【ウズベキスタン⑥】ヒヴァ周辺観光~魅惑のカラ周り~

世界一周日記
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《2023.11.10》
ヒヴァ滞在2日目は、ヒヴァ周辺にある“カラ”を巡る『カラ周り』に行きました。
行っておきながらなんですが、私、正直“カラ”が何かも、そんな場所があること自体も、事前には全く把握しておりませんでした。
そんな私が『カラ周り』に行くことになった経緯は以下の通り。

↓ ↓ ↓

ブハラからヒヴァに到着した朝、たまたまその場に居合わせたマレーシア人のお姉さんと日本人大学生の男の子と私は旧市街へのタクシーを3人でシェア。
その車内にて、日本人大学生くんがこんなことを言いだしました。

大学生「明日、カラまわりしたいんですけど興味ありますか?」
私「空回り…?」(空回りしたいって…何言ってんの?)

しかし、これに食いついたのがマレーシア人のお姉さん。

マレーシア「カラ?あなたカラに行くの?私も行きたいわ!」
大学生「本当?じゃあ、タクシーの交渉してみましょう!ドライバーさん、明日カラ行くとしたらいくらですか?」
ドライバー「3つのカラに行って戻ってきて350000スムだ!」
マレーシア「350000スムなら3人で割れば100000スムちょっとじゃない!行きましょうよ。」
大学生「そうですね!では明日、お願いします!」

私「・・・・。」(カラって何…?ってか、“3人で割れば”って…私も行くの?

こうして私は、訳も分からぬままカラ周りなるのものに行くことになりました。
頭の中では、一昔前に流行った某Kpopアイドルの腰振りダンスがひたすら脳内再生されています。

宿に戻ってきてから調べたところ、かつてヒヴァやその周りの地方にはホレズム王国という巨大な国があり、“カラ”とはその城塞や都城を指すそうです。
点在している城塞の遺跡巡りをすることを『カラまわり』と言ったりするそうで、よく見たら地球の歩き方にも記載がありました。

そういえば、ヒヴァの旧市街“イチャンカラ”もカラって付いてましたね。
どうしてすぐ結びつかなかったのでしょう。腰振りダンスのせいかな。

さて、約束の日の朝は8時半に旧市街の広場に集合。
時間5分前に向かうと、そこにはすでにドライバーさんが笑顔で待っていました。
時間への意識が日本並み…!ネパールとは大違い。

無事に誰もばっくれることなく集合し、いざ出発です。
ヒヴァから離れれば離れる程、段々植物が少なくなり、周囲の景色は次第に砂漠に変わっていきます。
国土の80%が乾燥地帯のウズベキスタン。
ウズベキスタン人にしてみれば、鳥取砂丘でワーキャー大騒ぎする日本人などちょっと理解しがたいことでしょう。

約2時間半程走り、タクシーは荒野の中にある駐車場のようなところに止まりました。

駐車場から、丘の上に見えるカラまで歩きます。

きめ細やかでサラサラの砂。

砂丘を登る大学生くん

この美しい砂丘だけで、すでにテンションが上がります。

どのくらいテンションが上がってるかというと、ジャンプして写真撮っちゃったりするくらい。

砂丘を登ると土の城壁が見えてきました。アヤズ・カラです。

アヤズ・カラは1から3まであり、今いるのはアヤズカラ1とのこと。

ここは、紀元前4~3世紀につくられ、1世紀頃まで城塞として使用されていたそうです。
正直、ここにどのような建物があったか想像できるほどの状態の良さではないのですが、ここに確かに人の暮らしがあったことが感じられます。

城壁の周りのトンネルをくぐるマレーシアおねえさん

驚くべきことにこの貴重な遺跡は、監視する人もおらず、ゲートも柵も何も無く、完全に野ざらしになっています。
遺跡に上ろうと、くぐろうと、完全自己責任状態です。
土壁はもろく、ちょっとしたダメージでも崩れてしまいそうなのでとても心配になります。

テーマパーク並みにバッチリ整備されているヒヴァのイチャンカラとあまりに差が付きすぎている気がするのですが、ここまで広大な遺跡を管理するというのも簡単なことではないのでしょう。
個人的には、この風に吹かれた感じの遺跡の方が想像力とロマンをかき立てられます。

アヤズカラ1から見えるアヤズカラ2

かつてはこのカラ同士は橋で繋がっていたんだそうです。
かつてこの地に栄えた古代ホラズム王国がとても広大な国であったことがうかがい知れます。

次に向かったこちらは、トプラク・カラ
ここはとても状態の良い建物の基盤や壁が残っており、当時の様子をよりリアルに想像できます。
ここは1~6世紀に栄えた古代都市の中心地だったそうです。

最後に行ったこちらは、キジル・カラ。
1~4世紀に造られ、12~13世紀のモンゴル来襲時に再建されたんだそうです。
城壁の状態の良さとは反対に、中は荒廃してほぼ何も残っていないような状態でした。

一緒に周った大学生くんは大学で世界史を専攻しているそうで、彼によると古代ホレズム王国やその遺跡についてはまだ詳しく分かっていないことが多いんだそうです。
本日巡ったカラについてもまだまだ未解明のことが多いそう。
“解明されていない=自由に想像し放題”なので、それはそれで面白いものです。

帰り道にはドライバーさん激推しの美味しいサモサ屋さんがあって、4人で昼食をとりました。

メニューはサモサ一択で、注文の取り方も「何にしますか?」ではなく「何個にしますか?」という単純明快な店でした。

店の裏では、壺で大量のサモサが焼かれていました。
繁盛店らしく次々と売れていくので、おばさんたちも大忙しです。

こんな感じで側面に貼り付けて焼かれています。
中には羊のミンチ肉がたっぷり入って、肉汁がジューシーでとっても美味でした。
食べ盛りの大学生が1個を味わって食べている間に、ペロリと2個完食。

思いがけず行くことになったカラ周りでしたが、広大な砂漠の中に残る遺跡はこの上なくロマンが溢れており、“行って本当に良かった”と思います。
2023年現在はカラに行く公共交通機関は存在せず、カラを巡るにはタクシーをチャーターするか、ツアーに申し込むしか手段がないようです。
しかし、そうまでしても足を運んでみる価値はあると思います。
今回は運よくタクシーをシェアすることになり、同行した2人には本当に感謝。
誰かと1日行動を共にしたのはこの旅でこれが初めてでしたが、お喋りしたり感動を分かち合える相手がいるというのも良いなぁ…と改めて感じ、この夜は一人宿でしんみりとしてしまいました。

さて、次はウズベキスタンで最も有名な観光都市であるサマルカンドに向かいます。

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