【ネパール⑧】エベレスト街道トレッキング10日目・11日目 ~ゴラクシェプ・EBCそしてカラパタールへ~

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《2023.9.29》
トレッキング10日目の朝。

朝御飯 ベジヌードルスープ600NPR。

今日からいよいよ、2日間に分けて最終目的地にアタックしていきます!
予定は以下の通りです。

1日目(今日):今いるロブチェから次のゴラクシェプに行き、宿を確保して荷物を置く。
      そしてエベレストベースキャンプにアタックし、ゴラクシェプに宿泊。

2日目(明日):ゴクラシェプからカラパタールへ。
       カラパタール登頂後ゴラクシェプの宿で荷物をピックアップし、下山開始。

今日は余裕を持ってベースキャンプに行きたいので、朝は早めに7時半に宿を出発。
“こんなに早く出発出来るなんて、優秀!”と思いきや、他のトレッカーたちは日の出と同時にとっくに出発していました。
今日泊まるゴラクシェプは宿が数軒しかなく、部屋は争奪戦状態になるんだそうで、その為みんな早く出て行ってしまったようです。

ロブチェからの道は草花も段々と減り、岩がゴツゴツとした道になります。
道が分かりにくい箇所も所々あり、他のトレッカーたちに置いていかれた身としては少々不安です。

そんな中、初めて日本人トレッカーに遭遇しました。
彼は既に登頂を終えてこれから下山するとのことでした。
「道もそんなに難しくないし、高山病にさえならなければガイド無しでも余裕っすよ!」とアドバイスしてくれた彼の横には、ばっちりガイドが寄り添っていました。言葉の信憑性が疑われます。

途中、見晴らしの良い丘があり、写真撮影&休憩をしている集団に追いつくことができました。
ここまで来ると、周りのトレッカーも大体顔見知りになってきます。
「遅かったねー。体調大丈夫?」なんて声かけてくれる人もいて、ありがたい限りです。

ロブチェからゴラクシェプは、距離も傾斜も大したことはないのですが岩がゴツゴツした道ばかりなので大変歩きにくいです。
標高は既に5000mですが、「標高なんて上げてないよ?」と己の体を騙すようにして、ゆっくりゆっくりダラダラと上っていきます。

ロブチェを出てから約3時間、ゴラクシェプに到着です。
写真の左側に写っている建物が数軒ある場所がそれです。

一番手前にあったHIMALAYAN LODGE & RESTAURANTにチェックイン。

部屋があるか心配しましたが、大丈夫でした。
ダブルの部屋で700NPR。
Wi-Fi、充電はもちろん有料(なので使わず)。
ホットシャワーに関しては、もはや存在すらしていませんでした。

時刻は10時半。宿に荷物を置き、早速エベレストベースキャンプへ向かいます。

辺り一面山だらけで、どの方角を見ても絶景です。

右側にクーンブ氷河が見えます。

ゆっくり歩くこと2時間弱…
開けた場所に人が集まっているのが見えました。

最終目的地の一つ“エベレストベースキャンプ”です。

到着した時の感想としては『へ??ここ?』という感じでした。

それまでの道のりを考えると、あまりにあっさりと着いてしまったものですから…。

他の方のブログ等拝見すると、↑の目印的な岩もこんなんじゃなかった気が。
“ほんとにここ、エベレストベースキャンプ?”と半信半疑で、思わず周りの人「ここって、エベレストベースキャンプですよね?」と確認してしまいました。
そして“そうに決まってるじゃん…何言ってるの?”という目で見られました。

エベレスト登頂を目指す登山家さんたちは、ここにテントを張って拠点をつくり頂上を目指すんだそうです。
私にとってはゴールであるこの場所も、プロの登山家の方たちにとっては逆にスタート地点なのです。
既に息苦しくてつらいこの地点から更に高度を上げていくなんて、なんてどM…おっと口が滑るところでした。

この岩に登って記念撮影をするのが定番のようです。
私も登って撮ってもらおうかな…なんて思っていたら、おばさんトレッカーが足を滑らせて岩から落ちました。それを見た瞬間、私は岩に登ることを速やかに諦めました。

なかなかの人だかり。

そして、ベースキャンプの背後にあるはずの山々は雲に隠れてほぼ見えず。
まぁでも良いのです。
ベースキャンプからはどっちみちエベレストは見えないらしいのです。
景色よりもこの地に到達できたことに価値があると思うし、大変満足しましたのでゴラクシェプに戻ります。

晩御飯 チキンスープヌードル 800NPR。
チキン味のスープですが、チキンは一切入っておらず、というか具が一切無く、麺もかなり少なめ…

全然お腹いっぱいにならないので、お湯を注文して、下界から持参してきていた春雨ヌードルも食べました。
例によって、馴染みの中国人グループが温かいお茶もたくさん飲ませてくれました。ありがとう。

