【続インド⑦】オーランガバードからアジャンター石窟群へ

世界一周日記
スポンサーリンク

《2023.10.21‐22》

3泊したアーメダバードから、更に南の“オーランガバード(アウランガバード)”に移動していきます。

今回も夜行バスを利用。
乗車時間は14時間半ほどです。
相変わらずシートは快適そのものでしたが、揺れが大きく、到着する頃には天井に飾り付けられた風船が通路に散らばってました。バスの中に風船飾ろうなんて思うのがそもそもの間違い…

バスは予定通りの時刻にオーランガバードの町に到着。インドのバスは列車より時間の遅れが少ない印象です。
オーランガバードでは駅前に格安の個室を見つけたので喜んでチェックインしたのですが、ゴキブリは出るわ、ベッドの上に履き古した男物の下着置いてあるわ、シャワーは全く出ないわ…なぜこの状況を改善しようとしないのかがもはや意味不明でした。

さて、オーランガバード到着の翌日は、朝から遠出です。
向かうのは、“アジャンター石窟群”
世界遺産マニアなら必ずやその名前を聞いたことがあるであろう、激アツ遺跡です。

以下、アジャンター石窟群の説明を少々…

アジャンター石窟群

断崖をくり抜いて作られた、大小30の石窟からなる仏教石窟寺院群。紀元前2世紀前後には開窟され、いったん放棄された後、3~5世紀に大乗仏教が普及するに伴って、再度開窟。この時に多くの彫刻や絵画が作成された。
しかし、7~8世紀頃に戦乱の為か放棄されてしまい、密林の中に埋もれ、人々に忘れ去られることになる。
転機は1819年。マドラス(現チェンナイ)駐屯のイギリス人士官ジョン・スミスが、狩りに出かけて虎に襲われワゴーラ渓谷へと逃げ込み、断崖に造られた石窟群を発見。
放棄されてから約1000年の時が経過していた。

“狩りに出かけたジョンが虎に襲われ、洞窟で驚くべきものを発見!”ってまるで昔話みたいなストーリーですね。いや、昔の話なんだから“みたい”じゃなくて本当に昔話なわけですが…。
なにはともあれ、発見のきっかけとなった虎とジョン、グッジョブです。

アジャンター石窟寺院は、オーランガバードから100Kmほど離れており、バスで行くと3時間くらいかかります。
その為、金持ち観光客の皆さんはタクシーをチャーターしたり観光ツアーに申し込んで足を運ぶようですが、私の選択肢はもちろんローカルバス一択です。

バスは、Central Bus Stand Aurangabadから出ています。
Googleマップで検索すれば簡単にたどり着くことが出来ます。
私が泊まっていた駅前のホテルからBus Standまでは、ウーバーでトゥクトゥクを呼んで50ルピーでした。

こちらのローカル周漂う場所が、セントラルバススタンドです。

建物に入るや否や、私が何も聞かずともその辺にいるインド人たちが、「エローラならあっち、アジャンターならこっちだよ!」と教えてくれました。
この場所に来るほとんどの外国人がエローラ遺跡かアジャンター石窟に行くということを、彼らは知っているのです。
念のため運転手にも行き先を確認し、バスに乗車。
バススタンドに着いて1分後にはすでに座席に着席しているという大変スムーズな展開です。

ところで、オーランガバードからアジャンターやエローラへの行き方については多くの人がブログ記事をあげており、“往復で運航するツーリストバスがある”とか“乗り場はセントラルバススタンドだ”とか“いや、違う別の場所だ”とか“いや、効率よく回るなら貸し切りタクシー一択だ”とか、情報が交錯しすぎてて若干混乱しました。
しかし、いざバスに乗ってみると、その工程はとてもシンプルで何も悩む必要はありませんでした。
アジャンターもエローラもバスは頻発しています。

どうやって行ったらいいんだろう?と困っている方、何も深く考えずCentral Bus Standに行き、「アジャンター?」と聞いてみてください。
一発解決します。

チケットを見てもさっぱりなんのこっちゃわかりませんが、料金は片道85ルピーでした。
3時間も乗って150円くらいとは、随分格安。
料金係のおじさんが、ハーフプライスだとかなんとか言っていて、本来は160ルピーくらいするようです。なぜハーフプライスなのかはよく分かりませんが、ラッキー✌

