《2023.10.29》
インド鉄道に揺られること18時間、無事インドの首都、デリーに到着です。
予約した宿は、ニューデリー駅前のメインバザールにあるドミトリー。
メインバザールは安宿が集まる賑やかな通りで、旅人の間では『タイのカオサン通りのインド版』などと言われることもあるようです。
さて、宿に荷物を置き“早速街歩きにでも出かけよう”と外に出て少し歩くと、一人のインド人男性が声を掛けてきました。
男性「君、旅行者だよね?この辺はスリが多いから、リュックは体の前に持った方がいいよ。」
リュックには南京錠で鍵をしてあったので開けられる心配はなかったのですが、念のため忠告に従いリュックを前へ。
お礼を言うと、彼は歩きながら自然な流れで話を続けてきました。
男性「どこから来たの?」
私「日本です。」
男性「デリーははじめて?」
私「ええ、まぁ…。」
男性「そうなんだ、デリーは大きな街で、悪い人もたくさんいるから気をつけて楽しんでね!」
…と、まぁ自然な会話。
メインバザールの道は細い上に交通量が多く、時々バイクが突っ込んで来たりします。
そんな中、スッと車道側に立ってくれたりして紳士的にふるまう彼。(しかも長身イケメン)
歩いている方向が同じだったため、何となく会話は続きます。
男性「今からどこ行くの?」
私「特に決めてないけどブラブラ歩いてみようと思って。」
男性「そうなんだ、僕この後予定ないから、案内しようか。」
私「いえ、大丈夫です。」
男性「でも、悪い人に絡まれるかもしれないし、僕はデリーの出身だから一緒に歩けば安心だよ!」
私「ありがとう。でも一人で歩きたいので大丈夫です。」
この時点で私は彼が悪い人かもしれないとまでは思っていませんでした。(ちょっとしつこいな…とは思いましたが。)
しかし成り行きでダラダラ一緒に歩くことになるのも嫌だったので、彼と離れるべく、わざと道を曲がることに。
私「では、私はこっちに行きますね。ありがとう。さようなら。」
男性「待って!!その道は危ない道だよ!曲がらない方が良いよ‼(必死)」
え…そんな必死に止める程危ない道なの?
うーん…たしかに言われてみれば多少薄暗い通りではある。
まぁもうすぐ太い通りに出るし、そこでお別れすればいっか。
そう思い、再び彼と歩くことに…。
男性「さっきの話だけど、やっぱり僕案内するよ!せっかくこうして出会えたんだし。」
私「いいえ、一人で大丈夫です。」
男性「でも、僕はもっと君と一緒にいたいよ。」
・・・・ん? なんか、怪しくない?
私「でも、私たち今そこでたまたま会っただけですよね…?」
男性「そうだけど、君はとても魅力的だから。」
うん、絶対怪しい。
本当にスリを心配してくれただけなら、こんな話の展開にはならないはず。
男性「ね、一緒に観光しようよ。トゥクトゥクに乗って。さぁ!」
男性がそう言いだした時、私たちの行く手には丁度トゥクトゥクがたむろしていました。
私「本当に、結構です。」
男性「そんなこと言わないで!Because I love you!(←たぶん私があまりにも釣れないのでやけくそになった)」
うわ…完全にやばい奴だ。早く離れよう。
そう思って、何やらしゃべり続けている彼を無視して歩き出すと、彼はフッと諦めたようにため息をつきました。
そして、キレたような表情で路上にたむろしていたトゥクトゥクに乗り込んでいきました。
ふぅー…やっと行ってくれた。
そう思って歩き始めた十数秒後…
さっきの男性を乗せたトゥクトゥクが私を追いかけてきました。
そして、歩く私の速度に合わせて徐行しながら、ありったけの罵声を浴びせてきました。さっきの男性と、彼を乗せたトゥクトゥクドライバーが二人そろってです。
「ヘイ!〇ァッキング 〇ッチ!!」
「Do you like Indian men’s●●●?」
「We like Japanese wemen’s △△△!!!」
そして二人は、揃ってこちらに中指を突き立てながら去っていきました。
…唖然。。
ちなみに、●●●と△△△は日本語の下ネタワードです。
誰よ教えたの。
彼らは、外国人を狙った詐欺師なのでしょう。(もちろんトゥクトゥクの運転手もはじめからグル)
「デリーには悪い人が多いから気を付けて!」などと言っていたのは、そう言っておけば自分を悪い人だとは思わないだろうという魂胆だと思います。
私が道を急に曲がろうとした時必死で止めたのは、私が曲がってしまうとグルのトゥクトゥクのところまで誘導出来なくなるから。
相方のほうも、怪しまれないように他のトゥクトゥクに紛れて待機しているあたりが巧妙です。
それにしても、カモにできなかった腹いせに2人そろって暴言を吐き捨てていくとか、どれだけ心が腐っているの。
あのまま、誘いに乗っていたら私はどうなっていたのでしょうか。まぁ絶対乗らないけど。
如何わしい旅行代理店か土産物屋にでも連れていかれていたのでしょうか。
それとも人気のない場所に連れ込まれて身ぐるみ剝がされていたのでしょうか。
しばらく怒りで心拍数が上っていましたが、気持ちが落ち着いてくると、一連の出来事がなんだか滑稽に思えてきました。
小さなトゥクトゥクに乗った大男が、二人揃って中指を立てて去っていく姿とか、漫画のワンシーンのようで。
ちなみに、この後もデリーの街を歩いていると、同様の方法で声を掛けてくる人の多いこと多いこと…
「この通りはスリが多いから気を付けて!」
「この通りは危ないよ。安全な道を案内するよ。」
「カバンは前で持った方がいいよ!」
…なんなの。今、その手口トレンドなの?
インドでは確かに神レベルの親切な人もいますが、そういう人は、こちらが普通に歩いているだけなのにやたらと話しかけてきたり、ましてやしつこくついて来たりしないと思います。
デリーで、困ってもいないのに話しかけてくるような人は悪い人だと思った方が良いのかも。
デリーはインドの中でも特に詐欺被害が多いようですが、その被害は他の街に比べると何だか巧妙で悪質な気がします。
他の街では、詐欺と言ってもせいぜい店やトゥクトゥクで高い金額を吹っ掛けられたとかがほとんどだと思いますが、デリーの詐欺師は複数でグルになりあの手この手で騙そうとしてくるようです。(←ネットで経験談読み漁った。)
皆様も、デリーに行かれる際にはお気をつけ下さい!
事前に必ず、色々な詐欺の手口を読み込んで予習をしておくことをお勧めいたします。
しょっぱなから出鼻を挫かれたデリー観光は、その後も何だか気持ちが乗らず…
何となくいくつか観光地を回ってダラダラと数日が過ぎてしまいました。
というわけで、これにてインド編は終了。
といきたいところですが、最後が詐欺師の話というのも後味が悪いので、次回はデリー観光についてまとめたいと思います。
本日も、お読みいただきありがとうございました。
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