《2023.10.20》
本日は、アーメダバード(アフマダーバード)から日帰りで行ける世界遺産に行ってみたいと思います。
その名も、ラニ・キ・ヴァヴ。
ヴァヴとはこの地域の言葉で“階段井戸”を指す言葉で、ラニキヴァヴは“王妃の階段井戸”という意味のようです。
以下、解説を少々。
ラニ・キ・ヴァヴ
階段井戸の多く残るインドのグジャラート州で、最大級かつ最古の階段井戸。
11世紀に、亡くなった王を偲んで当時の王妃により建設された。
13世紀に川の氾濫により埋もれ、20世紀まで本格的な調査は行われてこなかった。
しかし、発掘調査後その建築的な価値や芸術性の高さが認められ、2014年に世界遺産への登録が認められた。
…一点良いでしょうか。
インドってやたらと、“亡き妻を思って“とか“亡き夫を偲んで”みたいな建築物が多い気がするんですが、墓とか似顔絵とかならまだしも、『階段井戸』の建設と夫の死を偲ぶことにどういった関係があるのでしょうか?
結局のところ、権力者がパートナーの死にかこつけて、自分のやりたいようにやっただけの気が…
って、こんな捻くれたことばかり言ってるからお嫁に行けないんでしょうね、私は。えらいこっちゃ。
さて、ラニ・キ・ヴァヴの階段井戸はアーメダバードの町からバスで3時間程のパータンという郊外にあります。
行き方情報が少なく、手元にある地球の歩き方(2018)にも一切情報が無かったので宿のスタッフに尋ねたところ、パータンへはGeeta Mandir new Bus Standという場所からバスに乗れるとのこと。
その情報を信じて早速行ってみたいと思います。
はい、こちらそのバススタンドの建物です。
案内表示なぞヒンディー語で全く読めないので、その辺の人に手当たり次第聞き込み作戦。
はじめ目的地を「パタン」と発音していたら全く通じず、なんでだろう…と思って試しに「パータン」と発音してみたら、集まっていた群衆全員にたちまち通じました。
「あ~、、パータンのことね!!!」みたいなかんじで。
あの、そんなに大きな違いですかね?皆さん察しが悪すぎませんか?
皆さんに教えてもらったところによると、パータン行きのバスは、40分後。
そんなに頻発している訳ではなかったみたいですね。でもバスは言われた通りきっちり40分後に発車しました。
まだそんなに経験豊富じゃないけど、インドのバスはネパールのバスに比べたら遥かに時間を守る印象。
バスはエアコンなしでしたがなかなか綺麗で快適でした。
片道のお値段124ルピー。
バスは、きっかり3時間でパタンのNew Bus Stationに到着しました。
バスステーションからラニキヴァヴまでは徒歩1時間ちょっと。
歩けない距離ではありませんがタイムロスが痛いので、不本意ですがトゥクトゥクをひろいます。
少し歩けばいくらでも客引きが声を掛けてくるので、トゥクトゥクに困ることはありません。
無事に乗車し、10分ちょっとで念願のラニ・キ・ヴァヴ到着です。
しかし、降りる時点になり、トゥクトゥクドライバーは「はい、じゃあ300ルピーね!」とまさかの金額を吹っ掛けてきました。(相場は60~70ルピーくらい)
実は、乗る時に「いくらで行ってくれますか?」と聞いたものの、ドライバーは“ぼく、英語分からないよ”という顔で首をかしげるばかりで値段交渉が出来なかったのです。
他の乗客も数名乗っている相乗りのトゥクトゥクだったので吹っ掛けられる可能性も低そうだし、“まぁいいか!”と勢いで乗ってしまったのが大間違いでした。
300ルピーはありえない!100しか払えません!と抗議したところ、ドライバーは流暢な英語でペラペラまくし立て始めました。
てめぇ!!めちゃめちゃ英語話せんじゃねーか!猿芝居しやがって。
結局、最後まで300ルピーだ!と言い張るドライバーに100ルピーだけ叩きつけ、小走りでその場をあとに。
ドライバーは追いかけてくることはありませんでしたが、心はもやもや。
ドライバーへのイライラと共に、心の奥で少しだけ“事前に値段交渉をきちんとしなかったのに言い値を払わないのはまずかったのでは?”という罪悪感もあり…。
そんな状態で到着したラニ・キ・ヴァヴのチケットオフィス。
事前の情報(byトリップアドバイザー)によると、入場料は200ルピーのはず…
・・・・・あれ?
外国人料金600ルピー!!!!!!※2023年現在
3倍の値上げって!
しかもインド人は40ルピー。15倍ってあなた…。
私がネットで色々な記事を読んだ限り、2023年の正確な入場料を書いているサイトは見当たりませんでした。
しかし皆さん、もう一度言いますが、ラニ・キ・ヴァヴの入場料は600ルピーです!
