【インド⑧】バラナシ・ガンジス川の火葬場にて

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《2023.9.10》
今日も、バラナシの街を散策していきたいと思います。
まず向かったのはやっぱりガンジス川。
聞くところによると、ガンジス川では船に乗ることができ、観光客にも大変人気なんだそうで、今日はその船に乗ってみたいと思います。

船には外国人用の英語ガイド付きのものや、日本人向けの日本語ガイドつきのものまであるようですが、当然のことながらお値段は一人1500~2000ルピー(3000円前後)とお高め。
一方、大きめのガートでは観光船らしき船が客引きを行っており、乗客数の多いインド人向けの船であれば一人100ルピーと大変お手頃です。

早速乗船。

タイミングが良かったらしく、私が乗船してまもなく船は出航しました。

一応ライフジャケットも配られるし、乗車率も思ったほどではなく、とても快適です。

途中、パンパンに膨らんだ白い袋のようなものが流れてきたのでよく見ると、それは膨張してひっくり返った犬の死骸でした。

死体って腐敗して朽ちていくものと思っていましたが、一度膨張するものなのですね。
浮袋のように膨らんだ真っ白いイヌの腹が脳裏に焼き付きました。

インドでは、天寿を全うできなかった子供や妊婦のご遺体は、重しを付けてガンジス川に流す風習があるんだそうです。
流れてきたのが人間のご遺体だったとしたら、さぞかしショックを受けていたことでしょう。しかし、たまたま目にしなかっただけで、この川では毎日そのようなことが日常的に起こっているのです。

川から見た河川敷は、街並みに独特の雰囲気が感じられて大変美しかったです。

どこのガートでも大抵沐浴する人たちの姿が見えます。

船はどんどん進み、煙が上っているガートの岸辺で少しの間停止しました。
火葬場です。(撮影禁止とされているので写真はありません。)

インドでは、遺灰をガンジス川に流すと“永遠に続く輪廻転生から解き放たれる”とされており、ガンジス川の火葬場で火葬されて遺灰を川に流されることはインド人にとって最大の喜びなんだそうです。

火葬場はバラナシのガンジス川沿いに2か所あり、船はその2か所の間を往復して元のガートに戻りました。
1時間弱の乗船でした。

下船した後、私は改めて火葬場に足を運んでみることにしました。
好奇心で見に行く場所ではないのかもしれませんが、それでもわざわざ行くことにしたのは、日本とは違う風習を見てみたいという興味本位からです。

火葬場にはハリシュチャンドラガートとマニカルガーガートの二つがあります。

私が足を運んだのは、マニカルガーガート。

ガートの入り口に着くと、胡散臭いインド人が声を掛けてきました。

彼は、自称火葬場の職員。

「見学したいならこっちだよ。」と火葬場が見えるテラスに私を案内した彼は、雄弁に語り始めました。

「世の中にはカルマというものがある。善い行いをした人には良いことがあるし、その逆もある。
この火葬場は、色んな人からの寄付で運営されている。もし君がカルマによって幸せになりたいなら、今が絶好の機会だよ。さぁ、薪代を寄付しなさい。

…あぁ、そういうことね。
火葬場の周辺には、薪代と称してお金を巻き上げたり、写真を撮っただろうと因縁をつけてくる詐欺師が多数いるらしいと聞いていたのですが、彼もその一人だったようです。
(実際には薪代は遺族からも徴収しているらしい)

無視して振り切ろうとすると、彼は乱暴な口調で「薪代を払わないと悪いカルマがやってくるぞ!」的なことを言いながら後を付いてきました。

詐欺師がカルマを語るなどとはとんだ茶番です。
もしカルマがこの世に存在するなら、連日詐欺を働いている彼には一番に悪いカルマが巡ってくることでしょう。つい、そうなることを心のどこかで願わずにはいられません。


彼は、「観光客は火葬場の職員同伴じゃないと火葬場には入れないから、薪代を断った君はもう火葬場には入れないよ。残念w」とニヤニヤしながら火葬場への道を塞ごうとしてきましたが、通りすがりの人たちが何やら声を掛けるとたちまちどこかへ消えていきました。

さて、火葬場に降りるとそこにはたくさんの煙が上がっていました。
その煙の場所で、ご遺体が焼かれているのです。

しばらく見ていると、新たなご遺体が運ばれてきました。
オレンジ色の綺麗な布に包まれたご遺体はガンジス川の水に浸された後、焼き場へと運ばれて行きました。
周りには、お供えの花などを食べるヤギや牛が群れています。
少し離れた場所から、しばしぼんやりと様子を眺めます。

インドを訪れた人の中には、“火葬場を見て人生観が変わった”という人や“火葬場の光景を見て自然と涙が出てきた”という人もいるようです。

そのようなことから、火葬場に行く前の私は、“実際にその光景を見た時に私は何を感じるのだろう”と正直少しソワソワしていました。

そして、いざ実際に火葬場を見て感じたこと。

あぁ、これがインドか。

人間のご遺体を目にする機会が滅多にない日本人にとっては、ご遺体が焼かれる光景はそれが赤の他人であっても衝撃の光景であるに違いありません。
しかし、それはインドと日本の間に宗教や風習による考え方の違いがあるというだけの話。
日本でも毎日人は亡くなっているし、火葬は一般的に行われています。
その見え方ややり方が違うだけ。
特に感情が揺さぶられることも無ければ、涙が流れるようなこともありません。
とにかく私が感じたのは、“これがインドのやり方なんだな”ということです。

人は、いつかは必ず死ぬ。
そして、日本でもインドでも死んだ人間は火葬される。
火葬された人間は燃えて灰になる。
火葬場には、ある意味当然のその事実のみがありました。

インド人にとって、遺灰をガンジス川に流してもらうことは最大の喜びであるようです。
国や宗教・個人の考えによって、死生観というのは本当に様々なんだと思います。

でも、死後にどんな世界が待っているのか、それともそこにはただ終わりがあるだけなのか…それは一回死んでから生き返った人がいない以上、確認のしようがありません。
“今目の前で焼かれているご遺体は、ガンジス川に流されることで幸せになれるんだろうか…”と考えてみたところで、その答えは結局誰にも分からない。
結局、死後の世界のことは誰にも分からない。

そんなことをぐるぐると考えているうちに私の頭に浮かんだのは、


どう死ぬかより、どう生きるかだなぁ…

ということ。
漠然とそんなことを思いながら、火葬場を後にしました。

さて、今日はこの後夜行列車に乗り移動しますが、長くなりそうなので一旦ここまでで。

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