【インド⑥】ヒンドゥー教の聖地、バラナシ

世界一周日記
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《2023.9.8》
本日よりバラナシ観光スタートです。

バラナシと言えば、ガンジス川。
現地ではガンガーと呼ばれ、ヒンドゥー教徒の聖地となっています。

以下、Wikipediaより、ガンガーの説明を一部抜粋。

ガンガーとは
ガンガーとは、天界で育った美しい女神。神話によると、始めはガンガーはヴィシュヌ神の足の指から流れ出て、天界にあるブラフマーの町の周囲を周っていた。賢者バギーラタは、ガンガーの聖水を地上にもたらそうと、ヒマラヤ山中で修業を積んだ。ガンガー女神はその願いを受け入れたが、天界から地上へ落下するガンガーの奔流を受け止められるのはシヴァ神のみであると伝えた。バギーラタはカイラス山に赴きシヴァ神に祈りを捧げ願いを聞き届けられた。シヴァ神は地上に落下するガンガーを豊かな髪で受け止めヒマラヤ山中に注いだ。それ以来、ガンガーは聖なる川として地上の人々に恵みをもたらし続けているとされる。

はい、もはや、“なんのこっちゃ?”です。

“足の指から流れ出た”とか、“髪で受け止めた”とか、インド神話に馴染みのない我々からすると『一体、その発想はどこからきたの?そして、なぜ皆その奇想天外な神話を重んじているの?』と、頭がハテナで一杯になることでしょう。

まぁ…その理由はたぶん…“ここがインドだから。”ではないでしょうか。

とにかく、ガンジス川はインド人にとってはただの川ではなく女神そのものなのです。
そして、インドの人は“ガンガーの水で沐浴すればすべての罪は浄められ、死後の遺灰をこの川に流せば永遠に繰り返される輪廻から解脱できる”と本気で信じているのです。

というわけで、早速ガンガーを拝みに行ってみたいと思います。

思いの他、静かな空気が流れています。
雨期なのでもっと荒々しい流れを想像していましたが、川面も穏やかです。

川沿いには、いくつもの“ガート”と呼ばれる階段状の施設が連なっており、それらは沐浴や儀式の他、洗濯などをする人の姿を見ることも出来ます。

とりあえず、ガート沿いをぶらぶらとお散歩。

どのガートにも沐浴をしている人が多く見られます。
一言に沐浴と言ってもそのスタイルは色々で、熱心に祈りを捧げながら水を浴びる人もいれば、どう見てもただ水遊びをしているようにしか見えない人もいます。
中には、何度も頭まで潜ってそれこそ死にもの狂いで祈りを捧げている人までいました。
そんなに必死で洗い流さなくてはならないほどの大きな罪を犯してしまったのでしょうか。気になるところです。

家族みんなで沐浴する人の姿も。

川沿いには、空のボトル容器を売っている店がたくさんあります。
ガンガーの聖なる水は決して腐らないと信じられており、地方から来た人はこの容器に川の水を入れて持ち帰るんだとか。
実際には、川辺はゴミだらけだし、汚水から排泄物から全部垂れ流されているこの川の水が腐らないなんてことはあるはずがないと思うのですが、インド人の熱い信仰心はどんな強力な細菌にも勝るのでしょう。

しばらくガンガー沿いを歩き一番端のアッシーガートまで行った後は、そこから“バナラス・ヒンドゥ大学”に行ってみることにしました。

Googleマップでバラナシの街を見た時にひと際目立つ半円状の施設がそれです。
この大学はインド最古の大学の一つで、1917年創立だそうです。
その規模は尋常ではなく、地図で見ると小さく見える半円状の大学の敷地は、端から端まで歩くとかるく一時間以上は掛かるという広さ。学生数は一万人を超えているそうです。
なぜ大学などに足を運ぼうとしているかというと、この大学の敷地内には美術館やヒンドゥー寺院などがあり一般の観光客でも気軽に散策を出来るらしいからです。
あと、インドのキャンパスライフとはどんなものなのか、ちょっと見てみたくなりまして。

大学の敷地までは、アッシーガートから徒歩30分くらいです。
大きな門を超えて大学の敷地内に入ります。
緑が多く、市街地のクラクションと土埃地獄に比べるとまだ幾分歩きやすいです。

しかし、緑豊かな分、虫の多いこと。
時期的な問題なのかも知れませんが、道にはそこかしこに黒地に黄色の斑点が付いた芋虫が落ちています。何匹なんていうレベルではありません。ほんの数メートルの間に何十匹も落ちているのです。
毒々しい色合いとグロテスクな見た目は、そこがインドであるということをいちいちリマインドしてくれます。
なぜこの国は、人も街も虫に至るまでも一つひとつの主張が激しいのでしょう。