何とも癪に障りますが、3時間以上も掛けてたどり着いたのに入場しないという選択肢はありません。
きっちりお支払いして、入場いたします。
入場ゲートを抜けると、そこには無駄に広い芝生が広がっています。
“もうそれ以上刈れないと思うけど?”ってくらい短い芝を、職員が更に丁寧に刈り込んでいます。
スプリンクラーも回っています。インドにスプリンクラーあったんだ…。
敷地のあちこちではインド人グループが楽しそうにピクニックをしています。
ねぇ、この必要以上に手入れされたものっすごい広さの庭、どこから予算出ているんでしょうね?
あ、そうか、入場料600るp・・・・
すみません、気持ち切り替えます。
さて、広い芝生をしばらく歩くと、見えてきました!
ラニ!
キ!
ヴァヴ!!
おぉ、なかなかの迫力。
アーメダバードのダーダハリ階段井戸より遥かに大きいです。
7層構造になっているそうで、かつてはダーダハリのように天井がついていたのではないかと思われます。
長方形と円形が繋がった形になっているのもダーダハリ階段井戸と同じです。
見た目は井戸というより完全に神殿のようです。
階段を下りていきます。
一番下まで降りて周りを見た時、“息をのむ”とはこういうことを言うんだな…と感じました。
伝わりますでしょうか、このとんでもない世界。
壁も天井も柱も全て彫刻で埋め尽くされています。
その細かいこと。
もはや、繊細だとか芸術的だとかいうレベルを飛び越して、クレイジーです。
彫刻はヒンドゥーの神々をモチーフにしたものが多いらしく、その数は全部で1500にものぼるんだとか。
上の写真の真ん中の方は、ヒンドゥー教の3大神の一人であるヴィシュヌ神のようです。
ということは、そのお隣にいる“シェー”のポーズの方は奥様のラクシュミー様…?ではないか。
あら、ぽっちゃりドラえもん体型。
お腹の肉付きのリアルさが半端ありません。
髪型的に仏陀様な気がするのですが違うかな?(ヒンドゥー教では仏陀はヴィシュヌの化身とされています。)
これは、誰?イノシシのような頭に人間の体…。
そしてその左隣の女性、完全にま…真っ裸!!!
絶対、この真ん中の神様の写真撮るフリして全裸の彫刻激写してるインド人男子いる気がします。
牛に乘っているのはたぶんシヴァ神でしょうか。
本当に、目を疑うような超絶技巧です。
これが1000年も前のものだなんて、にわかには信じられません。
上から見た図。
中にいる人と比べると、井戸の大きさが分かると思います。
そして、写真にはうまく映らなかったけど、この円形の部分も上から下まで彫刻がびっしりです。
敷地内の見どころはこの階段井戸一点のみですが、結局1時間以上見学しました。
大満足です。
ちなみに、敷地を出て徒歩数分の所にはさびれた博物館があり、そちらの入館料は50ルピーです。
(私は入らず。)
帰りは、来た時と同じパタンのNew Bus Stationからバスにのります。
来た時の嫌な記憶が頭をよぎったのでトゥクトゥクには乗らずとぼとぼ歩いていたところ、通りすがりの原付のおばさんが「どこに行くの?」と心配して止まってくれました。
アーメダバード行きのバスに乗りたいからバスステーションまで歩いていると伝えたところ、「ちょうどそっち方面行くから乗っていきなさいな!」って。
捨てる神あれば拾う神ありというやつです。(捨てられたわけじゃないけど)
おばちゃんはバスステーションの前まで送ってくれ、いくらかお礼を渡そうとしても「何言ってんのよー!」という感じで全く受け取ろうとしませんでした。
本当に、人って色々。インド人も色々です。
帰り道は渋滞していたためか行きより時間がかかり、4時間近くたってようやくアーメダバードのバスステーションに到着。
往復7時間は日帰りにしてはなかなかの距離だし、入場料600ルピーはやっぱり高すぎだと思うけど、結果見に行って良かったです。
次回は、インド旅で一番楽しみにしていた有名世界遺産を見に行くべく、南のオウランガバードへ移動していきます。
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コメント
相変わらず楽しく読ませてもらっています。
アーメダバードにこんな素晴らしい場所があったんですね!
いつもお読みいただきありがとうございます!
ラニキヴァヴは富岡製糸場と同じタイミングで世界遺産になったそうです。その前は外国人の間ではあまり知名度が高くなかったのかもしれません。
あぁ、本当に毎度面白いです。笑
1週間後にインドに行きますが
ハードルがおかげさまで下がっておりまして楽しみになっています🥰
ありがとうございます✨
もうすぐインドに行かれるんですね!
インドは色んな事が待ち受けていますよー!
イラつくことも山ほどあるかと思いますが、ぜひ楽しんできてください^^
体調と事故と詐欺にはお気をつけて、、、!