【イギリス①】無料で楽しむロンドン市内観光《その①》

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《2024.2.14-15》

物価の高いイメージが強いイギリス。
しかし、ロンドンをはじめ国内にある博物館や美術館は、その多くがなんと入場料無料です。

これは、“芸術や学術は全ての人に平等に解放されるべきである”という国のポリシーに基づく政策であり、国民の福利厚生の一環なのだそう。
さすが、強国イギリス…。やることが太っ腹です。

貧乏旅人にとって、無料より嬉しいことはありません。
というわけで、ロンドンでは入場無料の恩恵にあやかりつつ、目いっぱい観光を楽しませていただきたいと思います。
では、早速レッツゴー!

大英博物館

まずは、言わずと知れた超有名な大英博物館に行ってみます。
1753年に設立され、約800万点もの所蔵品を誇るという世界最大級の博物館です。

入場はもちろん無料。
予約なしでも列に並べば入場は可能なようですが、混雑時には制限が掛かることもあるらしいので事前に公式ホームページから予約をして向かいました。

Montague Placeエントランス(裏側入口)

入口で、予約時にメールで送られてきたQRコードを読み取り、セキュリティチェックを受けて入場。
クロークに上着やリュックを預けようかと思いましたが、有料&長蛇の列だったのであきらめました。

博物館内部は超広大で、特に決まったルートなどは無い模様。
何がどこにあるか分かりませんが早速行ってみましょう!

まずは、アッシリア文明の展示。
ここには紀元前8世紀~紀元前6世紀頃のアッシリア文明の彫刻などが多数展示されています。

上の写真は、ラマッスと呼ばれる守護獣の彫刻。
おじさんのペガサス的な異様ないで立ちが目を引きます。

こちらは、有名なライオン狩りの浮き彫り彫刻。
なんと紀元前6世紀に作られたものだそうです。

私恥ずかしながらアッシリア文明がどのような文明かよく知らなかったのですが、これを今から2600年前に作ったなんて大変高度な技術を持った文明だったのですね。

続いては古代エジプトの展示エリア。
The エジプトという感じのファラオの彫刻がお出迎えしてくれます。

こちらは、ロゼッタ=ストーン。
古代エジプトのヒエログリフ、デモティック文字、そしてギリシャ語の3種類の文字が同じ内容で書かれており、この石板のおかげでヒエログリフが解読に至ったのだそうです。
きっと、ジブリ映画の某大佐のように「読める、読めるぞ!!!」となったのでしょうね。

このロゼッタ=ストーンは、1801年にイギリス軍によりエジプトから持ち出されて以来大英博物館の目玉展示物となっているのですが、現在エジプトからは返還要求が出されているのだそう。

続いてこちらは、パルテノン・ギャラリー。
ギリシャのパルテノン神殿の遺物を展示する大広間です。

大英博物館(ほぼ実物)
ギリシャのアクロポリス博物館(ほぼレプリカ)

2か月ほど前に行ったギリシャのアクロポリス博物館にはレプリカばかりが並んでいたのですが、ここにあるのは本物ばかり。

本来6体1対のエレクティオン神殿の女神像も、内1体が大英博物館に展示されています。

大英博物館所蔵の女神像(1体)
アクロポリス博物館所蔵の女神像(5体)

なぜこんなことになっているかというと、19世紀にギリシャに渡ったイギリス人外交官が、当時ギリシャを支配していたオスマン帝国に許可を取って状態の良い彫刻をギリシャに持ち帰ってしまったからなのだとか。

これらもギリシャから返還要求が出されているそうですが、イギリスは“当時ギリシャを支配していたオスマン帝国には許可を取った”ということを理由に返還を拒否しているそう。

続いてこちらは、イースター島のモアイ像。本物です。

19世紀、イギリス海軍がチリに遠征した際に現地の人々の許可なく持ち出されたもので、こちらも返還要求が出ているのだそう。

ちょっとイギリス・・・帝国時代の勢力を盾に色んな国からあれこれ持ち出しすぎじゃない??と思いますよね。
これが人なら、恨まれて夜道で刺されてもおかしくないレベル。

大英博物館は、この他にも英国植民地時代の略奪品を多数所蔵していることから『泥棒博物館』と皮肉られたり、所蔵品の返還についての論議が常に巻き起こっているのだそうです。

