《2024.3.24》
ルクソール観光2日目。
本日は、ナイル川の西側にある、『死者の町』を観光していきたいと思います。
さっそく行ってみましょう!
公共フェリーでナイル川西岸へ
ナイル川の東側から、死者の町があるナイル川の西側に向かうにはタクシーなどで橋を渡るか、フェリーを利用する方法があります。
私の選択肢はフェリー一択。
なぜならその方が各段に安いからです。
ナイル川沿いを歩いていると、無数の客引きに声を掛けられますが、これらのほとんどは観光客向けのものです。
中には甘い値段で客をおびき寄せて、乗船中に川の途中で高額な料金を吹っかけ、「払わなければ川に落とす」と脅すような輩もいるのだとか。
そんな目には遭いたくないので、私は公共フェリー乗り場を目指します。
公共フェリーの乗り場は、↑の場所にあります。

こちらがその乗り場。

事前に片道10ポンド(30円くらい)らしいとの情報を掴んでいたので10ポンド札を出したところ、2.5ポンドのお釣りをもらえました。
つまり、乗船賃は7.5ポンド。
こちらがよく分かっていないのにも関わらず丁寧に細かいお釣りをくれるなんて、エジプト人も一括りにできないものです。
フェリーは数分で対岸へと到着。
自転車をレンタル
フェリーの中でタクシーの客引きに声を掛けられたのですが、「自転車で回りたいから…」と断ったところ「なら俺の知り合いの店に連れてくよ!!!」という流れに。
もともと自転車屋には当てが無かったため、とりあえず値段だけでも聞きにいってみることにしました。

こちらがその店。
フェリーを降りた辺りにはいくつかこんなような店があったので、自転車屋探しには困らなそうです。
Googleマップでも、“Bicycle Rental”など検索するといくつか出てきます。

しょぼいママチャリでも出されるんじゃないかと思っていたら、20段階も変速の付いたイタリア製のガチマウンテンバイクが登場しました。
値段は、最初300ポンドだったものの値段交渉をするとあっさり200ポンド(600円くらい)に値下がり。
鍵も貸してくれるし、返却は夜までに適当に返してくればOKとのことで、そのままレンタルすることにしました。

市街地を抜けるまでは、車が横を通るたびに前が見えないほどの砂埃に襲われ肺がおかしくなるんじゃないかと思いましたが、少し走るとすぐに周囲は見渡す限りへの荒野へと変わります。
まず向かうのは、死者の町の中でも一番の人気観光スポットである『王家の谷』です。
王家の谷に向かう道は、視覚的には分からないくらいの緩やかな登りになっています。
これが地味にキツい・・・。
私が行った3月は気温がまだ25度前後と快適だったにも関わらず、気付けば汗だく。
真夏は気温が40度近くなることもあるようなので、季節によっては自転車での移動は死に物狂いになるでしょう。
王家の谷
自転車をこぎ続けること30分余りで、無事最初の目的地『王家の谷』に到着いたしました。

駐車場の一角には2輪車がたくさん停まっている場所があり、自転車も無事に止めることが出来ました。
王家の谷とは…
さて、いざ入場する前に、“王家の谷って何?”ということについて少し触れておきたいと思います。
王家の谷は、エジプトのルクソール(古代の首都テーベ)ナイル川西岸にある、新王国時代(紀元前16世紀〜前11世紀)の歴代ファラオたちの岩窟墓群。盗掘を防ぐ目的で岩山に穴を掘って造られ、ツタンカーメン王墓をはじめ65もの墓が発見されている世界遺産。
新王国時代とは、ピラミッドが建設された頃よりも後の、古代エジプトが一番ノリに乗っていた時代です。
新王国時代の王たちは自らの墓を人里離れた谷間に掘り、さらに入り口を土砂で埋めて隠して盗掘を防ごうとしたのだそう。
宇宙からも見えるほど目立ちまくりのピラミッドとは、えらい違いです。
それでもその墓の多くは盗掘の被害に遭ってしまったのですが、墓の構造自体や鮮やかな壁画は今日に至るまで残され、一部の墓は一般公開もされています。
入場料
さて、早速入場していきます。

チケット売り場に続く道には、ずらっとお土産屋さんが。
当然観光地価格なので、目もくれず通り過ぎます。

こちらが、ビジターセンター的な建物。
チケットカウンターもこの中にあります。

おや、日本の国旗。
日本は王家の谷の発掘や整備に協力しているのだそうです。

それ故に、一部の展示は日本語。
なんだかちょっぴり誇らしい気持ちになります。

上の写真はチケットの料金表です。
王家の谷は、基本のチケットで3つの好きなお墓に入場できる仕組みになっています。
基本のチケットは大人1枚600ポンド。(約1800円)
※私が行った時の値段です。価格は常に変動するため、行かれる方は公式サイトをご確認ください。
“好きなお墓”という表現に若干の違和感を覚えますが、王家の谷では常時10基ほどの墓が一般公開されていて、その中から3つを自分で選べるようになっているのです。