ところで、他の方のブログなどで、“ゴラクシェプは飲み水がもらえない”という情報を数多く見ました。
その為私はロブチェでたくさん水を汲んできていたのですが、この宿に関してはキッチンに頼めば無料で水をくれました。
若干浮遊物が浮いてる感じでしたが、洗浄タブレットを使って飲んだところお腹は壊しませんでした。
1本500NPRのミネラルウォータ―を買う覚悟だったので、嬉しい誤算です。

ロッジには、頭痛がするのかぐったりと元気をなくしている人がちらほら見受けられました。
それもそのはず、ゴラクシェプの標高は5170mなのです。
私はというと、それなりにしっかり頭痛の症状が現れています。
しかし、吐き気や倦怠感、息苦しさなど頭痛以外の症状は特にありません。
ひどくなると困るので、ここまでは半錠のみ飲んでいた高山病の薬を1錠飲んでから就寝です。

《2023.9.30》
昨夜は、“寒いし頭痛もするのでよく眠れないかな…”と思いきや、めちゃくちゃよく眠れました。
高山病の症状も特に問題なさそうです。

さて、最後の目的地カラパタールは、日の出を見るために夜明け前に登り始める人が多いそうです。
早朝4時、外からは続々と出発していくトレッカーたちの声が聞こえます。

“日の出が見たくない訳じゃないけど、寒いの嫌だな…眠いし暗いし…だる”と思いながらカーテンを開けると、外は小雨が降り霧が。

それを見た瞬間私は、“じゃあしょうがないねー、本当は出発したいけどぉ、この天気だしぃ?”と言い訳しながら速攻でベッドに引き返しました。あくまでも仕方なくです。
軽く二度寝をかまして、日が昇り始めた早朝6時ごろ宿を出発。

カラパタールへの案内板

幸いにも霧は晴れ、天気も回復してきました。

カラパタールへは、ゴラクシェプの傍にある急な上り坂をひたすら上っていきます。
距離は大したことありませんが、険しい上りが続くのでかなりつらい道のりです。

途中、日の出を見に行った先発隊とすれ違いました。
「エベレスト見えた?日の出は?」と尋ねると、「うーん、まぁ…」と冴えない返事だったので、あまりなにも見えなかったのかもしれません。

上り坂の中盤で背後を振り返ると、丁度山から太陽が出始めたところでした。

太陽が山から顔を出すと、今まさに歩いている山の斜面がパーッと明るく照らされていきます。
そしてその瞬間、地面を覆っていた霜が溶け、蒸気になって空に昇っていきます。

その光景の美しいこと。
あぁ、来て良かった。
そして生きていて良かった。

そして出発から2時間、カラパタール(5545m)登頂成功!!!!

残念ながら、頂上に着くころには雲が出始めてエベレストは結局どれだかよく分からなかったけど、それでも大満足です。

思えば今までの人生、何事もろくに最後までやり遂げてこなかった。
習い事は全て中途半端なままやめたし、学生時代の部活も友達に誘われて何となく入っただけだった。
いつも、自分より優れた誰かを羨んでた。
でも羨むばかりで、自分の中できちんと目標を決めることもしなかったし、それに向かって努力しようとすることもしなかった。
努力していないから、失敗した時の悔しさも無かったし成功した時の達成感もほとんど味わったことがなかった。

そんなふうに過ごして来た私にとって、この登頂成功は人生最大の達成感だったかもしれません。

今まで、登山が好きな人の気持ちがよく分かりませんでした。
つらいし、どうせ下りるのになんで上るの?くらいに思っていました。
でも、今なら何となく、その気持ちが少しだけ想像できます。
頂上から見える絶景の為に、それを見た時の達成感のために、目標達成できた自分を誇るために、みんな山に登るのかなぁ…と。

今回のトレッキングは、『目標を決めてそこに向かって努力し、それを達成する』という今までの私の人生に足りなかったプロセスを教えてくれた気がします。(人生の目標は今も見失ったままだけど)

山に感謝。
自然に感謝。
親切にしてくれた山の人たちに感謝。
気に掛けてくれた周りのトレッカーさんたちに感謝。
健康な自分の体に感謝。
健康な体に産み育ててくれた親に感謝。

本当に、みんなありがとう。

そんな気持ちで山を後にしました。

さぁ、目的達成したので、あとは下るのみ!!
次回、一気に下山していきます!!

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コメント

  1. ゴン より:

    いつも懐かしく読ませてもらってます。エベレスト街道トレッキングお疲れさまでした。それにしてもガイドもポーターもつれず荷物を背負ってのトレッキング、凄いですね。
    30年近く前に行った記憶をもとにすると、日の出の写真で太陽の左の奥の三角形の山がエベレストではないですか?右の尖ったピークがヌプツェかな?
    カトマンズへ戻るまで気を抜かないようにお気を付けてください。

    • SACHIE より:

      お読みいただきありがとうございます!
      30年前だと街道沿いの集落の様子なんかも少し違ったりするのでしょうか。
      でも山はきっと30年前も変わらず美しかったでしょうね^^

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