《2024.3.3-5》
モロッコ中央部の都市、マラケシュの街歩きをしていきます。
マラケシュは古くから経済や学問の中心として栄えた歴史的な都市で、旧市街全体が世界遺産に登録されています。
さらにサハラ砂漠ツアーの拠点となる街でもあるので、モロッコ随一の観光都市となっているのだそうです。
マラケシュは、イスラム王朝時代に作られた塀の中のメディナ(旧市街)と、フランス統治時代に作られた塀の外の新市街に分かれていますが、観光の目玉は旧市街のメディナ散策。
ということで、当記事では2泊3日のマラケシュ旧市街の街歩きの模様をお届けいたします。

フナ広場から徒歩十数分のところにある宿を出ると、道沿いには食料品や衣料品を売る店がずらりと並んでいました。
フナ広場周辺は観客向けのツーリスティックな店が多いのですが、少し離れた場所には市民の生活の様子が垣間見えます。
ちなみに、上の写真に写っている人が来ている魔法使いのような服は、モロッコの普段着的な民族衣装でジュラバというそうです。
フート付きの長いローブが、夏の日差しからも冬の寒さからも砂漠の砂からも身を守ってくれるという優れものなのだそうで、街の人はそこそこの割合でこのジュラバを着ています。

街角には補修中の建物がちらほら。
モロッコは2023年に巨大地震に見舞われました。
今でも街の一部は復旧の途上のようですが、街は活気にあふれています。
2階が半倒壊した建物の1階では普通に人々が生活を営んでいる…という場所もあり、何ともたくましさを感じます。

マラケシュの旧市街は車が走れない為、バイクや自転車、そして馬車を多く目にします。
完全に目が死んでいる馬…

お肉屋さんの店先には、牛の生首。
新鮮さのアピールなのかもしれませんが、度肝を抜かれるビジュアルです。
この店はきちんとしたガラスケースが使われていますが、その辺の露店では肉の塊がむき出し常温のまま道端で売られていました。

さて、まずは腹ごしらえ。
モロッコ名物タジン鍋です。
35ディルハム(約550円)。
ツーリスティックな店を出来るだけ避けて地元の人が入っている安食堂的なところでいただきましたが、さほど安いわけではない印象。

食後のアイス、2ディルハム(約30円)。
つい安さに引き寄せられました。
普通に美味しかったです。

それにしてもこの埃っぽい雰囲気、たまりません。
ヨーロッパから降り立った直後は久しぶりのこの雑多な雰囲気に少々気後れしていましたが、やっぱり多少カオスな方が旅は面白味が増す気がします。

さて、メディナの中心のフナ広場周辺に近付くにつれて、市場も段々ツーリスティックな雰囲気へと様変わり。

モロッコと言えばオリエンタルな雑貨が可愛いことでも有名なようですが、通りを歩いて納得。
確かにここには、“カワイイ”が溢れています。

こちらは、モロッコの伝統靴バブーシュ。
本革だそうですが、一足千円台からとお手頃です。
短期旅行なら安さと可愛さに負けて購入していたに違いありません。
でも、この手のお土産ってもともと雑貨大好き系女子以外にとっては帰国後に『あれ…これどうやって使おう。。』ってなるんですよね。
購入前には、自身のテイストと相違が無いか今一度冷静に考えることが必要です。
写真を撮るのを忘れたのですが、私はバブーシュ型のキーホルダーをばらまき土産として購入しました。
ひとつ10ディルハムくらいで、帰国後渡した人たちからはとても好評だったのでおすすめ!

色鮮やかな食器も定番土産の一つのようです。
日本まで割らずに持ち帰るのは大変そうです。

ばらまき土産の定番は、ポーチ。
サイズやデザインは多岐に渡り、値段も割と店によって違ったりします。
メディナの路地は大変入り組んでいるため、余程分かりやすい場所ではない限り同じ店に再びたどり着けるとは限りません。
気に入ったものはその場で購入するのが吉。

布系やクッションカバーなんかも多数。
モロッコは刺繍や染物も盛んなようです。

素焼きのタジン鍋を売るお店も。
現物より輸送コストの方が高くつきそうです。

店先のお土産を見ながらしゃがんでいると、いつのまにかネコちゃんが膝に。
モロッコはネコの多い国として有名ですが、マラケシュも噂に違わぬネコ天です。
大変癒されますが、時々爪を立ててくる子もいるので要注意。

道端でピアスを作っているおじさんがいたので、記念に一つ購入しました。
値段は20ディルハム(300円くらい)だったので、『安いし交渉めんどくさいからいいや』と言い値のまま購入したのですが、本当は10ディルハムだった模様。(後で他の店で同じものを見つけて発覚)

倍の値段で売ってしまったことに対する罪悪感からか、特に文句を言ったわけでもないのに「サービスでもう一個作っててあげるから好きなパーツ選んでいいよ」と言い出すおじさん。
結局20ディルハムで二つ買えたことになります。
ピアスを作ってくれてる間身の上話をしていたところ、おじさんは10年ほど前に観光でマラケシュに来た日本人女性と恋に落ち、一時期付き合っていたのだそうです。
「彼女の名前は、ユキコ…。とてもビューティフルな女性だったよ。」
そう語るおじさんの横顔には、日本人女性とのアバンチュールを懐かしむ懐旧の情がこもっていました。
ユキコさん、おじさんはマラケシュの街角で元気にピアスを作っています。

