《2023.12.8-9》
さて、バトゥミからトルコのイスタンブールへバスで移動していきます。
バトゥミはトルコ南西部の街の為、トルコとの国境はすぐそこです。
しかし、イスタンブールは広いトルコの中でも北西部に位置するため、両都市間の距離はなんと約1400キロ。
これは、青森県から山口県まで本州を丸々縦断するのとほぼ同距離。
なかなかハードな移動です。
通常、ジョージアからトルコに陸路で移動する旅人さんは、トルコ東部の町トラブゾンやエルズルムなどを目指し、そこから徐々に西に旅をしていくのが定番のようです。
しかし、私は数年前にトルコを旅したことがあり、カッパドキアやパムッカレなどトルコの主要観光地は既に行ったことがあるので、今回はトルコには長居せずに速やかにヨーロッパに抜けてしまおうという作戦です。
バスチケット購入
バスのチケットは前日のうちに購入しに行きました。
購入した場所は、Batumi Intercity Bus Stationという旧市街から徒歩圏内のところです。
バスステーションは、そのかっこいい名前からは想像もつかないくらいボロボロでした。
小さなバス会社のオフィスが並んでいて、その内のいくつかはイスタンブールまでのダイレクト便を運航している模様。
聞き込みを行ったところ、料金はどこも同じで100ラリ(約5700円)とのことでした。
今までのジョージアの交通費を考えると割高に感じますが、20時間以上の乗車時間と1400キロという距離を考えると悪くないお値段です。
どのバス会社でも良かったのですが、一番対応がしっかりしていたLUKS KARADENIZというバス会社で翌日分のチケットを購入。
あとから確認したところ、ネットでも時間の確認やチケットの購入が可能なようです。
支払いは現金のみで、メモ書きのような手書きのチケットをもらいました。
“集合場所はこのチケットオフィスで大丈夫!14時半発だから14時までに来るように”とのことなのですが、こんな鄙びたおんぼろバスステーションに、大型の国際バスなど来るのでしょうか。
チケットも手書きのメモみたいな紙だし、不安が募ります。
しかしまぁ、心配しても仕方ないのでオフィスの人の言葉を信じて、翌日出直すことといたします。
バス乗車
はい、翌日。
心配した通り、やはりこのボロバスステーションに大型バスは来ませんでした。
待っている客も私一人なのでおかしいと思って焦っていたところ、バス会社の人の知り合いだという誰だか分からないおじさんが車で迎えに来て、“バスのピックアップポイント”だという国道沿いの道端に一緒に行く運びとなりました。
その道端でおじさんに付き添われ30分程待機していたところ、本当にバスが来て何とか無事に乗車することが出来ました。
おじさん、最後まで手を振って見送ってくれたけど、あなたは一体誰なの。
私がバスに乗った時点で、席は一席を除いて全て埋まっていました。
あとから分かったことですが、このバスはバトゥミの鉄道駅の隣にある新しいバスターミナル発だったようです。
そちらの新しいバスターミナルには、トルコの最大手バス会社であるMETROのオフィスなどもあるようなので、バトゥミからトルコにバス移動を検討される方は初めからそちらに行った方が無難かもしれません。
場所は↓の地図参照。
乗ったバスはメルセデスのとても立派なバスでした。
ジョージアからトルコ国境越え
バスは走り出して30分程でトルコとの国境に到着。
バスを降り、全ての荷物を持ってイミグレの建物の中へと進みます。
ジョージアとトルコ、両国のイミグレは大きな一つの建物の中にあります。
ジョージア側のイミグレを通った後は一応免税店もあり、他の乗客の方たちはこぞってたばこや酒を購入していました。
このサルピ国境は混んで待たされることで有名らしいのですが、私が通過した際は全く混んでおらず大変スムーズでした。
トルコサイドの外から見たイミグレ。
ここのATMでお金をおろしておかなかったことを、後で大変後悔することになりました。
この国境からイスタンブールまでは20時間ほどの道のりなので途中で何度か休憩所に停まったのですが、トルコの公共トイレはどこも有料の為、現金がないとトイレに行くことが出来なかったのです。
見かねた他の乗客の方がトイレ代を払ってくれた為事なきを得ましたが、あの親切な人がいなかったら最悪の事態になっていたかもしれません。
そもそもなぜイミグレでお金を下ろさなかったかというと、バスに置いて行かれないか心配だった為なのですが、その心配は全く要りませんでした。
バスが国境を越えトルコ側に出てきたのは、私や他の乗客たちがイミグレを抜けた30分以上後でした。
もし同じルートのバスに乗る方がいらっしゃいましたら、イミグレで必ずトルコの通貨をゲットしておくことをお勧めいたします。
一路イスタンブールへ
イミグレ通過後、バスは数度の休憩以外で止まることはなく、快調に走り続けました。
一見何の問題もない順調なバスの旅。
しかし、一番前の座席に座っていた私には見えていました。
運転手が走行中にも関わらず左手に煙草、右手にスマホを持っている様子が。
しかも、一瞬だけとかではなく基本ずっとこの状態。
日本なら、懲戒免職はもちろんのこと道路交通法違反で懲役刑に処されるレベルの超危険運転ですが、この国ではこれは大丈夫なのでしょうか。
いや、これは法的に大丈夫かとかの問題ではなく、人としてやってはいけないことなのではないかと思います。
何十人もの乗客の命を乗せているのですから…。
恐怖と煙草の匂いで一睡もすることが出来ないままバスはどんどん進み、やがて夜が明けていきました。
イスタンブール到着
バスは幸い事故を起こすこともなく、無事にイスタンブールに到着。
バトゥミでバスに乗ったのが15時頃、イスタンブールに着いたのが翌13時頃なので、計22時間かかったことになります。
バスは、イスタンブールのAksarayという駅の近くの路上に停まりました。
地図を見たところ予約した宿までは歩けなくもなさそうな距離でしたが、運悪く大雨だったためおとなしく市内を走るトラムを利用することに・・・。
イスタンブールの公共交通機関を利用するためには、イスタンブールカードというSuica的なカードが必要です。
駅の券売機でこのカードを購入しようとしていたところ、物乞いの少年が素早く横から割り込んで画面をタッチし、私が口を挟む間もないくらいあっという間に決済画面まで進めてくれてしまいました。
少年は、“カードを買うのを手伝ったのでお金をくれ”と必死に懇願してきます。
…ごめん、私、出来れば自分で操作したかった。
全部勝手に選択されたので、カード本体がいくらでそこにいくらチャージされたのか、よく分からななかったじゃないか。
券売機の言語設定に日本語あったし、全然困ってなかったのに…。
まとわりついてくる少年を振り払ってトラムに乗り宿へ向かいます。
心を痛めるどころか、苛立ちを感じている自分が残念でなりません。
疲れた上に雨に打たれ、心が随分疲弊してしまっているようです。
予約したのは、有名観光地であるアヤソフィアから徒歩5分という抜群の立地のホステルでした。
※料金も手頃で大変良い宿だったのですが、現在は残念ながら閉業してしまったようです。
疲労困憊の為、イスタンブール初日はこれにて終了。
明日は晴れることを祈りつつ、この日は早々と眠りにつきました。
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