カトマンズからインドのアグラへ ~ダイレクトバスで陸路入国~

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《2023.10.9-10》
居心地が良くすっかり長居してしまったネパールを離れ、インドに向かいます。

目指す目的地は、インドの一大観光地、アグラ。タージマハルで有名な街です。
両都市間の移動方法として最も早くて楽なのは、飛行機(カトマンズ→デリー)+列車(デリー→アグラ)という方法なのですが、もちろん金額的にはお高くなります。
陸路でカトマンズから国境まで行き、国境を越えてからバスを乗り換え、その後インド内で更にバスか列車を乗り継ぐ…という方法が最も安上がりですが、何度も乗り継ぐのは面倒だし、おそらく国境付近で1泊しなくてはいけなくなる…。
しかもインド入国後インド鉄道に乗ろうにも、直前ではアグラ行きチケット取れるか不明だし、バスに至ってはあるのかどうかすら不明。

“なんか気が重いな…”と思っていたところ、朗報が舞い込みました。

カトマンズからアグラまでノンストップで行ってくれる『ダイレクトバス』なるものがあるというのです。
※国境ではイミグレに寄ってからまた同じバスに乗る。

カトマンズからアグラまでは30時間くらいの道のりらしいですが、乗り継がなくて良いのはかなり楽なはず。

これは乗らない手は無い!ということで、早速カトマンズのタメル地区のツアーデスクに行きチケットを購入しました。
ツアーデスクのおじさんによると、このバスは本来はカトマンズからデリーまで行くんだけど、アグラはその通り道なのでアグラで降りることも可能とのこと。※料金はデリーまで行く場合と同様。

イミグレできちんとバスが待っていてくれるのかが心配でしたが、“インドのビザを持っていればイミグレで待たされることも無いだろうし、問題ない”とのことでした。

チケットは5300NPR(6000円くらい)でした。
あとから分かったことですが、バス会社から直接買えば4800NPRです。

バスは朝7時出発とのことだったので、6時半過ぎに集合場所であるバス会社へ向かいました。

朝焼けが美しいカトマンズの町をあるいて、バス会社に到着。

バス会社 United Nepal Manjushree。HPもあり、催行しているバスの情報確認やチケット予約が可能。

バス会社は、モンキーテンプルの近くにあります。
この辺には他にもいくつかバス会社があり、それぞれ長距離バスを運行しているようです。

乗車の前に、パスポートを提出して手続きを行いました。

こちらが乗車するバス。


綺麗ではないけど窓もドアもあるし、シートは壊れてないし、許容範囲です。

事前に、「7時には出発するから余裕を持って集合場所に行ってね!遅れないで!」と聞いていたバスは、8時になっても全く出発しませんでした。

そして、8時30分頃ようやく出発したバスは、走り出して10分程で整備場に立ち寄り、そこで1時間以上メンテナンスをしました。

断っておきますが、私はネパールが大好きです。
人は優しいし食べ物は美味しいし景色は綺麗だし。
でも一言、言わせて。ネパール人、時間にルーズすぎるのよ。
なぜ出発の前に整備しておかないの?どうせ出発出来ないならはじめから集合時間遅らせればいいのでは?

同じバスに乗っていたインド人の皆さんは、「これはインドよりひどい!インドでもこんなことはない!」と怒り心頭していました。
うーん、それはどうかな。

整備場を出た後も、
乗客に配る水を買いに商店に立ち寄ったり(←事前に済ませといて。)
運転手さんのごはんを買いに立ち寄ったり(←いい加減にして。)
結局カトマンズを出たのは朝10時ごろ。
5時起きして6時半に集合場所に行った意味…。

しかし、出発まではイライラが止まらなかった国境越えバスは、走り出してしまえば快適でした。
例によって道はガッタガタのぼっこぼこでしたが、それはもう慣れたもんです。
座席は一人2席使わせてもらえたので窮屈ではないし、外の景色を見ながらぼーっと過ごしたり昼寝をしたりくつろぐことが出来ました。

さて、走り出して約12時間後、夜の10時前くらいにバスは国境の町、スノウリに到着しました。

バスは、ネパール側のイミグレの前をあっさりと通過。
え…?ネパールの出国スタンプ…と思っている内に、バスはインド側の国境ゲート付近に停車しました。
皆ぞろぞろと降りていくので、私もそれに従います。

手荷物検査を通過したところで、私のパスポートを見たインドの手荷物検査のスタッフと、バスの運転手が何やらざわつき出しました。
どうやら、『こいつは日本人だからネパール側のイミグレ行かなきゃダメじゃん』という話をしている模様。

ですよね。
私も思ってました。
なんなら、もっと早く自ら申し出るべきでした。
でも、話しかける間もなく問答無用でここまで連れてこられたので言えなくて。

実は、インド人とネパール人に関しては、両国の行き来が簡単に出来るように手続きが簡素化されている為、彼らはネパール側のイミグレに行く必要は無いのです。
バスに乗っている外国人は私一人なので、ネパール側のイミグレに行かなくてはいけないのは私だけです。

早速、ネパール側のイミグレに向かいます。
バスの運転手が、その辺にいたリクシャーをひろって一緒にネパール側のイミグレまで行ってくれました。
夜遅いので閉まっているのではと心配したネパールのイミグレは開いていて、無事に出国スタンプをもらうことが出来ました。
これで晴れてネパール出国!1か月のビザをきっちり使い果たしての出国です。
さよなら、ネパール!いつかまた来ます。

ネパールのイミグレを出た後は、引き続きバスの運転手に付き添われ、インド側のイミグレへ。
他のバスの乗客はすでにインド側のイミグレでパスポートチェックを受けている真っ最中だったため、
合流して、さぁ私もパスポートチェックを…

しかし、ここで事件は起きました。

私のパスポートを見て、鬼のような形相になるインドのイミグレ職員。
そして放たれた衝撃の一言。

「このバスはネパール人とインド人専用のはずだ。なぜ日本人が乗っている?おまえがこのバスで国境を超えることは許可できない。バスを降りろ。

えーーーーーー!!