マラケシュではこれと言った特定の観光スポットには入っていませんが、街の所々には入場料を取っている歴史的な建築物もありました。
上の写真はたぶん宮殿か何か。

こちらの門もとても趣があって素敵です。
マラケシュの街では映えスポットには事欠きません。

こちらはクトゥビーヤ・モスク。
12世紀に建てられたものだそうで、マラケシュのシンボル的な存在になっているそうです。
こちらは異教徒は中には入れませんが、見た目の美しさからたくさんの観光客が周りで写真を撮っていました。

たくさん歩いて喉が渇いたら、フレッシュジュースで喉を潤します。
たまたま見つけたフレッシュジュース屋さんのアボカドミックスジュースが7ディルハム(約110円)でとても美味しかったので、一日2杯飲みました。
フナ広場の屋台では一杯10ディルハムですが、離れたところにあるジューススタンドだと少しお安かったりします。
これで、野菜不足も一気に解消。

さて、こちらはマラケシュの中心であるフナ広場。
この広場は、11世紀にマラケシュが首都だった時代から街の中心となっていたのだそうです。
かつてはここで公開処刑が行われていたという物騒な歴史もありますが、今は露店や屋台で朝から晩まで賑わう明るい広場です。

ゲームの露店も多数。
大の大人が皆、釣り竿でペットボトル飲料を釣っています。
楽しいのでしょうか。

サルや蛇を連れた大道芸人も多数。
この人たちは、一瞬でも自分にカメラが向けられたことを悟ると掴みかかるような勢いでチップを要求してきます。
「今撮っただろう!」「撮ってねーよ!!!」という大道芸人と観光客のトラブルも散見されます。
カメラを向ける際にはそれ相応の覚悟が必要です。
夕方は、フナ広場沿いにあるカフェへ。
上の地図の場所がそれです。

さびれた雰囲気の階段を上って屋上へと直行します。

こちらがその屋上。
入口で先にオーダーをして、空いている席につきます。
ドリンクはどれも相場の倍以上ですが、これは完全に場所代です。

何とか日没前にべスポジをゲットすることが出来ました。
夕日に映し出されるクトゥビーヤ・モスクのミナレットが何とも絵になります。

夕日が注ぐ先には、フナ広場。
旅行会社のパンフレットなどでよく目にするような景色です。
広場は日暮れ頃から飲食系の屋台が増え、活気にあふれています。
夕日を鑑賞した後は、夜のフナ広場を散歩。
私は滞在中全く日本人旅行者の方を見かけなかったのですが、一昔前には日本人観光客も多かったのか、フナ広場の客引きは片言の日本語を話す人が大変多いです。
「ココデ、サダマサシ ゴハンタベタ!!ホントホント!!!サダマサシダヨ!?」と熱く勧誘してくる飲食屋台のおじさんがいたり。
いや、確かにビックネームではあるけど、さだまさし…。
そして中には、「宮迫ですっっ!!」というギャグを振り付きで自信満々に披露してくる客引きも。
…大変言いづらいのですが、その方日本で色々ありまして、すでにスクリーンから姿を消しています。
アップデートをお願いしたいところです。

結局屋台では何も買わず。
ふらついていたところ、「お代は良いからカタツムリを試食してごらん」と勧められたので、ひとつご馳走になりました。
感想は、ツブ貝の煮物から完全に歯ごたえを取った感じ。
美味しいと言えば美味しいのですが、ビジュアルがあまりにも在りし日の姿のまま過ぎてなんだか胸が痛みます。
そんな感じで、マラケシュの街歩きは終了。
マラケシュには他にも有名な庭園やら宮殿やらといった有料スポットが存在しているようなのですが、私はひたすら旧市街をぶらぶらと歩き回って雰囲気を楽しみました。
旧市街全体が世界遺産になっているマラケシュは、例えるならばディズニーシーのアラビアンコーストの路地のリアル版という感じで、歩いているだけで十分にワクワクすることが出来ます。
※リアル版なので、道端にゴミや動物の糞が落ちていたり、バイクにひかれそうになったり、知らないモロッコ人にいきなり話掛けられたりしますが。
私はこの先のサハラ砂漠ツアーを探したりもしていたので2泊3日でマラケシュに滞在しましたが、もしメディナの雰囲気を味わうだけであれば丸一日でもかなり満足出来るかもしれません。
ちなみに、世界3大うざい国などと称されることもあるモロッコですが、マラケシュに関しては許容の範囲。※あくまでも個人の感想です。
たびたび「ニーハオ!!」と執拗に声を掛けられることもあったけど、そこまでしつこい人はおらず、宿のスタッフや店の店員さんなどは皆とても親切だったことがとても好印象でした。
このモロッコに対する印象は、別の街でガラリと覆ることになるのですが、、それはまた後日。
モロッコの一大観光都市マラケシュ、独特の雰囲気があって大変素敵な街でした!
次回は、マラケシュから1泊2日で近郊の世界遺産の街に行ってみたいと思います。
本日も、お読みいただきありがとうございました!
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