【チェコ③】プラハ国民劇場で演劇鑑賞

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《2024.1.22》
プラハでは、ぜひやってみたいことがありました。

それは、歴史ある劇場で公演を見ること。

ヨーロッパの劇場と言えば、煌びやかな彫刻や天井画に、何階もある馬蹄型の観客席・・・
そんなテレビで見るような豪華な劇場で、ぜひ本場の芸術に触れてみたかったのです。

とはいえ、具体的に“これが見たい”という演目が決まっているわけではありません。
私の目的はとにかく、“テレビで見るような豪華な劇場で何かしらの公演を見る”という、ざっくりしたもの。
なので、値段は安く抑えられるならそれに越したことはなし。

というわけで、プラハのいくつかの劇場の公演を検索・予約できるこちらのサイトを使って調べたところ、丁度良い公演を発見して即予約をしました!

演目はハムレット
内容は知らないけど、名前は私でも知っている超有名作品!

場所は、国民劇場。
かつて、オーストリアの支配下にありドイツ語の使用を強いられていたチェコにおいて、“チェコ語によるチェコ人の為の劇場”をスローガンに作られた歴史ある劇場です。

注目すべきはそのお値段。

なんと、まさかの250コルナ(約1600円)

安っ!!
歴史ある一流劇場での公演がこのお値段で見られるなんて・・・さすが芸術大国チェコです。

国民劇場は、下の地図の場所。
旧市街広場や有名なカレル橋からも、徒歩でアクセス可能です。

公演は夕方17時からなので、時間まで周辺を散歩。

国民劇場周辺の街並みも、大変美しいです。
モルダウ川沿いに、重厚感あふれる建物が並んでいます。

川沿いに南に10分程歩いていくと、歴史ある街並みに溶け込んでいるとは言い難い奇抜な建物を発見。

この建物は、ダンシングハウス
男女が抱き合っているように見えることからその呼び名がついたのだそうです。
第2次世界大戦で爆撃を受けた跡地に、有名建築家の手によって1996年に建てられたとのこと。
完成当初は、歴史的な街並みの景観を損ねるといった抗議の声もあったそうですが、今はすっかりプラハの観光名所の一つになっています。
ちなみに、内部はホテルとして活用されているそうです。
わざわざ調べるまでもなくめっちゃくちゃ高いことは明らかです。

さて、ぶらぶらと散歩している内に公演の時間が近付いてきたので、劇場へ向かいたいと思います。

・・・因みに私、公演を見に行くに当たって懸念事項が一点ありました。

それは、服装。

ここは、ドレスコードに厳しいヨーロッパ。
ましてや、今から行くような歴史ある劇場だと、ヨーロピアンの紳士淑女の皆様はみんながっつりドレスアップしてくるのではないかと若干不安になったのです。

しかしこの時の私は、この為だけにわざわざ服を購入したくなくて、こんな都合の良い解釈をしてしまいました。
“まぁでも、言っても1600円でチケットが買えるような公演だし、そんなにお堅いものではないのかも…。
チケットにもメールにも服装に関する規定は書いてなかったし、きっとチャリティー公演みたいな感じで庶民的な雰囲気に違いない♪”と。

結局、ユニクロの黒のレギンスパンツに黒のパーカー、上着はユニクロのウルトラライトダウン、靴はスニーカーという極めてカジュアルな服装で劇場へ。

ちょっぴりドキドキしながら、入り口でチケットのバーコードをスキャンしてもらい、中に入ります。

中も外観と同じく大変格式高い作りです。

上の写真を見ると分かる通り、他のゲストも意外とダウンジャケットのようなカジュアルなアウターを着ている人が多く、ちょっと一安心。

しかし、これは大きな勘違いでした。

劇場には最低限の手荷物しか持って入ることは出来ず、上着や大きめのカバンは全てクロークに預けなくてはいけないのですが、クロークの前で上着を脱いだ瞬間、、、

みんな、超正装・・・!!

