《2023.12.1》
前回は、ジョージアに着くや否や速攻で温泉に駆け込み、色々衝撃を受けつつもすっかりその魅力の虜になってしまったお話でした。(前回記事はこちら)
さて、ジョージアは温泉しか見どころがないのかというと、もちろんそんなことはありません。
日本人にはなかなか馴染みのない国、ジョージア。
一体どんな国?と気になっている人もいらっしゃるかもしれないので、一応簡単に情報をまとめておきます。
ジョージアってどんな国?
・国土は日本の5分の1くらい
・旧ソ連圏(1991年に独立)
・公用語はジョージア語(英語はほぼ通じない)
・隣国アルメニアに次いで、世界で2番目にキリスト教を国教と定めた国
・世界最古のワインの産地
ワインに関しては8000年前にはすでに作られていたことが確認されており、“ワイン発祥の地”とされているのだそうです。なかなか歴史ある国なのですね。
そんな歴史あるジョージアの中でも特に歴史の深い街が、首都トビリシから日帰りで行けるところにあるというので早速ってみることにしました。
街の名前はムツヘタ。
なんでも、紀元6世紀に当時の王様が温泉に魅了されてトビリシに首都を遷都するまでは、このムツヘタに首都がおかれていたのだそうです。
ムツヘタにある3つのキリスト教建築物は世界遺産にも登録されているとのこと。
早速行ってみたいと思います!
トビリシからムツヘタへは、旧ソ連圏でお馴染みの乗り物マルシュルートカ(ミニバス)で行くことが出来ます。
マルシュルートカは、トビリシ市内北部のDidube Bus Terminalというところから出ています。
バスターミナルのあるDidube駅までは、地下鉄に乗っていきます。
トビリシの地下鉄及び市内バスは、メトロマニカードというSuicaのジョージア版的な交通カードでしか乗ることが出来ません。
地下鉄の窓口でこのカードを買う際持ち合わせがなく、大きな額の紙幣を出してお釣りをもらおうとしたところ、伝わらなくて全額チャージされてしまいました。
この国では交通カードのチャージ返金はそう簡単なことではないらしく、窓口のおばさんは“返金出来ない”の一点張り。
窓口でしばらく言い合ったものの、そもそもお互い言葉も通じないため全く埒が明かず、結局泣き寝入りすることに…。無駄に多くチャージしたカードは後日宿の従業員に寄付することとなりました。
気を取り直して地下鉄に乗っていきます。
やたらと地中の奥深くまで続くエレベーター…。
そこはかとなく旧ソ連の匂いを感じます。
駅はとてもシンプルで特に迷うようなことはありませんでした。
Didube駅に着いた後は、地下通路を通った後、市場を抜けてバス乗り場を目指します。
先ほどからハンチング帽のおじいさんが写真に写りこんでいますが、決してあとをつけているわけではありません。
バスターミナルは広く、バスが停まっているいるエリアもいくつかに分かれているので多少分かりずらいですが、その辺にいる人に「ムツヘタ?」と聞くと“あっちだ!こっちだ!”と教えてくれ、無事に乗り場に辿り着くことが出来ました。
バス乗り場にはボロボロの窓口があり、ムツヘタ行きはこの窓口で料金を支払います。
料金は片道2ラリ(約110円)でした。
バスはこちら。30分間隔くらいで運行しているようです。
一応フロントガラスに英語でも行き先が書いてあったので意外と分かりやすかったです。
バスは30分程でムツヘタの市街地に到着しました。
さて、ムツヘタ観光の目玉は、世界遺産に登録されている3つのキリスト教建造物です。
この内の2つはムツヘタ市街地のアクセスの良い場所にあるのですが、残りの一つは街からやや離れた丘の上にあるとのこと。
この中で最も歴史があるのは、後者の丘の上にある修道院。その名もジュワリ修道院。
見るからにアクセスが悪そうですが、一番歴史があるならぜひ見てみたいところ。
なので、まずはこのジュワリ修道院を目指すことにします。
ジュワリ修道院まではバスなどは出ておらず、タクシーで行くか1時間くらいかけて徒歩で行くしかないようです。
貧乏旅人の私にはタクシーをチャーターするなどという選択肢はないので、ここは徒歩一択。
ジュワリ修道院までの道のりは中々分かりずらいようですが、幸い親切な先人旅人の方がブログにその行き方を地図付きで載せてくれていたので、それを手掛かりに行ってみます。
野を超え橋(壊れかけ)を超え、道なき道を進むと、太い高速道路に突き当たります。
手掛かりの地図によると、ここから脇道に逸れるルートがあるはずなのですが、いくら探してもそのようなものは見つかりません。
脇道を見つけられないため、歩道もなく交通量の多い高速道路をうろつくことになってしまい、通りすがる車にライトでパッシングはされるわクラクションは鳴らされるわ・・・