さて、気を取り直してまずはじめに訪れたのは構内にある美術館。

入場料は250ルピーです。
荷物は持ち込み禁止なのでロッカーに預け、中に入ります。
展示物はインドの伝統的な刺繍や、各年代の彫刻・絵画などです。
この美術館、特に期待はしていなかったのですが大変良かったです。
特に彫刻と絵画がとても面白く、そんなに広くはないにもかかわらず2時間程見入ってしまいました。
人も少なくゆったりと過ごせるし、とてもおすすめです。

美術館でゆっくりと過ごしたあとは、同じく構内にありヴィシュワナート寺院へ。

バラナシにはヴィシュワナート寺院と呼ばれる寺院が二つあります。
有名なのはここではなく、もう一つの別名“黄金寺院”と呼ばれるヴィシュワナート寺院の方なのですが、そちらは入場料が600ルピーも掛かる上、ガチのヒンドゥー教施設として規制が色々厳しいらしいとのこと。
その点、こちらの大学構内にあるヴィシュワナート寺院は、誰でも観覧無料なでゆっくりと訪問することが可能です。
しかも、この大学内の寺院はもう一方の有名寺院の方の外観を模して建築されたらしく、“タダで似たようなものが見られるなら全然こっちでいいわ…”という私のような観光客にはもってこいの施設なのです。

靴を預け、中に入っていきます。

中は大理石張りで、とても静かです。

奥の部屋を覗いてみると、何やら石の台のようなものを葉っぱらしきものでゴシゴシこすっている人々…
部屋に入室する際にも皆何かをおでこにこすりつけるようなしぐさをして中に入っていきます。
何だか、信仰心など全くない私などが気やすく中に入るのは場違いな気がして、外からじっと様子を眺めました。
人々のヒンドゥー教への信仰心の熱さをひしひしと感じられる場所でした。

大学構内には他にも、だれでも入れる図書館などがあるようです。
ぜひ見てみたいところではありましたが、思いのほか時間が遅くなってしまったので大学内の散策はこのくらいで。

ちなみに、インドの大学生達の雰囲気はほぼ日本の大学生のそれと変わらない感じでした。
街中では女性はほぼ皆サリーやパンジャビドレスを着ていますが、大学生はいたってカジュアルなデニムにTシャツ姿などが多かったです。

少し疲れたのでガンジス川沿いのカフェで小休止。アップルパイがサクサクで美味しかった!

夕方は、川沿いで連日行われているヒンドゥー教の儀式“プージャ”の鑑賞へ。
詳しい説明は割愛しますが、プ―ジャはヒンドゥー教の神への礼拝の儀式です。
いくつかのガートでその様子をみることが出来ますが、私はダシャーシュワメード・ガートへ。

始まる30分以上前に到着しましたが、既になかなかの人だかりです。
たまたま隣に座っていたデリーからの観光客だという若者とお喋りしながら時間潰し。

彼は真剣な表情で私に言いました。

「他の国では、お金が無ければ一生懸命働くでしょ?でもインドではどうすればいいか分かる?
神に祈ればいいんだよ!だから僕はバラナシに来たんだ!ガンガーで沐浴してプージャの儀式に参加するためにね!!!」

…彼にはとても言えないけど、そんな都合の良い話ある?
神に祈っただけで幸せな暮らしが手に入るかいな…。
インド人の信仰心の源って、私利私欲なの…?(´・_・`)
それとも、神を心の拠り所にして日々祈りを捧げる生活それ自体がインド人にとっての幸せな暮らしなの?

そんなことを考えてるうちに儀式は始まりました。

すごい熱気です。
所々、見ている人もみんなで掛け声をかける場面があり、隣の彼が“君も声出せ!”と私の脇腹を小突いてきます。
そんなこと言われても、、ってかんじなのですが、そうしないと彼がこちらを睨みつけてくるので訳も分からず「じぇー!」と謎の掛け声をかけながら鑑賞します。

儀式を行っている人たちは、カースト制でも最上位のバラモン階級の人たちとのこと。
本人の努力とは関係なく生まれながらにして最上位の階級に君臨しているのであろうその人たちに、群衆の熱い視線が注がれています。

途中何やら煙が出たり火が出たりと様々な局面を経て、1時間ほどで儀式は終了しました。
儀式が終わるや否や、儀式で使われた祭具から出る煙を求めて一斉に群がる群衆。

押し合いへし合いしながら、我先にと煙に手を伸ばし頭にかけるような仕草をしています。
年配の人だけでなく、若い人たちも必死になって食らいつき、煙を頭にかけたりバラモンからなにやら儀式で使ったよくわからない粉のようなものをもらったりしています。

なるほど…これが、インド人の信仰心の熱さか。
そして、ここがヒンドゥー教の聖地、バラナシか。

こうしてインド人の熱い信仰心に圧倒されたバラナシの一日は終了。
日本に生まれて宗教を意識する機会の少なかった私には、インド人のこの熱狂的な崇拝ぶりはもはやすぐに理解できるようなものではなさそうです。
宗教って、改めて考えると一体何なんだろう。
そんなことを思った夜でした。

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