男性はみんな“これから結婚式にでも参列するのか…?むしろあなたが新郎か!?”と思うくらいの気合いが入ったスーツ。
女性は背中一面ががばっと開いたキラキラのドレスや、お高そうなワンピース・・・。

一人、私と同じようなカジュアルな服装の人を見つけて喜んだのも束の間…、トイレに入ったその人は数分後に、ゴージャスなファッションのマダムに変貌してトイレから登場しました。
なるほど、到着してから着替える人もいるわけか・・・。

こうなると、全身ユニクロの私は俄然悪目立ちしています。
バツの悪さを感じつつも、とりあえずクロークに荷物と上着を預けます。

預け終わると、スタッフが他の大勢のゲストをかき分けて一目散に私に近付いてきました。

『お手伝いできることはありますか?!座席番号は?あぁ、その座席番号ならもう一つ上の階です。ご案内しますね、さぁさぁこちらへ・・・(早く早く!)

焦ったように足早に私を誘導し、席に座るように促すスタッフ・・・。
会場の外には、軽食や飲み物を楽しめるカフェバーなどもあるのですが、その辺をふらふらと歩き回れるような空気ではありません。

これはあれですね・・・明らかに“その貧乏くさい恰好で品位ある劇場内をうろつかせてなるものか”という思いが込められているものと思われます。
極力目立たないように、座席でおとなしく座っていやがれということでしょう。
いや、そう思われたとしても大いに納得です。
チェコの皆さん、歴史ある劇場の品位損ねるような恰好でこの場に紛れ込んでしまったこと、大変申し訳ありません。
あぁ、透明人間になりたい。早く公演始まってくれ。

しっかしまぁ、席から見下ろした会場の煌びやかで美しいことといったら!!
イメージしていた『ヨーロッパの劇場』そのまんまです!
場違いな恰好のくせに何を言ってるのだという話ですが、憧れの眺めを前に、テンションが上がります。

程なくして公演は始まりました。

始めこそ女性演者の歌と共に幕を開けたハムレットの公演でしたが、その後はずっと歌もダンスもないセリフの掛け合い。
てっきりオペラの公演だと思っていたのですが、どうやら演劇の公演だったようです。
そんなことも分からないで見に来たのはこの会場でおそらく私一人・・・。服装も公演への認識もずれまくりです。

劇はチェコ語ですが、舞台の上にはスクリーンがあり、英語の訳が表示されます。
しかし、ハムレットは1600年ごろ書かれた作品のため、英語訳もまた古典的・・・。
ただでさえ英語力が十分ではないのもあり、半分以上は単語の意味が分かりません。

何だかよく分からないまま見ていると、突然主人公ハムレットと恋人のオフィーリアが演技とは思えないほどの超熱いキスをしはじめました。
日本なら“角度的にキスしているように見えるけど実はしてない”みたいな演出をしそうなものですが、こちらは直視できないほどの濃厚キスです。Oh,ベロチュー…。もしかして、2人リアルに付き合ってる?

ストーリーが半分くらいしか理解できないまま、劇は途中休憩を挟み後半の部へ。

ハムレットとハムレットの命を狙う者たちの緊迫した掛け合いが続きますが、暗くて暖かい会場と言葉の分からない劇のせいで段々と睡魔に襲われ、ウトウト・・・

ハッと目が覚め舞台の上を見ると、登場人物み…みんないつのまにか死んでる!
主人公のハムレットまで…!
一体何があった…?

こうして、はじめてのヨーロッパでの公演鑑賞は波乱万丈の内に幕を閉じました。

公演が終わった後は、速やかにクロークで上着を受け取って速やかに会場を後にしました。

今回の国民劇場の演劇鑑賞に関する教訓は二つ。

・見に行くときはある程度綺麗目な服装で!
プチプラでも良いので、男性は襟付きのシャツ、女性は綺麗目のワンピースを最低限着ていれば、そこまで悪目立ちはしないはず。デニムやパーカーは超場違いな空気になること間違いなしです。

・チェコ語か英語に自信がある人以外は、事前にあらすじをチェックすべし!
よくストーリーが分からないまま見続けるのはなかなかの苦行。
中には“美女と野獣”とか、日本時にも馴染みのある演目もあるようなので、そういうのが予約できればベスト。
あるいは、オペラやミュージカル的な公演ならもっと視覚や聴覚で楽しめたかもしれません。

どちらも、言われなくたって普通は想像が付くことですねw

なにはともあれ、念願の“歴史ある劇場での公演鑑賞”は果たすことができました。

次回は、首都プラハから世界一美しい街といわれるチェスキークロムロフへと移動していきたいと思います!

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