↑が、私が行った際に公開されていた墓の一覧。
上の四角の枠中に記載されている墓の中から3つ選んで入場します。
下の“EXTRA TICKET”と書かれている枠内は、追加料金を支払う事で入場が可能な墓です。
私が行った時に公開されていたのは以下の3つ。
セティ1世 1800ポンド(約5600円)
ツタンカーメン 500ポンド(約1500円)
ラムセス5世&6世 180ポンド(約560円)
・・・セティ1世の墓、高っ!!!!
セティ1世は、古代エジプトで最もイケイケのファラオだったラムセス2世のお父さんだそうです。
さぞかし見ごたえがあるのでしょうが、5000円越えは検討の余地もありません。
かの有名なツタンカーメンの墓には、ご本人のミイラが安置されているのだそうでぜひ見たいのですが、大変狭くて一瞬で見終わるという口コミも多いので、こちらもパス。
でも、何も追加しないのも味気ないので、一番リーズナブルなラムセス5世&6世の墓でも追加しておきましょう。(←ファラオに失礼)
チケット売り場にて希望のチケットを伝えたところ、窓口のおじさんが話しかけてきました。
おじさん:「もう入る墓は決まっているのかい?もしまだなら、ラムセス9世の墓は人気だから入った方がいいよ!」
わたし:「OK、ありがとう!そうするね!じゃ!」
おじさん:「あ、ちょっと待って!」
わたし:「何?」
おじさん:「俺にチップ払うの忘れてるよ!」
・・・忘れてねーよ。
人気の墓を一言おしえるくらいは、チケット窓口の職員の業務範囲内でしょうよ。
なんでそれくらいでチップ貰えると思ってんのよ。

何はともあれ、無事チケットゲット。
600ポンドの基本チケットと、ラムセス5世&6世の墓の追加入場券180ポンドで、計780ポンド(約2400円)です。
ちなみに、チケットは公式サイトでも購入できるようです。
私が行った時はガラガラだったので何の問題もありませんでしたが、繁忙期はチケット売り場が長蛇の列になることもあるようなので事前購入が良いのかも。
いざ入場
入場ゲートを抜けると、綺麗に舗装された道にカートが待機しています。
カートは片道20ポンド。

ほとんど誰も歩いていないので、カートに乗らなくてはいけないような気になりますが、墓群までは歩いても数分程度なのでもちろん歩きます。

王家の谷の全体図。
かなり広く見えますが、一般公開されている墓はもちろん歩いて回ることが出来ます。
それでは早速行ってみましょう!
ラムセス4世の墓
まず初めに入ったのは、ラムセス4世の墓。

こちらが見取り図。
細長い構造のようです。

入り口からの通路。
両サイドにはびっしりとカラフルなヒエログリフが書かれています。
色合いも可愛く、“部屋の壁紙こんなんだったらかわいいかも”とか思いましたが、おそらく書かれているのは日本でいうお経のようなものです。

奥に進んでいくと、いかにも意味のありそうな壁画が現れます。
意味はさっぱりわかりませんが、“死後の世界の攻略法”みたいなことが描かれているらしいです。

棺らしきものがあるここが、玄室でしょうか。

壁画の鮮やかな色使いが印象的です。
3000年以上もの時を経てこれだけの色が残っているのは驚き。

最深部は閉ざされていて、公開されておりませんでした。
ラムセス9世の墓
次に来たのは、ラムセス9世の墓。
チケット売り場のおじさんの言う事が本当なら、基本チケットで入れる墓の中ではここが一番人気らしいです。

見取り図はさっきとほぼ同じ。

入り口からの通路もさっきとほぼ同じかんじ。

壁画もさっきと似ている気もしますが、幾分鮮やかではっきりとしたデザインが多い気がします。
意味の解説等は一切ないので、イマジネーションだけを頼りに眺めます。

甦る為の面接的な・・・?

永遠の命を手に入れます的な・・・?

天井にも人がびっしり。

玄室は、残念ながら行き止まりになっていて見ることが出来ませんでした。
他の人のブログを見ると普通に入れているようだったので、この時だけだったのかもしれません。
しかし立ち入り禁止の柵の中では、墓のスタッフと思われるエジプト人と欧米人観光客のおじさんが写真撮影をしていました。
チップをたんまり貰うつもりで誘い入れたのでしょう。
あるいは、このスタッフがチップ欲しさに立ち入り禁止の柵を打ち付けたのかもしれません。
どうか、この強欲なスタッフがファラオの呪いで裁かれることを祈ります。
メルエンプタハの墓
続いてやってきたのは、メルエンプタハの墓。

見取り図は、他の墓にも増して細長いかんじ。

この墓は、先に入った2つの墓と比較すると色彩が落ち着いている(というか地味)な印象です。
メルエンプタハとは、かの有名なイケイケファラオであるラムセス2世の息子だそう。
父があまりに目立ちたがり屋だと息子は控えめな性格になるものなのでしょうか。(壁画などのデザインは、ある程度王自身が決めていたらしい。)
この地には洪水も多かったそうなので、その被害で色が剥げてしまったのもあると思います。

