【ポーランド②】世界遺産“ヴィエリチカ岩塩坑”に行ってみた

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《2024.1.18》
本日は、クラクフ近郊にある世界遺産の“ヴィエリチカ岩塩坑”に行ってみたいと思います。

ここは、1978年に、クラクフ歴史地区と共に世界で初めて世界遺産に登録された12件のうちの一つ。

日本でこの世界遺産がどれだけ知られているかは定かではありませんが、私の中では、世界一周に出る前から“絶対に行ってみたい!”と思っていた世界遺産の一つでした。

なぜなら、関東に住んでいた頃、『たばこと塩の博物館』でヴィエリチカ岩塩坑の展示を見て“世界にはこんな場所があるのか!”と大変関心を持ったためです。
※この博物館、入館料100円で入れて、とても充実の展示内容なので東京にお住いの方はぜひ。おすすめです。

チケット購入

チケットは事前に公式ウェブサイトで購入しておきました。

チケットの種類は、ツーリストコースとマイナーズコースがあるようですが、私はもちろんツーリストコースです。
マイナーズコースは、ヘルメットとかヘッドライト付けて、ガチの坑夫さんが行くようなルートを辿るらしい。

ツーリストコースのお値段は122ズウォティ(約4600円)。た…高っ!!!

決済が完了すると、メールでチケットが送られてきます。
30分ごとに入場時間を指定できるのですが、指定の時間に遅れると入場できなくなるようなので要注意。

行き方

クラクフ市街地からヴィエリチカ岩塩坑への行き方は電車かバスがあるようですが、私はバスで向かいたいと思います。なぜならバスの方が安いからです。

バスは、304番に乗れば行けるとのこと。

上の地図の場所から304番が出ているということを事前に確認していたのですが、実際の場所は地図とは少しずれていました。
そこらへんにいる人に、“ヴィエリチカ岩塩坑に行きたいので、304番のバスに乗りたい”ということを聞けばすぐに分かりますので、これから行こうとしている方はこの辺りでその辺の人に聞いてみてください。。

バスのチケットは、バスの中の券売機で購入しました。

クラクフの市内バスは、区間と乗車時間で値段が変わるようです。

ヴィエリチカ岩塩坑はZone2にあり40分程掛かるようなので、“ZONE Ⅰ+Ⅱ+Ⅲ 60MINUTE”と書かれた6ズウォティのチケットを購入。

チケットは、上の写真の機械に差し込んでアクティベートします。
乗車中特にチケットの確認などはされなかったので、“20分の用の安いチケットを買ったところでバレないのでは…?”という悪い考えがふと頭をよぎりましたが、バレて困るような所業は初めからやるべきではありません。

バスはヴィエリチカ岩塩坑の近くの通り沿いで止まります。(降り過ごし要注意)
降りたところのすぐ近くに大きな看板があるので迷うことはありませんでした。

内部の様子

到着!こちらがヴィエリチカ岩塩坑の入り口です。

ツアーは各国の言語に分かれているので、英語の表記がある列に並びツアーが始まるのを待ちます。
時間になると、チケットのQRコードを読み取ってもらいツアースタート!

ヴィエリチカ岩塩坑は1044年創業、1250年に国営化された歴史ある岩塩の採掘坑です。
その深さは最深部だと327m、そして全長はなんと300㎞もあるそうです。
300kmって!びっくり。

入り口を入ると、まず、地下への階段を下ります。
どれだけ地下深くまで階段が続いているか上の写真で少しでもお分かりいただけるでしょうか?
足腰の悪い人にはツラそう…。

階段を下りきると、地下とは思えないほど広々した空間が広がっています。
一見岩のように見える灰色の壁は、全て塩。

ところどころ、ミネラルだか何だか知りませんが白っぽいものが固まっています。
この塩の成分は、喘息やアレルギーにも効果があるんだそうで、ガイドの説明によると医療的な目的でこの岩塩坑を訪れる人もいるんだとか。

・・・・・・・・

さて、このヴィエリチカ岩塩坑には、ある有名なストーリーがあるそうです。
それが、キンガ姫の指輪事件(以下参照)。

キンガ姫の指輪事件とは

13世紀、ポーランド王との結婚に気乗りしなかったハンガリー王女キンガ姫は、婚約指輪をハンガリー国内の岩塩坑に投げ捨てた後、しぶしぶポーランドに嫁ぎました。
その10年後、ポーランドのヴィエリチカから、“王妃のものっぽい立派な指輪が見つかった”との知らせが届きます。王妃キンガがヴィエリチカに赴くと、それは間違いなく王妃がハンガリーの岩塩坑に捨てた指輪でした。
当時、ポーランドはハンガリーから塩を輸入しており、ハンガリーから運ばれてきた塩はヴィエリチカにある倉庫に保管されていました。指輪は塩と共に採掘され、偶然にも王妃の嫁いだポーランドへとたどり着いたのです。
これを偶然ではありえないと信じたポーランド王室は、国家事業として本格的にヴィエリチカの地下を採掘することを決定しました。すると、途方もない規模の岩塩床が発見され、ヴィエリチカの岩塩採掘は何百年もの間繁栄したのでした。