バスは3時間弱でアジャンター石窟群の駐車場の前に着きました。
私の時は運転手が気にしてくれて「アジャンターに行くだろ?ここで降りな!」とバスを止めてくれましたが、ここは本来バス停ではないようなので、降りそびれないように注意が必要です。

駐車場の横にあるチケットオフィスで、入域料なるものを支払わされました。15ルピー。

駐車場を抜けたところには売店が並んでいます。

見学の前に腹ごしらえ。
大きなパコラ(天ぷら)が売っていたので、何の天ぷらかと思って買ってみたらパンの天ぷらでした。
お値段35ルピー。なかなか好きな味。若干観光地価格ですが、全然許容範囲内です。

売店を抜けて少し歩くと、遺跡に行くシャトルバス乗り場の看板が見えてきます。
遺跡までは徒歩で行くのは禁止というわけではなさそうですが、4kmほど距離があるため、皆駐車場からはこのシャトルバスで行き来行き来しているようです。

シャトルバス代30ルピー。
エアコンなしバスなら25ルピーのようですが、エアコンありorなしどちらのバスが来るかは運次第です。

バスで揺られること数分、ようやくアジャンター石窟群の入場ゲートに到着です。
時刻は午前11時。早朝に出た甲斐あり、午前中に着くことができました。

入場料 外国人600ルピー、インドとその周辺国の人40ルピー。
これは事前に把握していたので、今更文句は言いません。

購入完了!さっそく中に入っていきましょう!ワクワク。

広場的な場所を抜けて上り坂を登ると、岩の斜面に並んだ石窟群が見えてきます。

おぉー、これがアジャンター石窟群か。

それぞれの石窟には番号が付いており、一番手前側が第1窟、奥に行けば行くほどその番号は大きくなります。

段差の多い遺跡はお年寄りや体力の無い人には厳しいので、料金を払えばサポートも受けられるようです。

…が、乗せられるのはこの椅子です。
なんじゃこの貧乏なマハラジャみたいな移動具は。
落っこちて逆に体にダメージ負うとか、インドなら十分にあり得る話です。

どの石窟も、中は土足厳禁。
脱ぎやすいサンダルで来て大正解でした。

以下、第一窟から順に、ハイライトを写真と共にご紹介いたします。

石窟内はどこも、壁画の状態維持の為照明がおとされています。
しょっぱなですが、第一窟はこの石窟群の最大の見どころの一つとされています。
本堂を挟んで左右に壁画があるのがお分かりいただけるでしょうか。

本堂に向かって左は、有名な“蓮華手菩薩”。
他の国の仏教絵画にまで多大な影響を与え、かの法隆寺の壁画のモデルにもなったとか。その時代に誰がどう海を渡って仏教美術を日本に伝えたのか気になるところです。
写真も無い時代ですから、優れた絵の技術やら海を渡る度胸やら強靭な肉体やら全て兼ね備えた人がいたということでしょうか。

左側の壁画にばかり注目が集まっていますが、この壁画は対になっており、右側には執金剛菩薩といわれる菩薩が描かれています。
こちらには誰も見物客がいないけど、こちらも人を引き付ける魅力を放っています。
左右で肌の色が違うのが何とも印象的です。

第一窟には他にも保存状態の良い壁画が四方八方に数多く残されています。
全部の壁画にはそれぞれストーリーがあり、それを熟読しながら見学していたらこの部屋だけで30分以上が経過してしまいました。

続く第二窟にも、保存状態の良い壁画や天井画が多数。
これが約1600年前のものだとは俄かには信じられません。

第6窟。
中に階段があり、二階建てになっています。
忘れてはいけないのは、この石窟群が全て崖を手作業で掘って作られたということです
。重機も無い時代に、手で岩を掘って2階建ての建物作るとか、たぶん便利さを知ってしまった現代人には出来ない作業でしょう。

第9窟。前期(紀元前1世紀)に作られたものだそうです。
まだ仏像というものの無い時代、人々はこのストゥーパを信仰の核にしていたようです。
それにしても、このストゥーパやこの部屋自体が2000年以上も前に掘り出されたものだとは。