整列する神様たち。

玄室には人型の棺がありました。
上の写真の左側に写っている墓のスタッフらしきおじさんは、「ここから特別に写真をとってあげるよ!カメラカメラ!」と騒ぎ続けていましたが、チップを要求されることは明らかなので誰も相手にせず。
墓なんだから、もう少し厳かにしていただきたいものです。
ラムセス5世と6世の墓
最後は、追加でチケットを購入したラムセス5世&6世の墓に入っていきたいと思います。
なぜこの墓だけ2人のファラオの名前が入っているのかというと、5世が作り始めた墓を6世が乗っ取ったかららしいです。
5世と6世は、甥と叔父の関係だったそう。

こちらの墓も大変長いです。

墓も4つ目ともなると、入口からの通路はもはや全部同じに見えます。

しかし、進んでいくとその色彩に目を奪われます。
なるほど、これは追加料金を取るのも納得の美しさです。

柱の細部に至るまで、この鮮やかさ。
これが3000年以上前に描かれ、そして今日までこんなにきれいに残っているなんて本当に奇跡です。

ヒエログリフびっしりの壁面。
再生復活のためのマニュアル的なことが書かれているのでしょう。
なんとしても永遠の命を手に入れようとする王の執念が感じられる気がします。

こちらが玄室。
正面の見えるのは、ラムセス6世の棺のレプリカだそうです。

この玄室の鮮やかさときたら、半端ではありません。
壁面の絵の一つひとつが本当に美しく、ずっと見入ってしまいます。
当時これを描いた人たちは、電気もない真っ暗な部屋の中でどうやってこんなにも鮮やかな色彩を使い分けることが出来たのでしょう。

玄室で特に存在感を放っているのが、この天井画。
これは、『昼の書』と『夜の書』というのだそうです。
とんでもなく胴体の長い女性が大勢の人を包み込んでいますが、これは天空の女神ヌト神だそうです。
あまりにもじっくり見入りすぎて、玄室に30分程も滞在してしまいました。
人様の墓に、こんなに長居してしまうなんて。
ラムセス5世&6世の墓は、追加のチケットが必要だからか大変空いていて、とても落ち着いて鑑賞することができました。

ちなみに、墓の中にはねずみがチョロチョロしていました。
東京のドブネズミみたいないかつい奴ではなく、ハムスターみたいなかわいいやつです。

以上で、王家の谷の見学は終了!
思っていた以上に壁画が美しく、大変見ごたえがありました。
計4つの墓の見学にかかった時間は、約2時間でした。(たぶん他の人はもっと短い)
ハトシェプスト葬祭殿
王家の谷の近くには、死者の町のもう一つの見どころであるハトシェプスト女王葬祭殿があります。
ハトシェプスト女王は、男中心社会の古代エジプトでファラオの座に就いた、カリスマ的存在です。
行くか迷ったものの、今回は見送り。
なぜなら、ハトシェプスト女王葬祭殿は、女性ファラオの存在を良く思わなかった後のファラオたちによってひどく破壊されたり、石材が持ちされたりと災難に見舞われ、現在残っているのはそのほとんどが復元だからです。

というわけで、畑の向こうからしばらく眺めただけでハトシェプスト女王葬祭殿は終了。

畑の中を自転車で走るのは、大変気持ちが良かったです。
メムノンの巨像
最後にやってきたのは、メムノンの巨象。

畑を抜けるとドーンと見えてくるのが、この2体の巨象です。
入場料などは無く、気軽に立ち寄ることができます。
これは、紀元前1800年ごろに建てられたアメンホテプ3世の葬祭殿の入口にあったものだそうですが、葬祭殿自体は今や跡形もありません。
古代エジプト時代にはこの一帯にたくさんの葬祭殿が建てられたのだそうで、その時代の面影をかすかに感じされてくれました。
おわりに
メムノンの巨象を見た後は、レンタル自転車を返却して公共フェリーでナイル川を渡ります。

公共フェリーは来た時と同じ、7.5ポンドでした。
死者の町観光、サクッとではありましたが大変興味深く見て回ることができました。
王家の谷では、古代エジプトの遺跡の中でもまた他とは違った独特な世界観が感じられたし、異国の地を自転車で走るのも、わくわくして楽しかったです。(夏場はおすすめしませんが)
観光客が思いのほか少なく落ち着いて見て回れたのですが、これはおそらくラマダン中だったのが大きな理由だと思われます。
時期的にも涼しく、とてもいいタイミングで来れたと思います。
ルクソールに行ったら、カルナック神殿やルクソール神殿だけでは終わらず死者の町にも足を運ぶことを、強くおすすめいたします。

一日中観光を楽しんだ後は、たまたまエジプトに旅行に来ていた知り合いの方にご飯をご馳走になりました。
エジプト名物の鳩の丸焼きを初めて食べましたが、肉の味が濃厚でものすごく美味でした。
ルクソールではこの他にも街をぶらついたりミイラの博物館に行ったりしたのですが、大して文章にまとめるような出来事は無かったため割愛。
次回は、カイロに戻って、あの有名なエジプト考古学博物館に足を運んでみたいと思います。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
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