【ルーマニア⑤】シギショアラからシビウへ&海外から見た日本の文化

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《2024.1.11-12》

シギショアラからシビウへ

おとぎ話に出てくる町のようだったシギショアラから、次の目的地シビウへと移動していきます。
シギショアラからシビウは100キロの距離。
ルーマニア鉄道で、2時間半程サクッと移動です。

シギショアラ駅

着いた時もそうでしたが、シギショアラの旧市街と駅の間は高低差もあって地味につらい道のりでした。
真冬にもかかわらず汗だくになりながら、何とか無事駅に到着。

そして、無事に切符購入。
15時37分発、18時1分着。
運賃は17.5レイ(約550円)。
本当はもう少し早い便が良かったのですが、都合の良いのが無くこの時間に。
シギショアラからシビウへの直行列車は本数が限られているので、町に着いた際に窓口で時間を確認しておくと確実です。

車内は乗ってから降りるまでずっとガラ空きでした。
景色も良く、のんびりしているうちにあっという間にシビウに到着です。

街の中心の大広場を通り、おしゃれな街並みを楽しみながら宿へ。

シビウの宿

シビウで宿泊したのはB13 Hostel

かなり大型のホステルです。
しかし、真冬の閑散期で宿泊者が少なかったため部屋は貸し切り。
パリッとした真っ白なシーツが清潔でとても心地よく、暖房も効いていて大変快適でした。
お値段1泊66レイ(2160円)。

誤解されている日本の文化

さて、到着がすっかり遅い時間になってしまったので、外に出ることもなく宿の共有スペースでくつろいでいたところ、一人の男性に声をかけられました。

彼はポーランド人の船乗りで、航海の間の休暇を利用してシビウに立ち寄ったとのこと。
翌日には仕事に戻らなくてはならないけどアルコールは持っていけないので、手持ちのウイスキーを一緒に飲んでくれないかとのことだったので、了承しました。

私が日本人であると伝えると、彼は“自分がどれだけ日本に興味があるか”ということを熱く語り始めました。

当たり障りのない日本の食やアニメの話から始まった彼の“I love Japanトーク”は、徐々に日本の伝統文化や風習についてという話題に。
自分の母国に興味を持ってくれていることは大変嬉しく、お酒も相まって話が弾みます。

そんな中、彼が満を持したように、こんな話を始めました。

「僕は日本のSHIBARIっていう伝統文化にとても興味があるんだ。」

・・・はて、シバリとはなんぞや??

彼は、こう続けました。

「知らないのかい?昔は忍者も使っていた日本の伝統的な技法だと聞いているよ。」

この時点では私は本当にそのような伝統技法があるものだと思って熱心に彼の話に聞き入っていました。
なぜなら、先日出会った別のヨーロッパ人が、京都の絞り染めの伝統技法のことを「SHIBORIは素晴らしい技法だ!」と言って熱く語っていたことを思い出したからです。
そのため、シバリもきっとシボリと似たような日本の工芸かなにかかな?と思ったのです。

更に彼は続けました。

「SHIBARIはもともと、忍者とかが敵を動けないように縄で結ぶ技だったんだ。
巧妙に結びあげるので、昔は罪人なんかにもSHIBARIが使われたと聞いたよ。
でも現代の日本人はそのSHIBARIの伝統技法を男女の夜の営みに取り入れてるんだろう?」

ん・・・・?ちょっと待って、なんか話の雲行が怪しいw

「男と女が互いに縛ったり縛られたりしながら愛を表現するなんて、日本の伝統はなんて素晴らしいんだ!
ほら、これがSIBARIだよ!」

そう言って彼が見せてきたスマホのスクリーンには、巧妙に縄で縛り上げられた全裸の女性が写っていました。。

興奮した彼の話は続きます。

「実は前々から僕も一度経験してみたいと思ってたんだ!僕は船乗りだから、丁度仕事で使う紐が部屋にある。そして、幸い僕のドミトリー部屋には今夜僕以外の宿泊者はいない。
ねぇ、一緒にSHIBARIを試さないかい?