しかし、イギリスに持ち出されたことによって現在私たちが貴重な遺物を目にできるというのもまた事実です。
例えばロゼッタ=ストーンは、ヨーロッパ人が発見するまで要塞の石材として使用されていました。
今から200年以上前のエジプトでは、その価値は全く理解されておらず瓦礫同然の扱いを受けていたのです。

また、アッシリア文明の遺物を例に取ると、紀元前に文明が栄えたその地は現在のイラク。
長い戦争や内乱で大きなダメージを受けたイランでは遺物の保護など二の次になっていたかもしれませんし、少なくとも今日のように多くの人に公開されて興味を持たれるようなことは無かったでしょう。

パルテノン神殿の彫刻にしても、当時ギリシャでは混沌とした時代が続いていたこと思うと、もし持ち出されていなければそのまま放置されていた可能性もゼロではありません。

その価値が広く知れ渡った現代においては、『返してほしい』という主張も十分理解できることではありますが、早くにその価値に気付いて文化遺産として保管してきた大英博物館が“泥棒”と罵られるいわれまでは無いような気もします。
私にはどうするべきなのかなど到底判断も尽きませんが、イギリスと各国の間で平和的な解決がなされることを願います。

ただ、モアイは今すぐにでも返した方が良いのでは。
植民地化したわけでもない国から許可も取らず勝手に持ち出して“返さない”は正当化の余地なし
でしょう。。

まるで大英博物館には他国からの略奪品しかないような流れになってしまいましたが、そんなことはありません。

こちらは、800年程前に作られたというチェス盤。
ハリーポッターの映画で登場するチェス駒のモデルにもなったものだそうです。
賢者の石でロンがぶっ飛ばされたあのシーンに出てくるやつですね。

広い館内には世界各国の展示もあり、日本展示室には鎧兜や刀などが展示されていました。

わが故郷北海道の先住民であるアイヌにまつわる展示もあり。
大英博物館の展示品の幅の広さに驚かされます。

メインホール

結局、大英博物館には5時間近くも滞在しました。
それでも見切れなかった展示室も多数。
全部見るには丸一日あっても足りないかもしれません。

すっかり疲れたのでメインホールにある売店でコーラでも買おうかと思いましたが、一本2.65ポンドという値段を見た瞬間喉の渇きも吹っ飛びました。
入場料無料なのでこういうところで少しでもお金をおとすべきなのかもしれませんが、缶コーラ一本500円越えはつらい。。
食べ物ももちろん高額で、小さなマフィンは1個4.25ポンド(約800円)、サンドイッチは7.55ポンド(約1500円)を叩き出していました。恐ろしや。
おやつ持参して良かった。

そんな感じで大英博物館の見学は終了。

大英図書館

続いてやってきたのは、大英図書館

世界最多級の書籍数を誇るというメガ図書館ですが、私の目的は本ではありません。
この図書館の中には、歴史的に価値のある貴重な資料を展示する常設展示室があるのです。
もちろん入場は無料。
チケットなども必要ないので、時間が空いた時にふらっと立ち寄ることも可能です。

こちらはなんと、レオナルド・ダ・ヴィンチ直筆の設計図。

こちらは、モーツァルト直筆の楽譜。
あれ、ベートーヴェンだったかも・・・

そしてこちらは、1215年につくられたマグナカルタの原本。
“なんだっけそのアーティストグループの名前みたいなの…”と思ったら、イギリス憲法の土台になり現代の立憲主義の基礎とされた超重要な憲章なんですね。
800年も前に書かれたものをこうして拝めるなんて、大変光栄です。

この展示室には他にも、ジョン・レノン直筆の歌詞のメモや、インド独立の父ガンジーが書いた手紙など、世界的に有名な文章のあれこれがたくさん展示されていて、思いの他見入ってしまいました。
大英図書館、観光ルートからは外れがちですが、なかなかおすすめです。

キングス・クロス駅

大英図書館を出た後は、そこから徒歩数分のキングス・クロス駅へ。
ここは、あのハリーポッターの“9と3/4番線”があることで有名です。

なんとも趣のある駅構内。

映画のロケ現場であるプラットホームに入るには乗車券が必要ですが、改札の外には9と3/4番線プラットホームの撮影スポットが設営されています。

これがその撮影スポット。
夜にも関わらず、かなりの長蛇の列ができていました。

半分壁にめり込んだカートのセットがあり、壁に吸い込まれる瞬間の写真を撮ってくれるみたいです。(写真は有料で販売)