イミグレ職員のインド人によると、国境越えバスはイミグレで通行の許可を得るための書類を提出することになっており、私が乗ったバスが提出した書類には“インド人とネパール人専用”という旨が記載されているとのこと。
だから私をここから先通すわけにはいかないと。

これは反撃しないわけにはいきません。

知っていて乗ったならまだしも、ツアーデスクのおじさんもバス会社の受付嬢もそんなことは一言も言っていなかったし、こっちはお金もすでに払っているのです。
何より、こんな夜遅くに何もない国境に置き去りにされたのではたまったものではありません。

私「宿も無いし、ここに置き去りにされても困ります」
イミグレ職員「それはおまえの問題だ。自分で解決しろ」
私「インドまでのチケット代もすでに支払っています」
イミグレ職員「そんなことは関係ない。バス会社に確認しろ」
私「私はチケットを買う時、外国人でも問題なく乗れるか確認をしましたが、彼らは大丈夫だと言いました。そしてバス会社は私を日本人だと知った上でバスに乗せました。インド人とネパール人専用だなんて全く聞いていません。」
イミグレ職員「知らん。ダメなもんはダメだ。」

イミグレとは名ばかりのボロボロの小屋の照明には、人生で見たことないくらいたくさんの虫がたかっていました。
親の仇でも見るような目で私を睨みつけてくるインドのイミグレ職員。
天井の照明からボトボト降ってくる大量の虫。
床を歩き回る巨大ゴキブリ。
私とイミグレ職員を取り囲む他のバスの乗客の視線。

あぁ、ここは地獄だ。私、地獄に来てしまったんだ。

ほぼ諦めてヤケを起こしかけたその時、バスの運転手が何事かをイミグレ職員に現地語で話し出しました。
どうやら、“バス会社の責任者に連絡を取るので話してみてくれないか”と交渉してくれている模様。
ナイス助け舟!!

運転手の仲介で、バス会社の責任者とイミグレ職員が話をすることになり、待つこと数分…。
通話を終えたイミグレ職員は言いました。

「今回だけは通してやる。Only this time!」

ひゃーー、助かった!!!!
運転手さん、ほんとにほんとにありがとう。

その後、他のバスの乗客がバスに戻って待機する間、一人イミグレで出国手続き。
「今回だけだからな。もう絶対に2度と乗るなよ。分かったな!」と何度もリマインドしてくるイミグレ職員に、「はい…分かりました。ありがとうございます。」と大人しく答えて、無事出国スタンプゲットです。
内心は、“こんな国境2度と来るかよ、こっちから願い下げだわ。べろべろばー”ですがね。

バスに戻ると、他の乗客が「戻って来られて良かったねー!」と声を掛けてくれました。
騒ぎを起こしてお待たせしたのに優しくしてくださりありがとうございます。

こうして、なんとか無事に国境を越え、インドに再入国!

インド入国後もバスは走り続け、寝たり起きたりを繰り返している内に朝になり、バスはアグラ周辺に差し掛かりました。

インドはなんだかんだでやはりネパールより発展しています。
きちんと舗装された立派な高速道路がそのことを物語っています。

そして、私はまさかのその高速道路の途中でバスを降ろされました。
「アグラで降りるの君だけだから、一人の為に高速道路からおりるわけにはいかないんだ。ソーリ―!」とのこと。
まぁ、仕方ありません。

高速道路の路肩にはなぜかトゥクトゥクが2台待機していました。
ドライバーは思いがけず現れた客に大興奮。
「俺のに乗れ!」「いや、俺だ!」と2人で大揉め。
まだ、乗るとは一言も言ってないんですけど。まぁ歩道のない高速道路を歩くわけにもいかないので乗るしかないんですが…。

2人は口論の末、どっちが私を乗せるかスマホアプリのゲームの勝敗で決めることにしたらしく、客を前にしてゲームをはじめました。

しかも、なんかすごい時間が掛かるゲームで、全然決着がつかず。

待つこと10分…!
ついに勝者が決定!!!
さぁ、やっと出発!!!!

…かと思ったら、

ドライバー「よし!セルフィ―撮ろうぜ!!

俺とも撮ろう、ツーショットで!今度は3人で!!!と撮影は続き、結局出発したのはバス到着から15分程経ってからでした。

嗚呼、インド。。


そんなこんなで、何とか無事にアグラの宿にチェックイン。
長かったー。でも無事到着出来て何よりです。

ネパールとインド間のダイレクトバス乗車をご検討の方は、私のようにならないように、くれぐれもお気を付けください!

次回からは、インド観光をスタートしていきます。

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