《2023.12.25-28》
ジロカストラから、次の目的地であるベラトという町へ移動していきます。
ベラトは、希少なオスマン帝国時代の町並みや農民によって築かれた多くの歴史遺産が残っていることから、ジロカストラと共に世界遺産に登録されている町です。
余談ですが、私がベラトに移動したのはクリスマス当日でした。
アルバニアは一応クリスマスを祝日としているそうなのでバスが運休したりしないか心配でしたが、宿のご主人曰く「たぶん運休はしないはず」とのこと。
独裁政権時代に長い間あらゆる宗教の信仰を禁じられていたアルバニアは、宗教的なイベントごともそこまで重視しない傾向があるんだそうです。
ジロカストラからベラトへ向かうミニバスは、下の地図の場所から出ています。
通り沿いに出ている上の看板兼時刻表が目印です。
出発時間は朝の8時半。
料金は1000レク(約1600円)でした。
渡されたチケットを見ると、行き先がティラナになっている上に、710と書かれた料金覧が塗りつぶされて1000と手書きで書きなおされていました。
即突っ込みを入れましたが、窓口のおばさんは「このチケットはジロカストラからベラトのもので、料金は1000レク」の一点張り。
いや、それがまかり通るなら、おばさん手書きで金額書き換えて差額をポケットに入れ放題でしょうに。
結局他の乗客の人も1000レク払っていたので多分本当に1000レクなんだと思いますが、こんな不安になるチケット渡されるくらいなら、いっそ何も渡さないほしいです。
ともかく、バスは定刻にジロカストラを出発しました。
道中は、綺麗な青い川と、霧に包まれた田舎の景色が大変幻想的でした。
バスは2時間半程でベラトのバスターミナルに到着。
ベラトはジロカストラより大きな町らしく、バスターミナルもそれなりに大きくて立派でした。
近隣の国への国際バスも多く運行しているようです。
バスターミナルの近くの道端には、謎に野放しの七面鳥がうろついていました。
おそらくこの町は大変平和です。
ベラトで宿泊したのは、Guesthouse Villa Juri。
久しぶりの、専用バスルーム付の個室です。
しかも部屋に専用冷蔵庫やケトルまで付いています。
お値段一泊15ユーロ
冬のこの時期ベラトの安宿は閉まっているところが多く、ドミトリーは一軒も見つけることが出来なかったため、久々の贅沢です。
ブランケットの柄がギャルですが、部屋はエアコンがよく効いて暖かいし、オーナーのおばあさんもとても親切で居心地の良い宿でした。
・・・・・
さて、ベラトは「千の窓を持つ町」として近年観光人気が高まっている町です。
その景色が、、
こちら!!
たしかに、大変絵になる町です。
ここはマンガレム地区と呼ばれるエリアで、オスマン帝国時代に作られた建物が並んでいます。
丘の上にはベラティ城という城塞があり歩いて登れるようなので、早速登ってみたいと思います。
城塞を目指して坂道を登っていくと、マンガレム地区から離れた観光客の行かないエリアが見えました。
人が住んでいるのか住んでいないのか分からないボロボロの建物が並んでいます。
ガラスの無い窓に壊れた屋根…
なぜか真っ黒に焦げたような建物まであります。
まるで最近紛争でもあったんじゃないかと思うような光景。
もちろん全部がこの状態なわけではありませんが、ヨーロッパ最貧国の一つと言われているアルバニアの現状が垣間見えている気がします。
丘の頂上の城までは、そこそこ急な上り坂を30分程登って頂上に到着。
昼間は入場料がかかるとの情報もあったのですが、チケットオフィスらしきものも見当たらず皆自由に出入りしています。
城塞の中は、城らしい城があるわけではなく、住民の方たちが普通に生活を営んでいます。
ここには紀元前には既に城塞が作られていたんだそうです。
そんな場所に未だに人々の暮らしがあるのは、中々驚きです。
コンスタンティヌス像。
2000年近くも前のローマ皇帝ですが、ここベラトにも来たことがあると言われているそうです。
どうやってそんなこと分かるんでしょう。
オスマン帝国時代のモスク跡。
ミナレットだけがかろうじて原型をとどめています。
丘の上の教会と、ベラトの町。絶景です。
城塞内には一応美術館や古い教会など観光地と言えなくもない場所もあるようですが、そういった場所を回るよりも、景色を楽しみながら当てもなく散策するのが良い気がします。
一時間ちょっとかけてゆっくりと一周し、城塞を後にしました。
下りは来るときとは別のルートから町に戻りました。
マンガレム地区の川向かいにあるゴリツァ地区の景色が美しく、よそ見をしながら急な下り坂を歩いていたところ盛大に転んで足を擦りむきました。
夕刻のベラト。
向かい合って建てられた教会とモスク。
他の国ではなかなか見られない光景です。
アルバニアは一応国民の7割がイスラム教徒だそうですが、歴史的な背景から熱心な教徒は少なく、異なる宗教を信仰する人同士が共存しやすい環境になっているようです。
こうなるまで紆余曲折があったのは承知していますが、個々の信仰心が尊重されるこの町の寛容な雰囲気は素敵だなと思いました。
世界中がこうであってほしいです。
クリスマス時期のベラトの夜は、連日そこそこ大がかりなプロジェクションマッピングショーが行われていました。
が、、、
爆音のクラブ系ミュージックに合わせて動物と虫のイラストがうごめくという謎の演出・・・。
クリスマス1ミリも関係なし!
もはや、歴史的な街並みの夜景を台無しにしているとしか思えないのですが、そんな絶妙なチョイスもアルバニアならではなのかもしれません。
ベラトには全部で3泊したのですが、観光は丸1日あれば十分だったため、あとの時間はもっぱらカフェでまったりと今後の旅程を立てて過ごしました。
飲み物の値段も200円前後とお手頃で、Wi-Fiがしっかり使えるナイスなカフェでした。
需要あるか分かりませんが、おすすめカフェの地図張っておきます。
以上、ベラト観光でした。
結局何が見どころだったの?という感じですが、丘の上の城塞と歴史ある町並みのある景色、そして観光地ながらもどこかゆるいローカル感漂う雰囲気が、この町の魅力なんだと思います。
がっつり観光したいというより、異国情緒を感じつつゆったり過ごしたいという人におすすめな町です。
次回はベラトから首都ティラナへと移動していきます。
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