《2023.9.24》
トレッキング6日目、ナムチェの朝です。
部屋のカーテンを開けると、綺麗な雪山が見えました。
トレッキングをはじめてから雪山が見えたのは、実はこれが初めてです。
本当はもっと手前の集落からでも見えるはずなのですが、時期の問題なのかたまたまなのか、これまでは晴れの日も山の上には雲が掛かっていて一度も見えなかったのです。
朝御飯 シェルパシチュー 500NPR。
今日は2泊したナムチェを出発して標高を上げていきます。
標高はすでに3000m半ばですが、高山病の症状はまだ出ておりません。
風邪などの症状も無く、体調はすこぶる元気です。
少しあった筋肉痛も、順応日にダラダラ過ごしたおかげですっかり消えました。
結果オーライです。
本日目指すのはテンボチェ(Tengboche)3867mですが、時間と余力次第ではその先まで行こうかなぁという感じです。
写真の矢印のところに見える道を歩いていきます。
ナムチェを出てすぐは、景色の良い平坦な道が続きます。
途中、分かれ道あり。
左に進むとゴーキョピーク、右に進むとエベレストBCです。
その先には小さな集落があり、神々しい犬が迎えてくれました。
水を汲んでいると子どもたちが集まってきます。
写真撮ってほしがるから撮ったのに、ぎこちなさが半端ありません。
チェックポイントもあり。
ここで先日購入したTREKカードを提示します。
その後は、どこまでも続く長い上りが始まります。
ナムチェ手前にあった上り坂もきつかったですが、標高が上っている分酸素が薄く息が切れやすいので、体感的にはこちらの方がきついかもしれません。
先日のガイドさんにまたしても遭遇し、「ビスターレ、ビスターレ。(ゆっくりゆっくり)」と声を掛けてもらいました。
息が切れないようゆっくりゆっくり。
3時間弱かかって上り坂をのぼりきると、急にチベット仏教のストゥーパが見えました。
テンボチェ(Tengboche)に到着です。
テンボチェはとても宗教色が濃い集落です。
集落の入り口には“ここは神聖な場所だから騒ぐな”的なことが書かれた看板が立っていました。
天気の悪さも相まって、なんだか不気味な雰囲気です。
まだ13時過ぎですし、“なんだかここには泊まりたくない”という気がしたので先に進みます。
テンボチェを超えると、道は一気に下りに転じます。
せっかく上ったのに下るのは、大変癪です。
時に、『人生山あり谷あり』という言葉は“人生良いことも悪いこともあるもんだ”という意味で使われることが多いですが、実際の山登りは上りも下りもどちらもつらいです。
下りは一見楽そうですが、滑って転びそうになるので怖いし足がパンパンになります。山も谷もどちらもつらいとなると人生はつらいことの連続ということになってしまいますが、どうなのでしょうか。
人生を山に例えるなら、その頂上はどこにあるのでしょうか。
実際の山登りは、一歩一歩歩いて行くことで着実にゴールへの距離が縮まるので、モチベーションの維持は難しくありません。
でも人生は、頂上がどこなのかも、自分がどこにいるのかさえも分からなくなる時があります。
日本出国前の私がまさにそんな状態でした。
“仕事は楽しいけど、このままで良いのかよく分からない。周りはみんな結婚して子持ち。そんな友達がキラキラして見えて焦って婚活アプリ使い倒し、知らない男性たちとのやり取りに疲れ果てて、なんかもうどうでもいーや…”
そんな状態から一旦抜け出したくて世界放浪の旅に出た今の私は、山登りに例えるなら『山小屋で休憩中』といったところでしょうか。たっぷりダルバートでも食べてから、また山登り(日本の社会)に戻りたいと思います。いや、戻れるかな…
随分話が逸れまして申し訳ありません💦
話をトレッキングに戻します。
たっぷりと下り坂を下った後は、毒リンゴを持ったおばあさんでも出そうな林を抜け、チベット仏教の経典が書かれた石板が並ぶ道を通ります。
なぜか人っ子一人すれ違わないので、大変気味が悪いです。
無心で歩き続け、つり橋を渡って、少し上っていくと、パンボチェ(Pangboche)3901mに到着。
時間も15時を回ったので、本日はこちらの集落に泊まることにします。
段々畑が広がる気持ちの良いところで、宿もたくさんあります。
芋の収穫が行われています。
このパンボチェはなぜかエベレスト街道の中で一番電波が良かったです。
私はネパールの大手携帯会社NcellのSIMカードを使っていたのですが、これまでは微妙に繋がったり繋がらなかったりしていた電波が、ここではバリバリの4Gです。
チェックインしたのはHotel Juniper。
ダブルの部屋が500NPR、Wi-Fi無料、枕元充電ありで使い放題という中々好条件のお宿でした。
ホットシャワーは500NPRだったので使う気はなかったのですが、お願いしていないのにも関わらずなぜか宿のおばちゃんがお湯を準備してくれてしまいました。
「やっと沸いたよー!」と大きなバケツに並々のお湯を嬉しそうに見せてくるおばちゃんを無下に出来ず、仕方なく500NPR払って体と頭を洗いました。おかげでさっぱりです。
そしてこちら、オープンしたばかりの宿なのか、ベッドもシーツも真新しくて大変綺麗でした。
山では洗濯機が無く手洗いだったり、物資が限られている都合上、山小屋の布団は見るからに汚れているということが多々あります。
一般家庭においてはそれ以上のようで、かなり年季の入ったものが道沿いに干されているのを度々見かけます。
これは、山の環境を思うと当然のことであり、トレッキングに行く以上そういう環境には慣れる必要があるのですが、それでも久しぶりのパリッとした真っ白いシーツは大変気持ちが良かったです。
夜御飯 ダルバート 600NPR。この標高にしては優しい値段です。
おばちゃんは英語がほぼ通じないものの、サービスで温かいお茶を何杯も入れてくれて大変居心地の良い宿でした。
長くなってきたので一旦ここで区切ります。
このペースで進めるとブログ上でいつまでもエベレスト街道から下山できないので、次回からはもう少し簡潔に行きたいと思います。
トレッキング記録
6日目
ナムチェ(Namche)3440mからパンボチェ(Pangboche)3930m
時間:7時間
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