通りすがる車の中から皆が何事かとこちらをガン見していきます。
日本でもそうですが、おそらくこの国でも高速道路を歩行者がうろつくなどということは道路交通法違反並みの異常な行動に違いありません。
もう…
危ないし恥ずかしいし、穴があったら入りたいw(安全面的な意味でも)
結局、心が折れた私はとぼとぼと来た道を引き返すことにしました。
ジュワリ修道院に行くために彷徨った時間は約3時間…。
テンション下がりまくりのまま市街地にもどります。
その後見た残りの二つの建築物は大変美しく立派でした。
こちらは、サムダウロ修道院。(建物の中は撮影禁止)
キリスト教の布教のために4世紀にこの地に来た聖女ニノさんという方が、この場所で初めて布教を行ったという神聖な場所だそうです。
聖女ニノの働きかけによって西暦334年にキリスト教を国教と定めた当時の国王と王妃の墓も、この教会の中にあります。
続いては、スヴェティツホヴェリ大聖堂。
3つの世界遺産の中で一番大きな、町の中心にある教会です。
ウィキペディアによると、“キリスト教がイベリア王国の国教となった後、ムツヘタの王宮の庭に最初に建てられた木造聖堂の跡地に建てられたとされ、ジョージアの聖堂の中では古さと大きさの点で群を抜く”だそうです。
現在の建物は11世紀に建てられたそうです。
なかなか大きくて立派です。
こちらは中も撮影可能。
観光客よりお祈りに来ている人の方が圧倒的に多く、厳かな雰囲気です。
壁には、古い時代のものと思われるフレスコ画も残っています。
ところで、この教会の名前であるスヴェティツホヴェリとは“生きた柱”という意味があるのだそうです。
それは以下の伝説に因んだネーミングだそう。
昔、イエス・キリストがエルサレムで処刑された際、立ち会った男がキリストの服の一部をムツヘタへ持ち帰った。彼が姉にその布を渡すと姉はその信仰心のあまり亡くなってしまい、それを手にしたまま埋葬された。やがてそこから杉の木が生え、その樹液は人々の病を癒すようになった。この木を伐採して教会を建てることにしたところ、その木で出来た柱は聖女ニノの祈りによって宙に浮かび上がり、自ら教会の台座を支える土台に収まったという。
ちょ・・・もはや奇跡を超えてオカルト現象・・・(自重)
しかも驚くべきことに、教会の中にはその柱が実在するというのです。
それが、こちら。
もはや木でもないし柱でもない、全くの別物…。
この教会は木造だったものを石造りに作り直しているので、もちろんこれは宙に浮いたオリジナルの柱ではありません。
しかし、地元の人は皆熱心に祈りを捧げていて、この柱がジョージアの人にとっては重要な存在であることが伺い知れました。
さぁ、観光のあとはご飯を食べに行きたいと思います。
町の中心部にはテラス席のあるツーリスティックなレストランが何軒かあるのですが、ジョージアでは道沿いのテラス席で食事をすると必ず犬が寄ってきます。
しかも増えます。
こうなっては食事どころではないのでもう少し落ち着いた場所を探していたところ、若干町の中心から離れた場所に大変口コミが良いレストランを見つけたのでそこに行ってみることにしました。
レストランの名前は、Check-In Garden。
行ってみてびっくり!なんとおしゃれで素敵な内装!まるでジョージアじゃないみたい!
注文したのは、ジョージアの定番家庭料理だというロビオという豆のシチュー。
トウモロコシの粉で作られた、ムチャディというパンと一緒にいただきます。
ロビオは8ラリ(約450円)、ムチャディは2.5ラリ(約140円)でした。
さぁ、いざ実食!ジョージアの家庭料理の味はいかに。。
・・・
わたし、これ苦手。。
もともと餡子や小豆料理が苦手な私にとっては、このシチューはちょっと無理でした。
じゃあ注文するなという話なのですが、せっかくなのでジョージアの家庭料理に挑戦してみたかったのです。
ムチャディーも、ものすごい重い食感でなんかすっぱかった・・・。
今までどこで何を出されても一度も残したことのなかった私が、この旅で初めてお残しをしてしまいました。
断っておきますが、料理には全く問題はありませんでした。ただ私の好みに完全に合わなかったというだけです。
店の雰囲気も店員さんの接客も料理のボリュームも素晴らしく、レストラン自体は大変おすすめできる場所でした!
そんな感じで、ムツヘタ観光は終了。
帰りは町の太い道路沿いのバス停で待っていたところ無事にバスが来て乗ることが出来ました。
ジュワリ修道院には行けなかったけど、ムツヘタ、町も可愛いし首都からのアクセスも簡単で大変おすすめです。
次回は電車に乗って、クタイシという街に移動していきます。
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