《2024.4.8》
ナイロビ到着の翌日は、アフリカ大陸最大のスラム街と言われるキベラスラムに行ってみることにしました。
キベラスラムとは
『キベラスラムって何?』という方もいるかと思いますので、以下簡単に情報を載せます。
キベラスラムとは・・・
・アフリカ最大級のスラム: ケニアの首都ナイロビにあり、都心部から約5kmに位置。
・人口は推計50万〜100万人: 世界でもトップクラスの規模だが、正確な統計は無し。
・土地権利: ケニア政府が所有権を保持。住民は「非公式居住者(不法占拠状態)」として扱われがち。そのため長年、インフラ投資が後回しにされてきた経緯がある。
・歴史は100年以上: イギリス植民地時代(20世紀初頭)、退役したヌビア人兵士の集落から始まった。
今旅の目的は、キラキラした観光地だけではなく、広い視野で世界の様々な場所に足を運ぶこと。
ネットの情報などから漠然と『スラム=貧困=かわいそう』と決めつけるのではなく、自分の目でその現状を見てみるべく、足を運んでみることにしました。
キベラスラムの行き方
治安や土地柄から、キベラスラムにガイド無しで自力で行くことは言うまでもなく、推奨されていません。
住民への敬意をはらい、ただの冷やかしではなく“きちんとした理解”を得るためにも現地ガイドはマストです。
宿で知り合った日本人女性もちょうど同日にキベラスラムに行こうとしていたそうで、意気投合。
あれこれ相談した結果、私たちはFREETOUR.comから現地ツアーに申し込むことにしました。
FREETOUR.comとは、無料で参加できる徒歩のガイドツアーを紹介するサイトです。
完全無料というわけではなく、ツアー終了時に満足度に合わせてガイドへチップを渡す仕組みになっています。
これならば、仲介会社に余計なマージンを取られることなく、その分現地ガイドに直接十分なお礼を渡せると思い、選択した次第です。
前の日の晩に申し込みを完了させ、当日はUberでスラムの入口付近にある集合場所へと向かいました。
トラブル発生!
準備万端で向かったはずの私たちでしたが、早速トラブルに見舞われました。
いくら待っても、予定の集合場所にガイドが来ないのです。
実はこれは、うっすら予感していた出来事でした。
原因は、ツアーの申し込みをしたのが前日の夜遅くで、あまりにもギリギリだったせいだと思われます。
申し込みの確認メールは受信していたものの、当日朝も現地ガイドとは一向に連絡が取れていなかったのです。
一人ではないので気が大きくなった事もあり、「現地に行けば意外とあっさり合流できるかもしれないし、とりあえず行ってみるか!」と向かったものの、予想通りそこにガイドは現れなかったのでした。
チップ制の無料ツアーではなく、有料ツアーの方がこのようなリスクは低いのかもしれません。
無料ツアーでは、参加者とガイドの直接契約になるため、ガイドの気が変わってしまえばそれまでです。
途方に暮れながら、集合場所付近をしばらく二人でうろついていたところ、たまたまそれを見ていた近隣の学校の警備員の人たちが心配して声をかけてくれました。
彼の名前はジョシュア。
事情を説明したところ、「それなら、俺と友達が案内するよ!これまで他の人を案内したこともあるし、自分もスラムに住んでいるからここの人たちとはみんな顔見知りなんだ。」とのこと。
少し迷いましたが、色々話して信用できそうな人たちだと感じた為、急遽ガイドをお願いすることになりました。
キベラスラムの様子
思わぬ急展開がありましたが、気を取り直してキベラスラムのツアーに出発です。
キベラスラムは東京ドーム約53個分の大きさだそうです。
私たちは、その西端近くにあるOlympic Primary Schoolという場所から徒歩で見学をスタートしました。(ガイドをしてくれたジョシュアは、その学校の警備員)

まず見えてきたのは、果てしなく続くトタン屋根。
バラックのような簡素な家々は、イメージしていたスラム街そのものです。

スラム街を突っ切る線路。
廃線になっているわけではなく、一日に数本電車が通るのだそうです。
線路の脇には、即席の路面店がずらりと並んでいます。

売られている物はこんな感じ。
どれもボロボロですが、ここでは立派な主力商品になっているようです。

“その辺にあった少しでも売れそうなものをかき集めた”的な店も多数。
買う人がいるのか疑問ですが、売り手がいるからには買い手もいるのかもしれません。

線路から道を下っていくと、道端に汚水にまみれたゴミだまりが・・・。
スラム内では下水道などのインフラの整備は進んでおらず、生活排水は側溝に垂れ流しになっているそうです。

土や動物の糞を固めたという燃料が日干しされていました。
各家庭にはガスの設備は無く、石炭やこういった燃料で火を起こすのだそう。

ゴミ集積場。
先進国のそれとは違い、本当にただ集めて積まれただけの状態です。
ヤギたちがゴミを食べていますが、どういった目的で飼育されているのでしょう。
ゴミ処理用?それとも食肉…?
前者だとしたらこのゴミの量はヤギのキャパシティを超えていますし、後者だとしたら誰もその肉を食べたくはないでしょう。