これは、なんと奇跡的なお話でしょう。
しかしキンガ姫、いくら結婚に気乗りしないからといって結婚指輪を捨ててから嫁ぐとは…なかなかの強者です。

こちらは、そのキンガ姫の指輪事件の『指輪発見シーン』を再現した展示です。
キンガ姫、「なんでこんなところに指輪が!?」とでも言っているのでしょうが、内心は『やばっ…指輪捨てたってことどうやって説明しようかしら…』と焦っているはずです。

ちなみに、これらの彫刻はもちろん全て塩で出来ています。
坑内にはこんな感じでところどころに展示があり、ガイドが都度そのストーリーや歴史について丁寧に解説をしてくれます。

こちらは、昔の採掘の様子を再現した展示。
上の写真は、坑内にガスが充満して爆発するのを防ぐために、天井付近のガスを燃やしているところだそうです。

坑内では馬も働いていたそうです。
どうやって地下に連れて来たんだろう。
・・・・・・・

しばらく進むと、ヴィエリチカ岩塩坑1番の見どころとされる“聖キンガ礼拝堂”に行き当たります。

なんと広くて立派な礼拝堂!
坑内にはいくつか礼拝堂があるのですが、これらは、採掘で出来た空間に坑夫たちが作業の安全を願って作ったのだそうです。
彫刻からシャンデリアに至るまで全て塩製!

ここでは自由時間があったので、祭壇と一緒に記念写真をパシャリ。
私の背後に写っているのが、聖キンガの像。

結婚指輪を捨てたちょっぴり破天荒なキンガ姫は、とても慈悲深いキリスト教徒だったんだそうで、後にポーランドの聖人として人々に崇められるようになったんだそうです。

こちらは、有名な“塩の最後の晩餐”。
この坑道および礼拝堂にある彫刻は坑夫の手によって彫られたというのですが、その完成度は完璧に芸術家レベル…!
昔の人は現代よりも便利な道具が無かった分、己の能力を駆使してものを作り出すことに長けていたのでしょうか。

壁には一面細かい彫刻が。
坑夫さん、本当に器用…!
素晴らしいの一言です。

見学コースの終盤には、坑内の水を溜めた地底湖もありました。
塩分濃度が高いので、仮に落ちても沈まないし決して溺れることは無いのだそう。

最後は、天井が吹き抜けになっている広いホールに出ます。
ここでは過去にバンジージャンプが行われ、地下で行われたバンジー最長記録だか何だかでギネス記録に登録されているそうです。

1978年に世界で初めて世界遺産に登録された12の遺産のモニュメント。(塩製)
12個の中には、ポーランドのヴィエリチカ岩塩坑とクラクフ旧市街が入っています。
他の10個を見てみると、意外とあまり知らないものばかりでした。ピラミッドとか入ってないのね。

これにて見学ツアーは終了!
掛かった時間は1時間半程でしたが、ガイドの説明は大変丁寧で分かりやすく、満足度の高いツアーでした!

見学ルートを出たところには、レストランとお土産屋さんがありました。
ここもまだ地下なので、壁や天井は岩塩だと思われます。

バスソルト一袋5ズウォティ(約190円)。
バラまき土産に良さそうです。たくさん買ったら重そうではあるけど…

レストランにヴィエリチカラガーなるビールがあったので試してみました。
お値段15ズウォティ(約565円)、一緒に頼んだミートボール的なものは16ズウォティ(約600円)でした。
塩の味でもするのかと若干期待しましたが、味は普通の洒落たクラフトビールでした。

ビールで一息ついた後は、ヴィエリチカ岩塩坑を後にしてクラクフの街へと帰ります。
復路のバスは、来るときに降りたのと反対の車線にあるバス停で待っていればすぐに乗ることが出来ました。

ヴィエリチカ岩塩坑、ネット上では“入場料高すぎ”や“期待したほどの見ごたえが無かった”などの意見もありましたが、私個人としては大変面白かったです。
こんなにも大きな岩塩坑は他ではそう見られないはずですし、『世界にはこんな場所があるのか!』と終始ワクワクしながら見学することが出来ました。
長い歴史の中で坑夫さんたちが作り上げた内部の礼拝堂や彫刻も、一見の価値ありだと思います。

ポーランドのクラクフに行かれる方、ご興味があればぜひ行ってみてください^^

次回は、クラクフから日帰りで行くことの出来る負の遺産“アウシュビッツ収容所”に足を運びます。

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