第10窟。
ここの見どころは、この遺跡を発見したジョンスミスが、発見時に興奮しすぎて書いちゃった落書き(自分の名前と日付)です。

写真じゃなんのこっちゃ分かりませんが、肉眼で見ると、鋭利なもので削ってかいたようなかすかな文字が見えます。
遺跡に落書きとはとんでもない不届き者に思われるかもしれませんが、誰もそこにあることを知らない遺跡を自分が1000年越しで偶然発見したとしたら、名前の一つも刻みたくなるのは当然な気がします。
私ならもっと書くわたぶん。
そして今や、その落書きも、“1000年の眠りを破った記録”として遺跡の一部になっているんだと思います。
城の城壁とかに書いてある『I love 〇〇』みたいなアホな落書きとは訳が違うのです。

第11窟。天井画が見事です。

第16窟。

仏像と言えばあぐらをかいているイメージですが、椅子に座っている姿勢は中々珍しいのでは。

第17窟

第19窟。

第24窟。
開窟途中で放棄されてしまったようです。
ここ以外にも未完の石窟は多数あります。

最後のハイライト、第26窟。
ここの見どころは彫刻です。

くどいようですが、これ全て崖を手作業で掘って作られた空間と彫刻です。

すごいとしか言いようがありません。

僅かに残る壁画。この彫刻に一面壁画が施された空間は、どんなに人を魅了したことでしょう。
ぜひ一目見てみたかったです。

横たわる未完の涅槃物。
この石窟群が、最後どのように放棄されたのか。なんでこんなにも多くの人の熱意と労力を費やした場所から人が消えてしまったのか…その真実を知っているのは今となってはこの仏像たちだけです。
一体なにがあったのか教えて欲しい気もしますが、そんなオカルト現象のようなことは起こり得ないのでどうぞ今後も安らかに横たわって未来永劫人々を見守って欲しいと思います。

第26窟以降は状態が良くないらしく、立ち入り禁止となっている為、これにて見学は終了です。
この後多くの人は石窟群全体が見渡せる展望台へと足を運ぶようですが、私は今一度全ての石窟を見学し直しました。あまりにも素晴らしかったので、もう一度目に焼き付けたくて。

そんなこんなで全てを見終わった時には到着から4時間が経過していましたので、展望台には行かずに退散することとなりました。

来た時と同じくシャトルバスに乗り、駐車場の横の売店でドーサを食べて一息。

さて、ここからは来た道をたどり、オーランガーバードに戻ります。

駐車場では、外国人をカモにするタクシードライバーが待ち構えており、「今日のオーランガバード行きのバスはもう終わったよ。タクシーじゃないと帰れないよ。」などと絡んできました。
完全シカトしたところ彼はムキになり、「本当にバスは来ないぞ!?いいんだな?!困っても知らんぞ!!!」と騒ぎ立てていましたが、ちょうどその時オーランガバード行きのバスが通りかかり、すんなり乗せてもらうことが出来ました。

窓の外で小さく遠ざかっていく彼。ざまぁ見ろべろべろばー。
ちなみに、帰りは“近くのファルダプールという町まで行かないとバス停が無い”という情報もあったのですが、来た時に降りたところの反対側の車線で待っていたら通りすがったバスにあっさり乗せてもらえました。試してみる価値ありです。

帰りも、来た時と同じ85ルピー。
オーランガ―バードに着くころには、とっぷりと日が暮れていました。

オーランガバード到着後は、ビールで乾杯!
あ、一人なので誰とも乾杯はしてないですけども…。

暑い遺跡を一日歩き回り、素晴らしい遺跡に大興奮した後に飲むビールは、そりゃもう格別でございました。

いきおい止まらず、大瓶2本目。
つまみにタンドリーチキンも頼んじゃったりなんかして。

キングフィッシャー大瓶1本あたり270ルピー。(×2)
タンドリーチキン220ルピー。
計760ルピー(1400円くらい)

オーランガバードは今までの町に比べると比較的お酒を出す店も多く、飲みやすい雰囲気でした。
特にこの店は料理の味も美味しく、これ以降毎日通いました。

以上、アジャンター日記はこれにて終了です。

明日は、オーランガバードから行けるもう一つの激アツ世界遺産“エローラ石窟寺院”に行ってみたいと思います。

当ブログは、にほんブログ村のランキングに参加しています。
↓のバナーをクリックして、皆様の一票をぜひよろしくお願いいたします。

にほんブログ村 旅行ブログ 世界一周へ


コメント

タイトルとURLをコピーしました