≪2023.9.5≫
私の乗った夜行列車は朝5時ごろガヤに到着予定でした。
朝目覚めると、列車はちょうどどこかの駅に停車していました。
時計をみると、時刻5時半。
到着時刻過ぎてる…!
でもあれでしょ?インド鉄道って遅延が当たり前なんでしょ?きっとこの列車もかなり遅れているはず…。
そう思いGoogleマップを確認すると、列車が止まっているその駅は、まさにガヤでした。
やばい!早く降りなくては!そう思った瞬間、列車はゆっくりと動き始めました。
はい、終了ー。
私は目的地で降り損ねたのです。
私のベッドはガヤから他の人が使うらしく、列車が動き出すと同時に速攻で立ち退きを迫られました。
仕方なく、車両同士の接続部分に立ち、扉の無いドアから外を眺めます。
“あぁ、この列車はどこに行くんだろう…”
そんなことを考えながら、一面に広がる畑をぼんやりと見つめます。
ところで、インド鉄道は車内アナウンスなんか一切無いし、車掌さんが都度「次は〇〇駅!」とか言って回ってくれるわけでもないし、その上時間は大幅に遅れたり定刻に着いたりまちまちだし、駅に止まっても列車の小窓からは駅名の看板なんて見えないし…Googleマップが無い人は一体どうやって現在地を把握しているのでしょう。スマホの無い時代の旅人さんたちは苦労されたのではとお察しします。
列車は30分くらいで名前も知らない次の駅に止まりました。
どこだか知りませんが、これ以上乗り続けても仕方ないのでとりあえず降ります。
それにしても、一体ここはどこなんだ。
途方に暮れていたその時、私の元に突如スーパー親切なインド人が降臨しました。
彼は一連の私の挙動不審ぶりを見ていたらしく、「どうしたの?」と声をかけてくれました。
私が事情を説明すると駅の切符売り場でガヤに戻る列車のチケットを購入してきてくれ、更にその列車が来るプラットフォームまで連れて行ってくれて、「15分後に列車が来るからね」と教えてくれた後、爽やかに去っていきました。なんという優しさ…!
思うに、インド人と日本人の違いは“人との距離”な気がします。
インド人は、日本人のように初対面の他人だからといって距離を置くことなく、心理的にも物理的にもぐいぐい距離を縮めてきます。
それ故にうざい人は本当にうざいし、欲深い人は躊躇なく人の懐に土足で入ってこようとする。でも、その分親切な人は本当に親身に助けてくれる。
こういう人に出会う度にインドが好きになるし、私もそうやって躊躇せず誰かに手を貸せる人間でありたいなと思わされます。
こうして、当初の予定からは1時間半ほど押しましたが私は無事にガヤに到着しました。
ガヤから目的地のブッダガヤはトゥクトゥクで1時間弱の距離です。
運良く、ちょうどブッダガヤに向かうという旅行者さんと相乗りすることが出来、一人150ルピーでブッタガヤに行くことが出来ました。
現地の人曰く、ガヤからブッタガヤまでのトゥクトゥクの現在の相場は300ルピーとのことです。
少し高いようにも感じますが、実際乗ってみるとかなり距離があるのでこれが妥当な金額なんだと思います。
ブッダガヤではBeauty guesthouseという宿に泊まりました。
Beautyは言い過ぎだと思いますが、掃除は行き届いていて快適に過ごすことが出来ました。
さて、ブッダガヤの名所といえば、世界遺産にもなっている大菩提寺(マハーボディー寺院)です。
ここは仏教4大聖地の一つで、2600年前に仏陀が悟りを開いた仏教誕生の地なのだそうです。
早速行ってみたいと思います。
入場ゲート手前には手荷物預り所があり、スマホはここで預けなくてはなりません。
また、カメラの持ち込みは有料で、持ち込みを希望しない場合にはここでカメラも預ける必要があります。
私はカメラは持ち込まなかった為、中の写真は一切ありません。
ここで、流暢な日本語を話すインド人に会いました。彼は近づいてきて勝手にガイドを始めたので、「これは後で金を請求されるやつだ….」と思って何度も断ったのですが、本当にタダだから!とひたすら着いてくるのでもう身を任せることにしました。
そして、彼のガイドは実際とても分かりやすく、1人で回っていたらよく分からなかったであろう細部まで知ることが出来ました。
2600年前に仏陀が悟りを開いた場所にある菩提樹は現在4代目とのこと。
イスラム勢力に切り倒されたり災害で倒れたりしたのち、現在のものは原木の分け技をスリランカから運んだものを植樹したんだそうです。
仏陀が悟りを開いた場所には立派な台座があるのですが、その周囲は厳重な囲いで覆われています。
ガイドの彼曰く、以前ここでオウム真理教が騒動を起こした為、それを機に厳重な囲いが作られたんだそうで…
世界中の人が集まる聖地で日本人が騒ぎを起こし、そのせいで遺産の景観を変えてしまう事態になったとは遺憾の極みです…。
敷地内には、仏陀が悟りを開いた後7週間に渡って瞑想を続けた場所も残されており、ガイドの彼はその一つ一つをとても丁寧に説明してくれました。
ここまで細かく案内してくれたのだから、さぞかし大きな見返りを求められるかと思いきや、彼は本当に最後まで一切何かを要求してくることはありませんでした。
彼によると、以前はお寺関係のツアーなどで日本からもたくさんの旅行客が来て案内をしていたが、コロナ禍後はすっかり来なくなってしまった…とのこと。
日本人が中々来なくてガイドとしての力を発揮できる機会が無いので寂しかったのでしょうか。
日本人を含めたくさんの観光客が、この地にも早く戻ってきたら良いなと思います。
マハーボディー寺院を出た後は、各国の寺巡りに出かけました。
ブッダガヤは仏教の聖地とのことで、仏教を重んじる各国の寺が点在しています。
タイ寺。
チベット寺
ミャンマー寺だっけ?何だっけ?
我らが日本寺。
同じ仏教でも各国で寺の雰囲気が違い、のんびりと散歩しながら見て歩くのは大変面白かったです。
日本寺の隣にはこじんまりした日本の図書館もありました。
かなり古びた本もありますが、小説からガイドブックまで中々充実のラインナップです。
中でも、地球の歩き方はかなり幅広い年代を網羅しています。
一番古いものは1991年度版!
古っ!
私だって生まれる前…ではないか。91年全然生まれてました。失礼。
↑この人、なんか見覚えあるような。
コルカタの有名人、サトシさんの若かりし頃では…?
こんなところでお会いできるとは。
一時間程じっくり読書を楽しませてもらいました。
図書館には日本語ペラペラのインド人のおじさんがいて、質問するとブッダガヤのことなど色々教えてくれます。
彼によると、「コロナの後この図書館に来た日本人、あなたで4人目。」だそうです。
そんなに誰も来ない図書館で、日がな一日このおじさんは何をして過ごしているのか若干気になるところです。
夜は、宿の人に激押しされたMohammed’s Restaurantへ。
よく分からず頼んだスープには、ちぎった小麦粉が山盛り入っており、モモ(餃子)の皮と相まってお腹が小麦粉でパンパンになりました。
しかし、インドの食堂の割には大変清潔で料理も安くて美味しかったのでおすすめです。
そんな感じで、ブッダガヤ一日目は終了。
明日は、近く『スジャータ村』に足を運んでみたいと思います。
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