《2023.12.20》
アテネ観光2日目。
今日は、前日ストライキにより閉鎖していたアクロポリスに行ってみたいと思います。
チケットは、11月から3月の冬期の割引があり10ユーロでした。
それ以外の時期は20ユーロなので、なんと半額です。
ほんと、冬にギリシャに来てよかったです。
・・・・・
さて、アクロポリスとは本来「高いところの町」という意味があるそうで、その名前の通り、神殿などの建築群は高い丘の上に集まっています。
丘の上に見えているのはパルテノン神殿かな?わくわく。
周辺には、神殿だけでなく円形劇場なども残っています。
今でもここでコンサートが行われたりするそうです。
丘を登ると、巨大な建造物群が見えてきます。
こちらは、ナイキの名前の元になったことで有名な、勝利の女神ニケを祀ったニケ神殿。
古代ギリシャの人たちは、勝利がこの地から逃げてしまわないように、この神殿に祀られていた女神像の翼を切り落としたんだそうです。
女神さまになんてことをしているのでしょうか。
そのせいだとは思いませんが、アクロポリスはその後波乱の歴史をたどることになります。
こちらはエレクティオン神殿。
女神の形の柱は全てレプリカで、オリジナルは博物館に収蔵されているとのこと。
後ほど見に行ってみたいと思います。
そして、、、ついに!!!
パルテノン神殿!!
他の建築物とは比べ物にならないほど巨大です。
この神殿は、紀元前5世紀頃にギリシャ神話の女神アテナを祀るために作られたそうです。
その後、歴史の移り変わり共に6世紀からは教会として使用され、さらに15世紀にはこの地を支配したオスマン帝国によってモスクとして使用されました。
周辺国との攻防戦が激しくなると、オスマン帝国はパルテノン神殿を火薬庫として使用。
そして、17世紀にはこの地に攻め入ったヴェネチア軍の砲弾が神殿に直撃して、中の火薬が大爆発。
この時パルテノン神殿は原型をとどめないほどの損傷を負ったそうです。
紀元前からこの地のシンボルとなってきた建物が、他国同士の戦争に巻き込まれて破壊されてしまうなんて、ギリシャの人にとっては遺憾の極みだったことでしょう。
さらには、爆発で損傷を受けたパルテノン神殿を訪れたイギリス人の外交官が、残骸の中から状態の良い彫刻などを根こそぎ自国に持ち帰ってしまうという、ギリシャの人にとっては泣きっ面に蜂的な出来事まで起きました。
この時持ち出された彫刻は、現在ロンドンの大英博物館に保管されています。
そんな、波乱万丈すぎる歴史をたどってきたパルテノン神殿は、現在も修復作業が進行しています。
神殿の周辺には今も無数に大理石の破片が散らばっているのですが、それらが元々どの部分であったのかを検証し、つなぎ合わせていくという途方もない作業が行われているのです。
上の写真を見ると、真っ白い大理石と茶色い大理石がマーブル状になっているのがお分かりいただけるでしょうか。
白い部分は修復のために継ぎ足された新しい大理石です。
写真ではよく分からないですが、“こんな小さな破片がこの部分のものだってことがどうやって分かったんだろう”と不思議なほど、オリジナルの破片が完璧に組み合わされています。
屋根部分には、微妙に彫刻が残っているのが見えます。
これ以外のイギリスの伯爵によるお持ち帰りを免れた彫刻達は、アクロポリス博物館に収蔵されているそうなので、そちらにも行ってみようと思います。
というわけで、アクロポリス博物館に移動してきました。
入場料は冬季割引により10ユーロ。それ以外の時期は15ユーロです。
中はめちゃくちゃ立派で広々。
事件性を感じる像。なぜこうなったのでしょう。
なにやら胡散臭い表情の古代ギリシャ彫刻たち。
うっすら色が残っているのが分かりますでしょうか。
古代ギリシャ彫刻というと真っ白な大理石のイメージがありますが、本来は着色されたものも多かったそうです。
それがなぜ今は真っ白な状態のものが多いのかというと、時間の経過によって色が剥げたり、ギリシャから彫刻を持ち帰ったイギリスが自国の好みに合わせて色を落としたりしたからだとか…。
こちらは、先ほどアクロポリスで見たエレクティオン神殿のオリジナルの女神の柱です。
紀元前5世紀のものだそうですが、衣服のひだなども大変リアルで美しいです。
本来は6体のはずの女神ですが、ここには5体。
残りの1体はどこに行ったのかというと、イギリスにあります。
こちらは、4階のパルテノンギャラリー。
パルテノン神殿を飾っていた彫刻達が、実物と同じ配置で並べられています。
やけに真っ白な部分が多いことにお気づきでしょうか。
このパルテノンギャラリーに展示されている彫刻の多くはレプリカです。
では、実物はどこにあるのかというと、件の外交官が持ち帰ってしまったために現在はイギリスの大英博物館に保管されています。
上の写真の彫刻の茶色い部分はオリジナル、白い部分はレプリカです。
人の頭のごく一部だけがオリジナルなのがお分かりいただけるでしょうか。
瓦礫の中から出てきた小さな大理石の破片をこの彫刻と照合させた発掘チーム、神業です。
ギリシャは現在、イギリスに対して、彫刻の返還を要求しているそうです。
しかしイギリスは、“当時ギリシャを支配していたオスマン帝国に許可を取った上で持ち出したものなので、必ずしも返還の必要はない”という主張のようです。
オスマン帝国に許可はとったといっても、オスマン帝国もこの土地を占領していただけの立場なので
ギリシャが独立した現代にそんな主張をするのも何だかなぁ…という気もするのですが、世論的にはどうなんでしょう。
両国が納得できる方法で、問題が解決されることを願うばかりです。
・・・・・
博物館の後は、アクロポリスの隣にあるアレオパゴスの丘に登ってみました。
低い丘なので、簡単に登れます。
夕方のアテネの街もまた絶景。
ライトアップされたアクロポリスが大変綺麗でした。
夜は、ギロピタとビール。
ギロピタ3.5ユーロ、ビール1杯3.5ユーロです。
ギリシャではお店で飲むビールは決して安くはありませんが、遺跡を見た日はビールを飲むというマイルールがあるので、それに従っていただきます。
アクロポリスも博物館も、大変見ごたえがあり充実の一日でした!
次回は、ギリシャを離れ隣国アルバニアへと移動していきたいと思います。
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