でくつろいでたら、隣に来てウトウト…破壊力抜群の可愛さです。

宿には誰かが置いていった日本の小説もありました。
お昼寝する子犬を見ながら小説を読むなんて、なんて優雅な時間でしょう。

おまけに、連日トレッキング中に抜きつ抜かれつしている中国人グループが、温かいお茶をご馳走してくれました。

コップが空になるとどんどんお代わりを無限に注いでくれます。ポットのお茶なんて800NPRとかするのに。
温まるし、水分補給もばっちりで至れり尽くせりです。

晩御飯 ダルバートエッグカリー(ダルとごはんおかわり自由) 1200NPR。
ついに一食の値段が1200NPRを超えました。
高い値段を払っていますので、もちろんたっぷりお代わりもさせていただきました。
今のところ食欲もあり、高山病は特に大丈夫そうな感じです。

明日はいよいよ最終目的地の一つ、エベレストベースキャンプ(EBC)にアタックします!

トレッキング記録

7日目
パンボチェ(Pangboche)からディンボチェ(Dingboche)4410m
時間:3時間

8日目(高度順応日)
ディンボチェからチュクン(Chukhung)4730m往復
時間:約6時間

9日目
ディンボチェからロブチェ(Lobuche)
時間:約5時間

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