なーんだ、こんなかんじか。。
実際にこの壁で映画が撮影されたというわけでもないようですし、私はもちろんパス。

ロンドン観光1日目はこれにて終了です。

ビック・ベン

ロンドン観光2日目。
本日も無料の博物館めぐりを楽しんで行く予定ですが、その前にちょっと某有名スポットにお立ち寄り。

じゃーん。

ロンドンのシンボル、ビック・ベンでございます。
正式名称は“エリザベスタワー”。
なぜビック・ベンと呼ばれるようになったかは不明なんだとか。

今から約160年前につくられたというこの時計塔。
生で見ると思いのほか大きく、気品に溢れていました。

ウェストミンスター寺院

ビック・ベンのお隣にあるウェストミンスター寺院

イギリスで最も古く、何世紀にもわたって王族の儀式が執り行われてきたという超由緒ある教会です。

入場料はなんと25ポンド(約4800円)。
今まで行ったヨーロッパの国々の教会でもずば抜けてトップの入場料の高さ。
とても入れません。
外からそのごついゴシック建築の外観のみ眺めて、終了。

ロンドン自然史博物館

続いて向かったのは、ロンドン自然史博物館
交通費節約のためウエストミンスター寺院から徒歩で向かったら1時間も掛かりました。

入場料無料。
“平日だし予約していなくてもすぐに入れるだろう”と甘く見て向かったら、入り口には長蛇の列ができていました。
40分程並んで入場。
事前に公式サイトから時間指定で予約を行うことも出来るので、行かれる方は予約をお勧めいたします。

エントランスホールでは、巨大なクジラの骨格標本がお出迎え。

キリンさんもいます。

大人気の恐竜展示室。

リアルな見た目に反して、ロボット感満載な動きをする恐竜たち。
子供たちの注目を集めていました。

宝石展示室なんかもありました。
この一粒で人生何回か遊んで暮らせそうな輝きです。

この博物館で私が一番見たかったのは、絶滅鳥ドードー。

ドードーとはかつて無人島に生息していた鳥です。
天敵がいない島でのほほんと暮らしていた彼らは、翼が退化し飛べず、地面をよたよたと歩き巣も地面に作ってしまうという警戒心の薄さだったそうで、大航海時代に人間が島に上陸するとあっという間に乱獲され400年前にはすでに絶滅してしまったのだそう。

現在残っているのは不完全な剥製と骨格標本のみだそうですが、ロンドン自然史博物館では骨格を元に復元されたレプリカを見ることが出来ます。

ずんぐりむっくりの憎めない姿。
きっと現在の世に生きていたらゆるキャラ的な人気を博していたことでしょう。
人間の手によって種の存続が絶たれてしまったのは、大変残念なことです。

ヴィクトリア&アルバート博物館

続いてやってきたのは、ヴィクトリア&アルバート博物館。
ロンドン自然史博物館のすぐお隣にあります。

こちらは予約なしでもすぐに入場することができました。

この博物館は産業やデザインを主題にしているのだそうで、ガラス製品や服飾品、ジュエリー、家具やインテリア用品等々、多岐にわたるジャンルの収蔵品が展示されています。

こちらは、祭具の展示室。

ここは、ヨーロッパのファッションの移り変わりを知ることが出来る展示室。

日本のカルチャー紹介コーナーもありました。
ロリータファッションとキティーちゃんグッズ。
この展示を見た世界中の方が『日本人はみんなこんな格好をしている』と思い込みませんように。

世界中の有名彫刻のレプリカも。

16世紀に作られたペルシャ絨毯。アルダビール絨毯というそうです。
モスクの修復費を賄うためにイギリスに売却されたとても貴重な品なのだそう。


館内は大変広く、最後は全部回りきる前に閉館時間が来てしまいました。
閉館時間が近付くと、館内では展示室への入り口が封鎖され、徹底的に退館を促されます。
英国紳士の警備員さんも、この時ばかりは鬼のような形相で「クローズ!!」とまくしたてながら客を出口へと誘導。
まだまだ見学したかったのですが、残念ながらこれにて終了です。

夜のロンドンの街の雰囲気を楽しみつつ、2階建てバスに乗って宿へと戻ります。

ロンドン、無料で楽しめるスポットが多すぎて時間が全然足りません!
次回も、引き続き市内の観光スポットや無料の美術館などを巡っていきたいと思います。

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