こちらは地域の共用トイレとシャワーで、屋根の上のタンクには雨水が溜められているそうです。
各家庭に水道は無いのだそう。

こちらは食堂だと言いますが、屋根の上の靴は何を意味するのか謎。

こちらは診療所。

快く中を見せてくれました。
どう見ても高度な治療は出来なそうです。
マラリアの予防接種などは出来るそうですが、打ちに来る人はほとんどいないのだそう。

こちらは学校。

こちらも快く中に招き入れてくれました。
職員の方曰く、この学校は私立の学校で学費を月500シリング(600円くらい)ずつ各家庭から集めているが、経営はかなり苦しいのだそうです。
“海外の支援に助けられている部分もあるので、ぜひ見学をして現状を知ってほしいし、ネットに写真を載せても構わない。それがもしかしたら支援の輪に繋がるかもしれないから”とのことでした。
子供たちは元気いっぱい!
見学したクラスでは小学校高学年くらいの子たちが英語の勉強をしていましたが、突然訪問した私たちにもみんなとても人懐っこい笑顔で近づいてきてくれました。

スラム街にはたくさんの子供たちがいます。
みんな、肌の色の違う私たちを見ると「ジャンボー!!(こんにちは!)」と人懐っこい笑顔で近づいてきてくれました。
許可を取ったわけではないので子供たちの顔をお見せ出来ないのが残念ですが、みんな本当にはじけるような笑顔で可愛いのなんの。
“ささやかな地域還元になれば…”と、スラム内の商店で駄菓子を買い子供たちにプレゼントしたのですが、みんな嬉しそうにしつつも過度におねだりをしてくるような子は一人もいません。
子供だけでなく、スラムでは物乞いには一人も出会いませんでした。
ガイドのジョシュアに、なぜここには物乞いがいないのか聞いてみたところ、
「物乞いをしてしまうとこの場所の印象が悪くなり、その結果、支援の手を遠ざけることになってしまうこともあるかもしれない。
自分たちの首を絞めるようなことを避けるためにも、ここに暮らす人は外から来る人に悪い印象を持たれるようなことはしないようにしている。
それに、みんな顔見知りだから挨拶や笑顔は当然のことなんだよ。」というようなことを教えてくれました。

2時間程歩き回って、ツアーは終了。
最後に、急遽ガイドをしてくれた2人と記念撮影。
私たちに出会ったときは警備員の仕事中だったはずなのですが、こんなに長く持ち場を離れて良かったのでしょうか。
しかし、おかげで大変興味深い経験をすることが出来ました。
彼らにはお礼の気持ちを込め、1人1500シリングずつ(約1800円)を渡しました。

キベラスラムの見学後は、ナイロビ市街地へ。
先程までの光景が嘘のような、現代的な街並みです。

City marketでお土産を物色してみます。

購入した、ケニア色の濃い皮のキーホルダー。
一個150シリング(180円くらい)でした。

City marketの裏手には、食堂がずらりと並んでいます。
丁度昼食時だったので、腹ごしらえをします。

牛モツを煮込んだマトゥンボと、ケニアの定番の主食のウガリ。
ローカル色満載の食事です。
お値段は忘れましたが、200~300円くらいだったと思います。

ちなみに相席。
向かいの人にガン見されながら、美味しくいただきました。

宿に戻った後は、ビール。
昨日はゾウの絵柄でしたが、今日はシマウマです。
ケニアのビールの絵柄は、お国柄が出ていてとてもかわいいです。
昼間訪れたスラムの事を思うと、この一本200円以上する冷えたビールを飲むのはなんだか心苦しい思いがするのですが、これだけはどうしても我慢できません。
キベラスラムの感想
キベラスラム、訪れる前に抱いていたのは、「貧困」や「治安の悪さ」といった、重苦しいイメージでした。
実際訪れてみても、貧困や劣悪な環境は簡単に美化できるようなものではありませんでした。
しかし、ここに暮らす人たちの様子や子供たちの笑顔を見ていると、『経済的な豊かさ=幸せ』ではないのかもしれないということを強く感じました。
日本には、生きていくには十分な環境が整っていても、心が満たされていない人が多い気がします。
同調圧力、世間体、仕事の過度なプレッシャー、複雑な人間関係、SNS社会の脅威…
そういった現代社会ならではのストレスは、物質的な豊かさがもたらす幸福感をかき消し、心を疲弊させます。
ここに暮らす人たちからは、そんな現代社会特有のストレスに左右されない、人間が生きようとするエネルギー的なものが感じられました。
私が見たのは表面的なごく一部であり、それでこの土地の人のことを分かった気になるつもりはありません。
もちろん、医療や教育、安心な暮らしが保障されることは必要ですし、スラムの人が貧困に苦しめられているのも事実だと思います。
しあわせって、何だろう。
今回の体験は「私たちが本当に大切にすべき豊かさとは何なのか」を考えてみる貴重なきっかけになりました。(答えは今も出ず。)
さて、ナイロビには計4日間滞在し、宿でのんびりしたり、市内のカルーラフォレストなどに行ったりしましたが、大した出来事は起こらなかったので記事は割愛します。
次回は、ケニア観光の目玉である2泊3日のマサイマラのサファリツアーに行くところからはじめたいと思います!
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
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