・・・・。

「Yes!」って言うとでも思ってるのかい?このすっとこどっこいがっ・・・・!

結局、彼には「それは断じて日本の伝統文化ではないし、一般の日本人は日常にそのような行為を取り入れていない」ということを重々言い聞かせ、解散しました。

その後部屋に戻り恐る恐るGoogleで“Japanese Shibari”と画像検索してみると、まぁ如何わしい画像が出るわ出るわ・・・。

海外では主に日本のカルチャーとして食文化やアニメが有名なようですが、その裏では日本のアダルト業界も密かに注目を浴びているようです。
どうか、“日本の女性はああいうのが好きなのか”という誤った認識を持たれないことを祈るばかりです。

シビウちょこっと街歩き

怪しげな話ばかり書いて終わるのもシビウに失礼なので、シビウの街の様子についても少々書いておこうと思います。

とは言っても、シビウ滞在中は天候がすぐれず、あまりしっかり街歩きをしていないので、そんなに書けることも無いのですが。

シビウは、シギショアラやブラショフと同様に、ドイツ人(ザクセン人)によって拓かれた街です。
街の規模はそこそこ大きく、シギショアラから来るとかなり大きな街に辿り着いた感があります。

街の周囲には古い城壁や塔が残っているエリアもあり。

2レイ(70円)くらいで中に入れる塔があったので入ってみました。
特に印象に残るようなものではありませんでしたが、ここで中世の時代に人々が街の警護に当たっていたのかと思うと趣があります。

街の少し外れに蒸気機関車博物館(Sibiu Steam Engines Museum)なるものがあり、無料で見学可能とのことなのでそちらにも行ってみました。

一応、場所はこちらです。
歩くと意外と遠く、線路沿いの目立たない場所にあるため少々道に迷いました。

敷地内には、古い蒸気機関車が大量に展示(というか放置)されていました。
特に説明等があるわけではないので、これらがいつの時代にどこで活躍したものなのかは全く分からず。
広い敷地の中、ボロボロの機関車と機関車の狭間を彷徨い、少々気分が暗くなりました。
ここは、よほどの鉄オタじゃない限りわざわざ足を運ぶ必要はないのではないかと思います。

シビウの街で誰もが知る有名なスポットが、上の写真の通称“嘘つき橋”。
どこから見ても何の変哲もないただの橋なのですが、『この橋の上で嘘をつくと、橋が崩れ落ちる』という伝説があり、市長もこの橋の上で公約をしたことがあるのだとか。

人間は狡猾な生き物ですから、もしその伝説が本当なら、もう橋など跡形も残ってなさそうな気もします。
この橋の上で「君のことを一生愛すると誓うよ」とか言ったのに別れたカップルとか、たくさんいそうな気が・・・・おーっと、余計なことを考えました。
これだから、独身こじらせ女は。

橋よりも気になるのは、その後ろにある家の屋根についている目のようなものです。
こちらの方がよほど嘘つきを懲らしめる効力がありそうです。

これはシビウの古い家の多くに見られる明り取りの窓だそう。

街中、あっちからもこっちからも、じっとりとした視線を感じます。
天気の悪さも相まって、とても不気味。

夜は、ルーマニアの国民食“ママリガ”を食べました。
すごく美味しいというわけでもないのに、何となくまた食べたくなる不思議な食べ物です。

そんな感じで、シビウ観光はあっさりと終了。

これにて、10日間近く滞在したルーマニアの旅は終了です。

大して予備知識もなく何となく訪れた国でしたが、独特の歴史を持っていたり、中世の街並みに魅了されたりして、すっかりその魅力に取りつかれてしまいました。
またぜひ再訪したい国です。

次回は、バスでハンガリーのブダペストへと南下していきます。

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